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文部科学副大臣に面会・要望しました

2023.10.30
10月4日に公表された問題行動調査の結果を受けて、青山周平文部科学副大臣に面会・要望いたしました。

問題行動調査で初めて、子どもの自殺の「背景調査の指針」の運用状況が調査されました。その結果、①調査委員会を設置して行う「詳細調査」の移行率がわずか4.6%、②遺族に「背景調査の指針」の存在を説明しているのもわずか6割、という重大な課題が見つかりました。

①今ある指針を適切に運用することを要望
1.問題行動調査で「背景調査の指針」の運用状況の調査を継続すること
2.背景調査の指針に関する遺族への説明資料を作成すること
3.相談窓口を作り、学校と保護者からの指針に関する相談に対応すること

②今の「背景調査の指針」は10年改定されていないため、見直しを要望
1.不適切指導が背景にある自殺では具体的にどのように中立性を保つ方法が
 あるのか検討し指針に示すこと
2.見直しをする際は遺族等関係者のヒアリングをすること
3.背景調査の指針に関係する通知等を反映させること

③自殺の原因「不明」とされてしまう件数を減らすための要望
 
1.不適切指導の研修を管理職にもすること
2.基本調査の結果等、「不明」と結論づけたプロセスを併せて提出させること

④「不適切な指導」の実態調査を、すでに全国で行われている体罰調査(生徒本人や保護者への調査)でできないか要望
1.「不適切な指導」を調査項目に含めている自治体を参考に文部科学省の集計項目
 を加えること
2.各自治体の調査項目に「不適切な指導」に関する項目を追加するよう求めること

副大臣は、要望した項目一つ一つに丁寧にお答えくださいました。
  
特に、遺族への説明資料の作成や指針の見直しは、大変前向きに考えてくださいました。
  また、今まで公立のみであった不適切指導の処分を行った事案の調査が、令和4年度分から国立・私立も含めて調査しており、その結果が年末に出るとのことでした。
  そして、その調査の結果を踏まえて、「体罰や不適切指導の根絶に向けて検討していきたい」と言ってくださいました。

副大臣との面会後、児童生徒課の担当の方と、さらに詳細を話し合わせていただきました。

「背景調査の指針」で見直していただきたい点について、
・今の指針では、詳細調査の再調査を行うことが前提になっていないため、
 遺族が望む場合に再調査が行えるようにしてほしい
・不適切指導等が疑われ学校や設置者が第三者的立場を取るのが難しい場合、
 詳細調査を首長部局で行えるようにしてほしい
などを要望し、前向きにご検討いただけるとのことでした。

今後も「背景調査の指針」の運用状況を調査する場合に追加すべき項目として、
・詳細調査開始に向け交渉中の件数
・詳細調査に移行するのにかかった年月およびその理由
 (詳細調査に移行するまでに数年かかってしまう事案も多いため)
・調査結果に対する学校または設置者の認識について
 (第三者委員会の結論を学校や設置者が認めないケースもあるため)
などを求めました。
こちらも、前向きにご検討いただけるとのことでした。

さいごに
 不適切指導による自殺が起こってしまったとき、頼れるのは「背景調査の指針」だけですので、きちんと機能するものにしていっていただくよう、強く願っております。
 こども家庭庁ができたことも遺族にとっては希望ですが、10年以上前から指針を作成して子どもの自殺に向き合ってきてくれている文科省の方々にも、これからも頑張っていただきたいと改めて思いました。


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