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民俗学、民族学、文化人類学の関心ごとについての記事をまとめてみました。
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記事一覧

西国と東国を分つ坂 足利峠

足柄峠は伊豆半島に位置し、相模国と駿河国とを分ける古代からの重要な関所である。万葉集に見…

shuzo_kumagai
2か月前
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眼差され純化する伝統 バリのバリ化

バリ島は不思議な体験だった。この島の歴史は古く紀元前300年からの人の居住、ヒンドゥー教の…

shuzo_kumagai
3か月前
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イワシとサーファーが棲む浜 九十九里浜

九十九里浜。 江戸期にいわし漁で栄えた漁業のまち。いわしの脂を取り除いた干鰯は藍染の藍を…

shuzo_kumagai
10か月前
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岡本太郎と宮本常一がみた武蔵野

岡本太郎の武蔵野 岡本太郎が秋田、岩手、京都、大阪、出雲、四国、長崎に赴き綴った「芸術風…

shuzo_kumagai
10か月前
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まるで生き物のような 第一牧志公設市場

国際通りから一歩踏み出すと、奇妙なほど魅力的な迷路のような風景が広がる。沖縄の台所である…

shuzo_kumagai
10か月前
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やちむんの里 読谷

沖縄の焼き物は6,000年前からあるものの、やちむんの直接の始まりは、1,616年に薩摩藩から呼ん…

shuzo_kumagai
10か月前
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海人たちの技術と歴史 糸満

糸満。 優れた漁法と道具を生み出した海人たちの歴史を伝える資料館に立ち寄る。 その漁法とは、追込み漁だ。子どもたちが海に入り、魚を大きな囲い網の方へと追いやる。この追込み漁の成果は凄まじく、あっという間に他の漁場を席巻した。本島はもちろん、フィリピンなど南方までその漁場を広げた。貧しい地域から口減らしとして子どもたちが糸満に売られてきたという。追い子はその子どもたちが担った。 その追込み漁の際に活躍したのがミーカガンと言う水中メガネ。これにより失明のリスクを軽減し長い間の潜

考古学はいつだって最古で最新だ 湊川フィッシャー遺跡

先日、沖縄へ行った際に、港川フィッシャー遺跡をみた。 約22,000前の旧石器時代の人類の全身…

shuzo_kumagai
1年前
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秩父の盆地コスモロジー

秩父。 この盆地は、1700万年から1500万年前の間、海だったという。そのため、標高300mの地で…

shuzo_kumagai
1年前
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都市、郊外、田舎、自然、幾つもの東京 檜原村

檜原村。 東京都西奥の山間、山梨県と神奈川県との県境にある町。 アウトドア系の観光地でもあ…

shuzo_kumagai
1年前
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宮本常一と岡本太郎の写真

宮本常一の写真 周防の宮本常一記念館(周防大島文化交流センター)へ行った時に、宮本常一の…

shuzo_kumagai
1年前
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様々なものを受け入れる”湿った土地” 新大久保の現在

新大久保。 今や韓流カルチャーのメッカとして名高いこの地には、異なる顔が存在する。新大久…

shuzo_kumagai
1年前
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ウポポイは30年後のイオマンテを夢みる

2年前の開館当時にいったきり、今回で2回目のウポポイへ訪れた。 あれからどうなったのか、気…

shuzo_kumagai
1年前
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要石はどこにある? 創造力のソースとしての地

ある映画に登場する「要石」は、香取神宮(千葉県)と鹿島神宮(茨城県)にある。 要石が祀られている看板には以下のような表記がある。 作中では要石の所在は異なっているが、創造力のソースはこの地にある。 以前この二つの神宮について書いた投稿 二つの神宮がこの地にある理由  「鹿島神宮・香取神宮」