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図解入門ビジネス 最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版](2)

最近耳にする「電力不足」や「電気代高騰」。
カーボンニュートラル宣言以降、多くの注目を集め、またライフラインとして重要な位置づけがされている電力について解説した『図解入門ビジネス 最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]』(木舟辰平 著)から抜粋記事を5回連載でお送りします。
今回は第2回目「1-1 電力システムとは」です。


【 1-1 電力システムとは 】

 電力システムとは、電気を作り(発電)、送り届ける(送配電)一連の仕組みのことです。電気を安定的に生産して供給するシステムが実用化されたことで、電気エネルギーは経済的価値を持つ商品になりました。

▶エジソンが発明

 電気のエネルギーとしての力は、電流と電圧の大きさによって決まります。電流とは、原子の枠を越えて電子が動き続けている状態のことです。その量はA(アンペア)という単位で計ります。1秒間に1クーロンの電子が流れる時の電流の大きさが1Aです。
 電流が流れると、その周囲には垂直方向の同心円状に磁界が発生します。電流が下向きに流れる時、磁界の向きは時計回りになります。「右ねじの法則」と名づけられたこの現象の原因と結果を逆転させれば、磁界から電流を作り出すことができます。磁石を近づけたり遠ざけたりすることで、螺旋階段状に巻いた針金(コイル)に電流が流れるのです。イギリスの物理学者ファラデーが1831年に発見した電磁誘導と呼ばれる現象です。
 実用化されている発電機は、この電磁誘導の原理を応用しています。つまり、発電機とは何らかの力で磁石を回転させることで、磁石の周囲に巻かれたコイルに電流を流す装置なのです。こうして作られた電気は、送電線を通して離れた場所に届けることができます。その際、電流を流し込む力が電圧で、単位はV(ボルト)です。
 電流と電圧を掛け合わせたものが電力です。つまり、電力は電流によって単位時間になされる仕事の量です。単位はW(ワット)で、「A×V=W」という式が成り立ちます。経済商品としての電力は、この「W」に時間「h」を掛けた「Wh」という単位で取引されています。これが電力量です。例えば、100Wの電力が1時間続けて供給されれば、100Whの電力量が消費されたことになります。
電力システムを構築して電力を商品として供給する事業を最初に始めたのは、あの発明王トーマス・エジソンです。エジソンは1882年、米国ニューヨーク市内に火力発電所と約30kmの配電線を整備して、近隣の電灯に電気を供給しました。これが世界初の商用の電力システムなのです。

1-1 電力システムとは
図解入門ビジネス 最新電力システムの基本と仕組みがよ~くわかる本[第3版]

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