【社内歴代最高得点を出したスピーチ全文公開】行動を変えるきっかけを提供する
約3ヶ月ぶりに全社員(120人前後)の前で会社のクレドをテーマにして5分間のスピーチを行うイベントがやってきた。このスピーチは毎朝社員が5つあるクレドの中から、1つを選択してそのクレドを体現したエピソードを5分間で話すというもの。今回のスピーチでは5段階評価中4.71と社内歴代最高得点を更新することが出来たので、前回同様に全文をnoteにまとめておこうと思う。
スピーチは数分間という短い時間の中に、構成力、コンテンツ力、ジェスチャー、話す声のトーンやスピードなど、工夫の余地がたくさんある。しかも、同時に何十人何百人の聴衆に聞いてもらうことができ、その場でフィードバックを受けることができる(聴衆の表情やスピーチ後のリアクションなど)。当然聞いて良かったと思うような内容を届けるべきだし、そのために熟考する過程が最高に楽しい。
文章だけでは伝わりきらないと思うが、少しでも参考になる部分があれば嬉しい。
ちなみに前回の内容はこちら
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(序盤に身内ネタを入れたのですが、ここでは割愛します)
今日は「他者に貢献する」というクレドに沿って話をします。
テーマは「行動を変えるきっかけを提供する」です。
1年前に大学の友人Aさんから「エンジニアになりたい」と相談を受けました。彼は山口県で公務員をしているんですが、話を聞くとどうやら転職する気はないらしく、公務員をしながら個人で稼げるスキルを身に付けたいと言います。
そこで僕はプログラミングスクールに通うことをお勧めしたのですが、受講料を今すぐには払えないということでその時はやり取りはそこで途切れました。
2019年1月。今年の年明けに1年振りにそのAさんから連絡が来ました。
彼はこう言います。
「プログラミングを学んで独学でフリーランスになることってできる?」と。
もちろん出来ます。
しかし、僕が気になったのは彼が1年前と同じ悩みを抱えていたということでした。エンジニアになりたいにも関わらずプログラミングに全く手をつけていないのです。
いくつかやり取りをしていたんですが、最後に彼がこう言うわけです。
「また何かあったら聞くわ!ありがとう!」
その時、僕は直感的にこう思いました。
彼はまた何も行動せずに同じ悩みを抱えたままになるんじゃないか、と。
そこで、終わりかけたLINEに今日から勉強しよう!と告げました。
自分から言い出したからには自分にも責任が生じると思ったので、彼がスキルを身につけられるサポートをしようと思いました。とはいえ、遠隔での学習進捗管理は本当に大変です。
でも僕には習慣化するための秘策が2つありました。
1つは毎日LINEで学習日報を送ってもらうことです。狙いはやると決めたことを1人でやるのではなくて、他人を巻き込むことで当事者に義務感を与えることです。
2つ目はディスインセンティブをつけること。1分でも24時を過ぎたら1回あたり¥1,000を支払ってもらうように提案しました。僕には1ミリもリスクがない提案なんですが、彼は快く受け入れてくれました。
なぜこれを提案したのかというと実は成功体験があって、今毎朝7時から○○(同じ会社の社員)さんとカフェで作業をしているんですが、この2つのポイントを押さえているんですね。1つは絶対に自分1人ではやらないということ。2点目は1分でも遅れたら朝食を奢るというルールです。結果、苦手な朝活を半年続けることができています。
Aさんとこの取り組みを始めてから1.5ヶ月が経過しました。彼は今僕にいくら払わなければいけないと思いますか?
0円です。
1日足りとも勉強しなかった日はありませんでしたし、日報の提出を遅れた日もありませんでした。お金は本当にどうでもいいんですが、これはすごいことだと思っていて、周りにすぐに聞ける人がいない環境にも関わらず独学を毎日続けている彼を尊敬しています。
学習内容を決めてあげたり、フィードバックもしていますが本当に微々たるもので、基本的には僕は報告に対して「いいね!」というコメントしかしてないんですね。
そんな彼は後1ヶ月あればコーディング案件が取れるレベルにきています。
先週末にAさんがたまたま旅行で東京に来ているというので、会うことになりました。
居酒屋で彼に言われた言葉があります。
「あの時にやろうって言わなければ、今絶対やっていなかったわ。最初は報告が大変だったけど、今は仕事中にプログラミングがやりたくて仕方がない。」
こんなに嬉しいことってあるでしょうか。
誰かのために時間を割いて貢献するという素晴らしさを改めて認識する機会になりました。
Aさんはまずプログラミングをやってみることで、次どうするかを考えることができるようになったと思います。
Aさんのように悩んだままになっている人に一歩を踏み出す機会を作っていける仕事を引き続き実践していきたいと思います。
ご静聴ありがとうございました。
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