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日本酒の基礎知識【わかりやすく解説】旨い酒はどれ?編

お店で日本酒を選ぶ時なにを基準にしていますか?

日本酒専門店の何十種類のメニューの中から自分好みの日本酒を選びだせますか?
または大切な人へのプレゼントを酒屋さんで選ぶ時どうしますか?

結局知っている有名銘柄を選んでしまったり、「辛口をください」とか「オススメはどれ?」と聞いてしまいます。

最近では製造機械の進歩や技術のデータ化などによって、どの蔵元でも酒質が格段に上がっております。聞いたことがない小さい蔵の日本酒でもビックリするくらい美味しい日本酒を造っております。まずい日本酒にはほとんど出会わなくなりました。

ほとんど美味しい日本酒ばかりですので結局は好みなのです。

そして自分好みの日本酒選びをする上では店員さんへの質問の仕方にもコツがあります。
上記の2つの質問は店員さんからすると非常に困る質問です。

現在出回っている日本酒の7割以上が辛口です。辛口にも様々なタイプが存在します。
オススメも好みがありますので人によってすすめる銘柄も変わります。

ではどうしたら良いのか?

まずは日本酒の分類を覚えましょう。利き酒師の認定団体である日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会で以下の4つのタイプに分類しています。


薫酒 フルーティーで飲みやすいタイプ。「獺祭」「十四代」など万人受けする味わい。

爽酒 スッキリして爽快。いわゆる端麗辛口と呼ばれるタイプ。「八海山」「上善如水」など。

醇酒 ふくよかで芳醇。米の旨味を活かしたコクのあるタイプ。あえて米を磨かず昔ながらの造り方をすることが多い。

熟酒 いわゆる熟成酒。何年か寝かせることで旨味が増しなめらかな味わいになる。


それぞれ違うタイプなので自分好みのタイプを把握しておけば日本酒選びの参考になります。

同じ銘柄の中でも純米は醇酒タイプだけど大吟醸は薫酒などとスペックが違うとタイプが違う場合があります。銘柄だけで選ぶと「思ってたのと違う」ということもあるかもしれません。

日本酒をそれなりに勉強している店員さんでしたら「薫酒タイプのオススメは?」などと質問すれば応じてくれます。通じない場合は「香りが高くフルーティーな日本酒は?」などの聞き方でも良いと思います。

また4つのタイプを使い分けると日本酒の楽しみ方が何倍にも増えます。

日本酒を飲みなれない初心者の方は「フルーティーな薫酒」「スッキリした爽酒」が良いでしょう。飲みなれてきたら「醇酒」「熟酒」にも是非チャレンジしてみてください。

中には薫酒、爽酒が旨い日本酒で、醇酒、熟酒はまずい日本酒と誤解されている方もいます。

これは戦中戦後(太平洋戦争)の米不足時代における日本酒黒歴史が影響しています。

当時日本酒の原料の米が不足していた為、日本酒を醸造アルコールと水でかさ増ししていました。味が薄くなった日本酒に添加物や調味料などで味付けをしたいいわゆる「三倍増量酒」なるものが出回っていました。

その名残が昭和後半でも存在しており「日本酒はまずい」「おじさんの酒」というイメージが定着していまいました。

その結果、日本酒人気は下降し小さい蔵元はほぼ全国的に経営難に陥ります。

その中でこのままではまずいと真剣に日本酒造りに励む蔵が出始めます。

「端麗辛口」がブームになり全国に波及して「地酒」がブームになります。少しずつ日本酒が見直されると「吟醸酒」がブームになります。

この頃のイメージが消費者に浸透しており「スッキリ」「フルーティー」が旨くて良い酒になっていきました。

そして平成3年に「特定名称」が酒税法で定められます。

それ以前は「一級酒」「二級酒」などの呼び名で製法や基準が曖昧でした。
原料の加工法や製造法別に基準を作り規定を満たす日本酒とそれ以外の日本酒を区別するようになりました。

今では特定名称の日本酒であればほとんど美味しい日本酒になってきました。

「スッキリ」「フルーティー」以外の日本酒でも美味しい日本酒がたくさんあります。

4つの分類をワインに例えるとイメージしやすいかもしれません。

白ワイン辛口=爽酒
白ワイン甘口=薫酒
赤ワインライトボディ=醇酒
赤ワインフルボディ=熟酒

ワインにも好みがありますよね。初心者は飲みやすい白ワイン甘口が良いかもしれませんが、クセのある赤ワインフルボディが悪いワインとは思いませんよね。

日本酒も同様に考えて、クセのある日本酒も悪い酒ではありません。
クセのある日本酒は熱燗にすると本当の良さがわかります。
熱燗を選択肢から外している方が多く見受けられますが非常にもったいないです。
(熱燗に関しては別ページで詳しく解説します。)

またワインを飲む時は「マリアージュ」を意識する方も多いと思います。
単純に白ワインは魚、赤ワインは肉などはワインに詳しくない方でもご存知だと思います。

日本酒でも同様に料理に合わせて4つのタイプを使い分けると楽しみ方は何倍にも広がります。サッパリした料理には爽酒薫酒、濃厚な料理には醇酒熟酒と意識してみてください。

まとめ

最近は特定名称であればマズイ日本酒はほとんどない。

結局は好みの問題→4つのタイプを覚えよう。

ワインのイメージで日本酒を楽しんでみよう。


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