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野菜が好きになる話 1(夏野菜編)

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年間50品目の有機野菜を育てて野菜セットにして全国宅配しています。 野菜たちが教えてくれた物語、知ると野菜が好きになります。
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#有機野菜

ヒモナス(ヘビナス)をご存知ですか?

この薄紫色の長いナスをヒモナスといいます。 油との相性がよく、肉質が緻密で、麻婆ナス、夏野菜カレー、味噌炒めなどにすると、ふわっとして口の中でとろけます。暑い時には揚げ浸しがお勧めです。2~3cmに輪切りにし、素揚げしてから、熱いうちに三杯酢に漬け、ショウガやシソやミョウガなどの薬味を加え、冷蔵庫で冷やして食べると食欲がわきます。 とっても美味しいので、一度食していただいたお客様は普通のナスより気に入ってくださいます。お取り引きしている飲食店さんの評判も上々です。 しかし、

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なぜパプリカは韓国産なのか?

7月からパプリカが採れはじめました。ただし、しあわせ野菜畑のパプリカは緑色で、外見はピーマンと区別がつきません。  そもそも、ピーマンとパプリカの違いは「皮(果肉)の厚さ」だけです。 ピーマンが緑色なのは未熟なうちに収穫しているからで、どんなピーマンでも写真のように完熟させると赤いピーマンになります。赤いピーマンは、苦くも青臭さくもなく、甘いです。 ピーマンを緑色のうちに出荷するのは、果肉が薄いため、完熟させてしまうと傷みやすく、長持ちしないからです。 柔らかくて空洞なので

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オクラの保存方法

オクラは採れたてがおいしく、ネットに入れるのは本来は鮮度を保つためです。 野菜は収穫した後でも生きて呼吸をしているのですが、花を咲かせてから3日~5日で収穫するオクラは若くて特に酸素をたくさん必要とするのでネットに入れます。 もっとも、緑色のネットにはオクラが新鮮に見えるという効果もあります。みかんのオレンジのネット、たまねぎの黄色いネットも同じ理由です。 スーパーでお求めになる場合には、収穫した切り口の色で鮮度を確かめて早めに食べてください。 さて、オクラをクール便で送

オクラ ・・・ 花言葉は「恋の病」

 オクラはアフリカのエチオピア近辺が原産で、古代エジプトでも栽培されていました。奴隷として渡った黒人によりアメリカに持ち込まれ、アメリカ南部の郷土料理に使われていて、Okraは英語です。  ハイビスカスと同じアオイ科で、きれいな花を咲かせます。  花言葉は「恋によって身が細る」とか「恋の病」と言います。    オクラは一日花で、花を夜から朝にかけて咲かせ、昼前にはショボショボとしぼんでしまいます。  恋にあこがれ夜に眠れず昼はしょんぼりしている少女を、清楚な花に重ねているの

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トマト先端のプチッは雌しべの痕跡

収穫した時にトマトをよく見ると、写真のように先端に糸みたいなものが付いています。 糸自体はすぐに取れてしまうので、スーパーで買う時にはプツンと黒い跡(痕跡)が残っています。 そういえば見覚えあると思うのですが、これ何だかわかりますか?   イラストは花の構造ですが、果実は子房が膨らんだものです。 子房の上にあるのが雌しべで、雌しべの先端にある柱頭で受粉が行われ、花柱を通って子房の中で受精がされて種ができると、子房が膨らんで果実となります。 トマトの写真の先端の糸みたいなの

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キュウリの巻きヒゲは右巻き?左巻き?

朝顔やヘチマは自分で支柱に絡みながら勝手に伸びてくれますが、キュウリは人の手によって支柱とツルを定期的に縛ってあげないと、支柱からズルッと下がってしまうことがあります。 キュウリの本来の姿は「地ばい」です。 ところが原産地の気候に比べて日本は蒸し暑く、地面に這わせて育てると、うどんこ病、すす病というカビの病気にかかりやすくなってしまいます。そこで支柱に縛りながら空中に伸ばし、風通しを良くすることでカビの病気を防ぐ方法を生み出しました。 ですから、キュウリの巻きヒゲには地面

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ズッキーニとドードー鳥

キュウリ、ナス、トマトなどの夏野菜の中で最初に採れ始めるのがズッキーニです。 冬野菜が終わって夏野菜が採れ始めるまでの期間を端境期(はざかいき)と言い、この期間に採れる野菜の種類はとても少ないのですが、ズッキーニが採れ始めると、その後はいろいろな夏野菜が育ってくるのでホッとします。 南北に長い日本列島をリレー栽培しているので、スーパーには常に野菜があふれていますが、ひとつの地域における野菜の旬はとても短かいのです。 静岡では4月から7月がズッキーニの栽培期間です。しかし、こ

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最期の力を振り絞れ!尻太りキュウリ

6月中旬からキュウリをお届けします。 ハウス栽培と違って、露地栽培の場合、キュウリの旬は意外と短くて、6月中旬から9月中旬くらいの約3ヶ月間です。 ひとつの株から収穫できる期間はさらに短く2ヶ月間位ですので、播種に時期を4回くらいずらして栽培しています。 キュウリは1年中出回っている感じがしますが、実は一株ごとの、発芽してから開花して実ができて枯れていく過程は、短期集中型です。 これから暑くなるのにあわせて、キュウリの株はどんどん大きく育ち、短期間にたくさんの花を咲かせて、

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