見出し画像

アール座読書館

〜高円寺巡り(前編)〜

アール座読書館
高円寺南口を出て商店街を通り細い道に入った先にある、ボンボン時計と本棚のあるカフェ
(お喋り厳禁)

数年前に一度行ったアール座読書館にまた行きたくなって行ってみた。

12時から開店で10分ほど前に着いたのに10番目。並ぶとその後ろにも人の列が。

今日は混んでる?と思ったけれど前にいた人達は3階の「エセルの庭」というお喋りできるカフェの方に行った。
2階は思ったより空いてる。
まず座る場所を選ぶ。

陽の光が入ってくる明るい窓辺、大きな水槽の前のソファー、地球儀が置いてある書斎机、アンティークな小物に椅子、窓際とアンティークの席は座ったことがあったので前に大きな水槽のあるソファーを選んで座って見る。

可愛い熱帯魚?

思いのほか、ソファーは体が深く沈んだ。なんか本が読みにくいかも。
まだ空いてる書斎机に移動し座って見る。藤の長椅子。ゆったりしてる。きしみはあったが、なかなかしっかりして座り心地が良さそう。

机も広くて大きな本も広げておけそう。


ここに決めた。隣の黒い猫ちゃん。

よくみるとちょっと怖い顔。


自分のタイミングで飲み物を注文して良い。
声を出さなくても、お店の人が常に気遣ってくれてるので顔を向けるだけでさっときてくれた。
お決まりでしょうかと小さな声、私も同じくらいの小さな声で注文した。
紅茶、コーヒー、カフェオレ、ゆず茶などなど種類は豊富。
飲み物にはそれぞれお話があって絵本の様に綴られている。

美術書を見ている様。


アール座読書館は他のブックカフェと違い、時間で金額が決まってるわけでなく基本的に飲み物一杯注文で2時間となっている。 
空いてる時はまた注文すれば+2時間いれるのだが土日など混んでる時は飲み物を追加しても3時間までしかいられない。
でも2杯目は110円引きと、とてもリーズなブルだ。
ただ、置いてある本は小説、詩集、美術書、写真集、絵本など色々あるが古い本が多い。 最近の本は題名からして面白い本が多いが昔はそうでなかったのだなと感じる。でも雰囲気と心地よさは十分すぎるくらいだ。 

飲み物が来たが本当に食器が美しい。

ソーサーもスプーンも素敵⭐︎


フルーティな香りが立ち込め、一口飲む。
美味しい。角砂糖を入れてもう少し甘くする。
さてと、本棚にむかう。聞こえてくるのは時計の音と水音だけ。水の音は水槽かな?
なのでどれだけ静かに歩いてもミシッミシッという床の軋む音が鳴り響く。
できるだけ静かに歩いて本棚へ。

ざっとみて、うーん、小説は少ない印象。その中で大分前に賞をとった聞いたことある本(調べると2004年だった。)とこれまた古い本(1989年初版)を手に取る。二冊読めるかな?周りを見ると三冊くらいとってる人もいて読む気満々。ページを開いて読み進める。あっという間に2時間近く経って読み終えた。こんな内容だったのか。可もなく不可もなく、思春期の頃の周囲に溶け込むことができない2人の孤独と心境が綴られていた。でも当時はすごい小説だったんだろうな。

一冊を読み終えたところで靴を脱ぎ藤の長椅子の上で体制を変えて三角座りをしてしばらくぼーっとする。
家にいるとぼーっとすると、なんかやらないとって思ってしまいがちだが、ここにいるといつまでもぼーっとしていることを許される気になる。

もうちょっといたいな。そろそろ追加を頼まないと、とお店の人をみるとすぐきてくれた。
先ほどの紅茶ポットでお腹タプタプだがコーヒー豆を弾く音が聞こえたのでコーヒーを頼むことにする。
コクのあるタイプにしてミルクをつけてもらった。
しばらくするとコーヒー豆を弾く音が聞こえ、コーヒーの香りが広がってくる。
程なくしてガラスのコーヒーカップとリスのミルク入れが届く。

可愛い⭐︎

思わず笑顔。おしゃれだなぁ。
チョコレートもついてる。嬉しい。

コーヒーを注ぎ、一口。やっぱりミルクいるなあ。リスのミルク入れを傾けるとあっという間に全部入ってしまった。そしてこの後、ボットの中のコーヒーを飲むたびに後悔する事になるのだった。

二冊目は、ツグミという破天荒な女の子と過ごした日々がその友達のマリアの目線から語られている。なかなかよかった。
2杯目のドリンクの注文をしてから1時間後でと言われたのであともう少し。二冊目は少し急ぎ足で本を読んだので間に合った。残った時間でつくえの引き出しを開けてみる。
ここは引き出しやら何でも開けていいのだ。

メモ帳や文房具。


目の前にはかなり多いメモ帳。

開けてみると上京した時の心境とか、就職活動のこととか、悩みとかアール座読書館の感想とか。色々書いてあった。みんなそれぞれ好きな様に綴っている。
私の席だけで6冊はあったので他の席にもそれくらいあるだろう。
何年も何年も増えていくメモ帳。
この場所の歴史を感じる…。

人がいるので上の方だけパチっ。


レジでお会計をすませて、静かな店員さんにご馳走様でしたと言って外に出る。
静かに話す人って本当にホッとする。
自分も見習いたい。
さて、夕方の待ち合わせまでにまだ時間はある。
高円寺の他のカフェもチェックしてきたので行ってみよう。

「エセルの中庭」


ここはまた今度。

まず気になってた3階のエセルの中庭に行ってみる。一気にざわざわおしゃべりの声が響く。満席でかつだいぶ人が待っていたので早々と後にした。

4丁目カフェ

2階にある。

土日だからか人が多い。お店の外まで人が並んでいたのでここもダメ。   

ぽえむ

ちょうどティータイムの時間なのか
ここも人がいっぱい。

ブラブラと古着屋を見ながら歩いていると氷川神社があった。
何の神様だったかな?

何でもいけそう。


唯一の気象の神様。天気の子みたい。



時間はたっぷりあったのでお参り。

さてそろそろ、待ち合わせの場所へと向かう。
高円寺巡り後半へつづく。