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ヨーロッパ農業研修で学んだこと 自分が目指している有機農業

 当社は年間50品目の有機野菜を育てています。
 参考になったのはスルガ銀行の海外研修助成事業で行かせていただいたヨーロッパ環境保全型農業の視察研修です。

 研修の中で感じたことは、日本とヨーロッパでは有機農業の捉え方が異なるということでした。日本の有機農業は無農薬で味が良いことを目的としていますが、ヨーロッパの有機農業は「環境保全のために持続的な生産が行われること」が目的です。その土地が本来持っている力で作物が作られていることが重要で、味が良いことは目的ではなく結果です。

 ドイツのスーパーでは主食のジャガイモが、有機のものは値段が7倍もしていましたが、美味しいのかと聞くと、必ずしもそうではないとのことでした。それでも購入する人々がいるのは、「外部の力を借りないで、その土地が持っている最大限の力を引き出して育った魅力」が有機農産物にあるからです。
 最初は理解できなかったのですが、高校野球に例えてみると、何となく理解できた気がしました。優秀な選手を集めて恵まれた環境で練習をしているチームは見ていて楽しいし魅力があります。しかし、小さい時から知っている地域の子供たちが、与えられた練習環境の中で、自分たちの力の限り一生懸命に取り組んでいるチームにも魅力があります。一回戦で負けるかもしれませんが、そんなチームだからこそもらえる勇気や元気があります。

 無農薬で化学肥料を使わないで育てることは有機農業の手段であって本質ではありません。有機農業の本質は「その土地の光と水と空気で、その土地が持っている最大限の力を引き出して育ったという魅力」であり、生産者が有機農業に惹かれるのも、この農法に「人の生き方の原点」を感じているからではないかと思いました。

 自分が目指しているのはそんな農業です。


 


【記事の出典元について】

しあわせ野菜畑の代表の大角は、静岡県高等学校の農業教員でしたが、47歳の時に退職し2008年に農業を始めました。 教員生活は大変楽しく充実していましたが、農業経営者として自分自身が農業の可能性に賭けてみようと考えました。
起業して7年目の2014年4月から1年間、地元の静岡新聞に農業経営者の声「こだま」を毎月2回書かせていただく機会がありました。
「こだま」は農業者が交代で書くことになっており2015年3月で終了しましたが、その後、毎月1回農業欄のコラムとして「野菜が好きになる話」を書かせていただくこととなり、現在も続いています。
野菜宅配セットをお送りしているお客様にお届けしているニュースレター「しあわせ野菜新聞」、それからNoteの文章は、静岡新聞の農業欄「野菜が好きになる話」が元原稿になっています。

今回の記事は2014年に書いた「こだま」の原稿です。
当時とは、現状が変わっている部分も多いのですが、自分自身の原点としてそのまま記載しました。

今後、第2版として、「その後」の文章や写真を加えたりしたいと思いますが、まずは「農業で起業したころの想い」としてお読みください。

「ヨーロッパ農業研修で学んだこと 自分が目指している有機農業」
第1版 2024年8月30日発信
 
(出典元)静岡新聞2014年5月第1日曜日、農業欄「こだま」より

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