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昼の月

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2021年5月の記事一覧

軽さの重さ

ガチガチ凝り固めるより

Tシャツジーパンぐらいの身軽さと

頭の回転のスピードのほうが

人生大事な気がしてきた

嫌な女

仲良くなったと思って

自分にそのつもりがなくとも

お互いの畑まで入っていると

知らない間に

嫌な女という分類にカテゴライズされている

あっ 

シャッターが閉じる音

何にも言わないでおこう

家のない生活

家のない生活

もいいな、と

モノも持たず

いろんな地で転々と暮らす

うむ。

旅から戻ったらやるだけやってみようか

調べてみよう。

期待値キャパオーバー

こんな気持ち無駄だって想う

相手に期待するなんて烏滸がましい

期待したところで

何もできない自分に落ち込むばかり 

見えない未来に嘆くばかり

分かっていても

やっぱりどこかで何か期待してしまう

それでいて生きるのが

ちょっぴり楽しみだったりする

仕方ないなぁ自分 

なんて思いながら

雨上がり

雨上がりの夜風が気持ちいい

冷たい湿り気が真昼の熱りを晦ます

薄く流れる雲とその先に光る星空

どれくらい先だろうか

木々を越えて

静かにエンジンが響く

今日も どこかで誰かが生きてる

スタジオ

コンクリ

写真スタジオ

机 椅子 鏡 ラック

機材

1人 片付けと掃除

夕方 茜色 東京 

オフィスビル アパート 看板 空

5月の風

袋 結ぶ ごみ捨て場へ

扉 締める

鍵をかける

空気を吸う

歩き出す

慕情

忘れたくない

いつの間にか現実に埋もれて

匂いも形も温かさも分からなくなって

大事にしようと

思い出そうも

微かな残像

持て余した感情は 

時間など引き留めてくれやしない

涙を零そうも

吐き出す場所も無いまま

崩れてしまいそうなほど

募るばかり

掴んだ光

開いた手

望みを賭けた 淡い温度と

老いて濃くなるシワ だけ

霞んで消え入る

掴みかけた

わたしは何を

浮遊

私は 

書くことでしか

自分を捉えられないのだろうか

記憶の辿り方

記憶は聴覚から忘れていくというが

死んだあの子が私を呼ぶ声も

幼い頃以来会っていない彼女の笑い声も

大好きだった彼の叫び声も

天国で酒飲んでそうな爺さんのおかえりっていう声も

何年経っても

全部今という今までなぜか残っていて

思い出す度に頭の中で木霊する

別れた後にその声を思い出して涙する