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なぜパプリカは韓国産なのか?

7月からパプリカが採れはじめました。ただし、しあわせ野菜畑のパプリカは緑色で、外見はピーマンと区別がつきません。
 そもそも、ピーマンとパプリカの違いは「皮(果肉)の厚さ」だけです。
ピーマンが緑色なのは未熟なうちに収穫しているからで、どんなピーマンでも写真のように完熟させると赤いピーマンになります。赤いピーマンは、苦くも青臭さくもなく、甘いです。

赤いピーマン・・甘くておいしい


ピーマンを緑色のうちに出荷するのは、果肉が薄いため、完熟させてしまうと傷みやすく、長持ちしないからです。
柔らかくて空洞なので、赤くなってから出荷するとスーパーに並ぶ頃にはしぼんでしまいます。
そのような流通上の理由から、硬くて未熟な状態で収穫する緑色のピーマンが普通になってしまいました。
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それに対して果肉が厚いパプリカは、赤や黄色に完熟してから収穫しても保存ができます。
肉厚なので実を大きくしても、しぼんでしまうことはありません。

・・・と理屈だけ言うと誰でも出来そうなのですが、全身を赤や黄色にピカピカに染めるには技術が必要です。
これを開発したのは園芸大国オランダで、日本の一般的な温室より高さが2倍以上もあるオランダ式ガラス温室のなかで、水耕やロックウールといった溶液栽培で育てます。


オランダ式温室

この方法だと花が咲いてから実をつけて色づくまでがとても早いです。
品種も果肉が厚く、収量性、保存性に優れた輸出に適した品種を使います。ポイントは「早く大人にすること」です。世間にもまれながら、ゆっくり育てたりしていたら傷がついてしまうのです。


 韓国は国の支援で「日本へ輸出するためのパプリカ栽培」に取り組んでいます。
オランダ製のガラス温室を作り、技術指導員をオランダから招聘し、オランダの種子を使って、オランダのやり方でパプリカ栽培に成功しました。
管理基準や安全性を保証する認証制度も国際基準として(実はこれが重要!)、釜山港からフェリーで福岡や下関経由で日本に運んでいます。

そうなんです。韓国産パプリカはフェリーで玄界灘を渡ってくるのです。
逆に言えば、「フェリーで日本に輸出するのに適した農産物として、軽くて傷みにくいパプリカを選んだ」のだと思います。

 日本で流通しているパプリカの約9割は輸入品、その多くは韓国産です。パプリカ栽培の設備、栽培技術で韓国の方が日本より上ですが、それ以上に
根本的な販売戦略に差があるということだと思います。
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「なぜパプリカは韓国産なのか?」
第1版 2024年7月30日発信 
オーガニック農園 株式会社 しあわせ野菜畑
代表 大角昌巳
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