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野菜が好きになる話 1(夏野菜編)

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年間50品目の有機野菜を育てて野菜セットにして全国宅配しています。 野菜たちが教えてくれた物語、知ると野菜が好きになります。
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#オーガニック野菜

ヒモナス(ヘビナス)をご存知ですか?

この薄紫色の長いナスをヒモナスといいます。 油との相性がよく、肉質が緻密で、麻婆ナス、夏野菜カレー、味噌炒めなどにすると、ふわっとして口の中でとろけます。暑い時には揚げ浸しがお勧めです。2~3cmに輪切りにし、素揚げしてから、熱いうちに三杯酢に漬け、ショウガやシソやミョウガなどの薬味を加え、冷蔵庫で冷やして食べると食欲がわきます。 とっても美味しいので、一度食していただいたお客様は普通のナスより気に入ってくださいます。お取り引きしている飲食店さんの評判も上々です。 しかし、

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米津玄師さんのパプリカに思うこと

無観客で行われた東京オリンピックは、あまり思い出に残ることなく時間が過ぎ、NHKのオリンピック・テーマソングであった「パプリカ」が流行っていたことすら忘れてしまいそうですが、本日はその頃思ったことの話です。 (農作業は腰痛になることが多く、自分はその予防のためにフィットネスクラブのプールに通っています。 そのプールの中での思い出です。) フィットネスクラブでは東京オリンピックが始まる前に、「パプリカ」がよく流れていました。 泳ぎながら「カラフルなイメージと違ってパプリカの

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なぜパプリカは韓国産なのか?

7月からパプリカが採れはじめました。ただし、しあわせ野菜畑のパプリカは緑色で、外見はピーマンと区別がつきません。  そもそも、ピーマンとパプリカの違いは「皮(果肉)の厚さ」だけです。 ピーマンが緑色なのは未熟なうちに収穫しているからで、どんなピーマンでも写真のように完熟させると赤いピーマンになります。赤いピーマンは、苦くも青臭さくもなく、甘いです。 ピーマンを緑色のうちに出荷するのは、果肉が薄いため、完熟させてしまうと傷みやすく、長持ちしないからです。 柔らかくて空洞なので

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トマト先端のプチッは雌しべの痕跡

収穫した時にトマトをよく見ると、写真のように先端に糸みたいなものが付いています。 糸自体はすぐに取れてしまうので、スーパーで買う時にはプツンと黒い跡(痕跡)が残っています。 そういえば見覚えあると思うのですが、これ何だかわかりますか?   イラストは花の構造ですが、果実は子房が膨らんだものです。 子房の上にあるのが雌しべで、雌しべの先端にある柱頭で受粉が行われ、花柱を通って子房の中で受精がされて種ができると、子房が膨らんで果実となります。 トマトの写真の先端の糸みたいなの

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長生き・ズッキーニ

6月から7月はズッキーニの旬です。 花は雄花と雌花に分かれていて、最初の頃は、交配をしてくれる虫がいないので雄花をとって花粉を雌花の雌しべにつける人工授粉をします。ズッキーニの花は一日でしぼんでしまう一日花(いちにちばな)で、10時頃には受粉能力が低下してしまうので、人工授粉が朝の日課です。 受粉を終えたズッキーニはみるみると肥大します。 あまりにも成長が早いので、朝と晩の2回収穫をしています。写真の一番左が開花日のズッキーニで、右に1日ずつ変化しています。 一般的には開

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野菜の教え・・・まずは体を大きくしてね

 生物の成長には、体(栄養器官)をつくる栄養成長と、子孫を残す生殖成長があります。  ナスやピーマンは栄養成長と平行して、生殖成長が早くから始まり、写真のように、体が小さいうちから実をつけ始めます。  環境も良くて、体が丈夫なうちに子孫を残そうとするわけです。このままだと、自分の体を大きくすることより、子供に養分を与えるのを優先してしまうので、最初の実(一番果)はピンポン球くらいの大きさになったら取ってあげます。「まずは体を大きくして下さいね。子供を作るのはその後からです。」

キュウリの巻きヒゲは右巻き?左巻き?

朝顔やヘチマは自分で支柱に絡みながら勝手に伸びてくれますが、キュウリは人の手によって支柱とツルを定期的に縛ってあげないと、支柱からズルッと下がってしまうことがあります。 キュウリの本来の姿は「地ばい」です。 ところが原産地の気候に比べて日本は蒸し暑く、地面に這わせて育てると、うどんこ病、すす病というカビの病気にかかりやすくなってしまいます。そこで支柱に縛りながら空中に伸ばし、風通しを良くすることでカビの病気を防ぐ方法を生み出しました。 ですから、キュウリの巻きヒゲには地面

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ピーマンのコツ・・小さく生んで大きく育てる

ピーマンは3月下旬にポットに種をまきました。 5月に畑に植える時には、まだ小さく一株ずつ風よけシートをかけ、シートをとったら丁寧に支柱に誘引してあげます。 このようにピーマンは育苗に手間がかかるのですが、子育てと同じで「小さく生んで大きく育てる」と、ある程度大きくなるとあまり手間がかからず、10月位に最盛期で「ピーマン祭り」の毎日が続き、 夏野菜の中では一番長く、霜が降りる12月まで収穫できます。 品種はタキイ種苗の京みどりと言います。 タキイ種苗のピーマンは京まつり、京

ぜひ食べてください! その名は「ヘビナス」

この薄紫色の長いナスは「ヒモナス」、別名を「ヘビナス」といいます。デリケートな性格で、風が強かったり、葉が虫にかじられたりすると、びっくりして本当のヘビのように曲がってしまいます。 とても美味しくて、一度食していただくと普通のナスより気に入ってくれるお客様が多いのですが、スーパーで見かけることはありません。 大きさがそろった規格品でないと市場流通ができないからです。 「おいしいけれど、スーパーでは見かけない野菜」というのは、見栄えが悪いとか、大きさが不ぞろいで売りにくいとい

ズッキーニとドードー鳥

キュウリ、ナス、トマトなどの夏野菜の中で最初に採れ始めるのがズッキーニです。 冬野菜が終わって夏野菜が採れ始めるまでの期間を端境期(はざかいき)と言い、この期間に採れる野菜の種類はとても少ないのですが、ズッキーニが採れ始めると、その後はいろいろな夏野菜が育ってくるのでホッとします。 南北に長い日本列島をリレー栽培しているので、スーパーには常に野菜があふれていますが、ひとつの地域における野菜の旬はとても短かいのです。 静岡では4月から7月がズッキーニの栽培期間です。しかし、こ

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最期の力を振り絞れ!尻太りキュウリ

6月中旬からキュウリをお届けします。 ハウス栽培と違って、露地栽培の場合、キュウリの旬は意外と短くて、6月中旬から9月中旬くらいの約3ヶ月間です。 ひとつの株から収穫できる期間はさらに短く2ヶ月間位ですので、播種に時期を4回くらいずらして栽培しています。 キュウリは1年中出回っている感じがしますが、実は一株ごとの、発芽してから開花して実ができて枯れていく過程は、短期集中型です。 これから暑くなるのにあわせて、キュウリの株はどんどん大きく育ち、短期間にたくさんの花を咲かせて、

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