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嫉妬するほどスキ

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僕の嫉妬するほど大好きなnoteを僭越ながらまとめさせて頂いています。自分が何度も読み返す用です。こんな文章を書きたい。
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#小説

【小説】ヌャンペフの日

 今夜はヌャンペフが食べたい、と彼が呟いた。私が布団に潜ったまま黙っていると、ヌャンペフが食べたい、と彼はもう一度呟いた。
「どうして急に、ヌャンペフなんか」
 私は顔だけを布団から出して、返事をした。ベッドの脇の小さな窓から差し込む朝日が眩しい。彼は一足先に起きて、二人で暮らすには少しばかり手狭な寝室の隅で、ワイシャツ姿でコーヒーを啜っていた。
「ちょうどいい時期だろう。今日なんて、まさにヌャン

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