2021年に読んで面白かった本を紹介するよ

久々の更新です、こんにちは。@ShutaTAKADAです。2021年は特に前半に結構本を読んでいた自覚があるんですが、後半は忙しかったのかなかなか読めませんでした。振り返りも兼ねて、面白かった本をいくつか紹介します。

紹介する本のほとんどが2021年発売ではないと思うのですが、そこは悪しからず。なお、小説はあんまり読まない人間なので、リストには入っていません。

それと、今年はオーディオブックにデビューした1年でした。トレーニング中とかにぴったりなんですよね。自分が使っていたのはAmazonのAudibleです。月額1500円ではありますが、ラインナップも多いのと、毎月付与されるコインで安価に買えることもあるのでおすすめ。2000円以上の本が聞けることもあります。

実力も運のうち 能力主義は正義か?

かのハーバード大学白熱教室で話題となったマイケル・サンデル教授の新著。今年読んだ中では相当面白かったです。

アメリカにおける学歴偏重主義や成果主義を題材に包括的に議論しており、不平等が容認されている現在の「格差社会」が生み出された背景と、それに関連してトランプ大統領の誕生を論じています。個人的には、アメリカと同じくらいの状況に日本もなっているから、この本の内容は他人事じゃないな、と感じました。

というか「親ガチャ」という言葉が話題になったことで、まさに本著の内容が染み入ります。「自分は努力したから成功したので、『成功していない人は努力が足りない』」というロジックを否定しています。努力できるのってそういう環境で生まれたからであって、つまり運だよね、自惚れんなよっていう。

長くなりすぎましたが、オススメです。

世界史は化学でできている

科学の歴史のオムニバス集ですが、本当よくまとめたな、という賞賛を送りたいです。時系列になっていないなど別の切り口のまとめ方もぜひ提案したいところですが、火やアルコール、周期表などの歴史と我々の生活との関連性について、簡単に説明してくれます。ざっくり概況を捉えたいのであればオススメ。まさに教養の本という感じです。一般向けの本なのでかなり平易(深入りしない)のもポイント。

サピエンス全史 文明の構造と人類の幸福

今更かよ、というツッコミ、全面的に受け付けます(笑)2021年に読みました。いやー、噂に違わず面白かったです。
人類(ホモ・サピエンス)の長い歴史の中で、いかに他の生物を押しのけて頂点に立っているか、というテーマを中心に人類の歴史を論じた本です。

特に上巻の第2~3章あたりで「認知革命」として紹介される部分が興味深い。人類は虚構を信じることができるようになり、共有できる物語や信念をもったことで、人類は大きな力を発揮してきた、というところが最高に面白い。全部読むのは厳しいですが、ここだけでも読んでみることをオススメします。

これからの「社会の変え方」を、探しにいこう。

最高でした。スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビューの日本語版で、そのベスト論文のオムニバス版です。既に何度も読んでいます。
これ、日本のソーシャル・イノベーションやソーシャル・ビジネス界隈にいる方は全員読んだほうがいいレベルの本で、とにかく名論文が集まっていて、ひとつひとつ味わい深い上にとてつもなく考えさせられます。

Collective ImpactやSystem Leadership、というキーワードがピンと来る方は確実に読んだほうがいいものです。米国の成功事例を分析しているもので、サイズを問わず社会的インパクトを創っていきたい、と思う方は必読の著。

なお、私はETICさんのご厚意により、本論文の著者とのオンラインセッションにも参加させていただき、本当に学びが多い機会をいただきました…

古代ギリシャのリアル

ギリシャ神話ってよくわからんな~という方にオススメ。おもしろおかしく、読みやすい言葉でまとめてくれています。あまりに面白すぎて1日で読んでしまいました。
ギリシャ、というと白亜の石像のイメージしかない方にこそ読んでほしい。カオスで猥雑で面白いギリシャ神話の世界にあなたもようこそ。

「決め方」の経済学

衆議院選や自民党総裁選があったので手にとった本。「多数決」と「暴力」は何が違うのか?という問いが自分には刺さりました。確かに絶対に別だろ、とも言えない。

これを経済学的な立場から論じたものですが難しい数学も出てこないので、とても興味深く読めました。選挙、という意味ではボルダルールなどについて触れられていますよ。(ボルダルールを知らない人は是非読んでみてください!)

教養としてのギリシャ・ローマ 名門コロンビア大学で学んだリベラルアーツの真髄

タイトル通り、コロンビア大学で教えられるリベラルアーツ教育の一端が感じられる本。コロンビア大学の学部ではCore Curriculumというリベラルアーツのカリキュラムがあり、どの専門の人でもこれを受ける必要があります。そこで与えられる課題図書などをベースに、リベラルアーツとはなんぞや?なぜ大事なのか?ということについて論じています。

U理論 過去や偏見にとらわれず、本当に必要な「変化」を生み出す技術

3年ほど前に一度読んで、なんとなくわかるけどよくわからん、けどちょっと意識してみるか、という感じで一度チャレンジした本。今一度、会社で運営しているSHIMOKITA COLLEGEにて、学生と共に輪読しています。MITの先生により、イノベーションと変革のプロセスを体系化し、各界に大きな影響を与えている変革理論を扱った本です。

精読すると、難解で何言いたいのかよくわからないところや、論理的でない説明も多く見られるのものの、学びが多い。ややスピリチュアルな記述も目立ちますし、これを学問と本当に言っていいかは議論の余地はあると思います。ただ、特にUカーブの前半で描かれるDownloading, Seeing, Sensing, Presencingのところを理解し、自分に当てはめてみるだけでも、良い言語化の機会になると思います。

ここでは紹介できない「2021年読んだけどクソだった本」もいくつかあるので、それはぜひ直接会った人にだけ(笑)


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