【検証】旨味成分は地上の4倍?!成層圏フードテックの可能性|干物編#06
shuttleD(シャトルド)フードテック部による成層圏での食品開発への挑戦、その活動記録をお届けします✏️
成層圏まで飛んで行ったアジは、無事に干物になって帰ってきました👏
そして、その干物を食べてみたところ「美味しい!」らしい...(詳細は【実食編】で!)
なぜ、成層圏で作る干物は美味しいのか
実際に食べてみた人曰く、味は確かに美味しいみたいなのですが、、、
人の味覚は個人によって違うので、本当に美味しいのか信用できませんよね🤦♀️?!
そこで、機械で栄養成分を測定しました。
成層圏のアジと一般的な天日干しのアジを比較したところ、【グルタミン酸】と【イノシン酸】の数値に大きな違いが出ました!共に旨味物質として知られている栄養素です。
グルタミン酸はたんぱく質を構成する20種類のアミノ酸の中の一つで、一般的な干物より成層圏の干物の方がグルタミン酸が多いことから、熱変性などによる栄養素の損失が少ないことが分かります。
さらに、魚の旨味成分であるイノシン酸が4倍!驚きの結果が出ました。
成層圏で作った干物は旨味をより強く感じられるということみたいです。
改めて【成層圏】が干物を作る環境に適している理由、そして一般的な干物よりも美味しい干物が作れる理由を解説したいと思います。
成層圏が干物作りに適している理由
一般的な干物を作るためには、温度の低い場所で3時間以上の乾燥が必要です。
成層圏では0℃〜-50℃程度まで気温が低下し、尚且つ気圧も低くなります。低気圧環境では水分の蒸発が早くなるため、魚から出た水分を素早く乾燥することが可能となります。
成層圏の低温・低気圧環境が、干物作りに適している最大の理由です。
それでは、どうして成層圏で作った干物の方が美味しく感じるのか?
その理由については科学的にちゃんと実証されている訳ではないので、shuttleDフードテック部としての見解としてお聞きください。
成層圏で作った干物が美味しい理由
低温で水分が蒸発した凍結乾燥状態、つまりフリーズドライと似た製法によって干物を作ることができたのではないかと思われます。
フリーズドライは急速に凍結し、さらに減圧して真空状態で水分を昇華させてる製法で、ビタミンなどの栄養成分や風味の変化が少ないことが特徴です。
成層圏の低温・低気圧環境のおかげで、熱による栄養素の変性もなく旨味成分の分解が抑えられたのではないかー。
というのが、成層圏で作る干物が美味しい理由の仮説になります。
成層圏フードの次なる可能性・・・それは「酵母」!
shuttleDフードテック部による成層圏での食品開発「アジの干物編」は、ここまでの実験結果をもって終了となりました。
「宇宙干物」としての商品販売まで至らなかった理由・・・それは生産効率の低さです😭
1回のフライトで作れる干物はせいぜい20〜30枚、これを一般販売した場合、1枚うん万円という超超超高級干物になってしまいます🐟皆さんのご家庭に届けられる日がいつか来るかもしれませんが、今の所販売予定はありません(ご興味のある企業・メーカー様、お問い合わせください!)
ですが、まだまだ成層圏フード開発の挑戦は続きます!
今回の実験では立証されなかったのですが、成層圏では太陽光の紫外線や、酵素や常在菌の影響も受けることができます。
つまり、天日干しやフリーズドライでも再現できない旨味の濃縮が成層圏だとできる可能性を新たに発見しました👀
成層圏フード開発、次はなんと!「酵母編」に突入します🏃♀️💨お楽しみに!
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shuttleD(シャトルド)- 成層圏への往復便
https://shuttled.io/
GOCCO.のtwitterでは開発過程や裏話を公開中!
https://twitter.com/goccojapan
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