本の話 洋書の読み方
本の読み方なんて人それぞれ、好きに読めばいいと思う。
けど、こんな読み方もある、という話。
2019年夏から英語の本を読み出した。
知りたい事について日本語で書かれた本がほとんどなく読みたい本の日本語訳もないし、しかたなく。学校で習った文法の遠い記憶と学生時代の辞書を頼りに手探りで。
今、2020~2021年に1回読んだ本を再読中。
イギリスのノンフィクション。約200ページ。
1回目読んだときはとにかく早く先が知りたくて。
言葉のニュアンスの違いなんて無視、stareもglareもglanceも、全部「見る」。
スラングとか伏字とか、ジョークの意味も分からなかった。
伏字はなんとか調べられたけど、ジョークは発言者のオリジナルらしくネットで調べてもわからない。
気にはなったが、意味がわからなくても前後の話の流れが分かればよしとした。
数か月かかって読破した。
内容の理解は曖昧ながらも、深く印象に残る場面がいくつもありとても気に入った。
絶対また読もうと思った。
その後何冊か別の本を読んで経験値を多少上げて?再びこの本に戻ってきた。
2回目読んでて気づいた。読み間違いや見落としの多い事…!
話の流れの理解は一応間違ってなかったけど、細かいところ、こんな事書いてあったっけ?というのが次々に出てくる。
表現のニュアンスがちょっとわかるようになった。
情景が、登場人物の心理が、よりクリアになった。
ジョークの意味も、やっとわかった。すっきりした。
それなりに分かって読んでたつもりだったところも、理解が浅かったことに気付いた。
既に話の内容を知っているのにこの「発見」があるのが楽しく。
解像度が上がってますますこの本が気に入ってしまった。
「わかるようになった」のは、単に経験値を稼いだから、語彙や知識が増えたから、だけではない、たぶん。
話の流れをざっくり把握しているので、細かいところに気付く余裕ができたのだ。
いま思うと、1回目、無駄に焦って急いで読んで多数見落としてきたようにも思えるけど、逆に細かい部分にこだわらず、ひととおり読み切ることに専念したのがよかったのでは。
最初から完璧に理解しようとしたら時間がかかりすぎて挫折してしまったかもしれない。
2回に分けて理解を深めたことで、挫折どころか1冊で2度違う楽しみを味わえた。
この4年間、30冊洋書を読んできたなかで、特に「読み方」を意識した事はなかった。
早く先を知りたくて無駄に急いで読んでしまう…というのは、今まで読んだ本だいたい全部に言える、自分の洋書を読むときの癖だ。
我ながら雑な読み方!とは思う。けど、最後まで読みきれずに途中で諦めた本はなかった。理解が浅くとも冊数を稼げば自信につながる。
ただし再読が前提だという事は覚えておきたい。
他人にオススメするような方法ではないかもしれないけど。
こういう読み方もありでは、という話。
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