最近ゾワっとした話
ついこの前。
久しぶりに1日ゆっくりできる日だったので、がっつり部屋を掃除してみたんです。目に見えるところはもちろん、見えないところまで隅々と掃除をしていたら、引き出し下の空白にあるものを見つけました。
それは、”DIORのコンシーラー”
男の一人暮らしには存在しないはずのアイテム。澪、ピュレグミに次いで存在しないはずなのに。しかも、なにが怖いかって、本当に記憶がないんです。誰のものか?そして、思い当たる人もだれも思いつかないんです。
ゾワっ。
心の平穏が乱される嫌な感じ。でも、よくよく考えたらこれは、ぼくはラッキーなケースに該当すると思いました。なぜなら、これがもし自分が大切な人がいて、その人に見つかってしまったら。一体、どのように弁明のしようがあるというのでしょうか?確定黒ですよね?みなさんはどうやって弁明します?
「え…。あ…。記憶にないんだけどなぁ‥。」
数多の男たちを破滅に導いた最弱の弁明。「記憶にございません。」歴史上、この弁明を使って言い逃れた人はおそらく存在しない、と明治大学の教授がどこかで言っていた気がします。
昭和51年。かの有名なロッキード事件。
アメリカの航空機製造大手のロッキード社による、主に同社の旅客機の受注による世紀の汚職事件。この件に関わったとされる元総理大臣・田中角栄は証人喚問時、全ての質疑に「記憶にございません。」で返したのは有名な話。田中総理は収賄罪でもちろん逮捕されています。
田中氏は物的証拠があるから、もちろん逮捕されて然るべきだと思います。
ただ、
私たちのような”本当に記憶がない”人間も裁かれるべき?
いいですか?ぼくは本当に記憶がないんです。きっと何かのアクシデントによって、たまたま家にDIORのコンシーラーが舞い降りた。ただそれだけのこと。わたしのような無実(記憶上)な人間に対しては、もう少し情状酌量の余地はないのでしょうか?
理屈で考えるとおかしいのはわかっています。
DIORのコンシーラーが部屋にある
↓
それはコンシーラーの持ち主がいる
↓
それはぼくでない。つまり僕以外にコンシーラーの持ち主がいる
↓
その持ち主が、訳合ってぼくの部屋に…
ぼくはここで考えるのをやめました。
理屈っておもしろいですか?
ぼくは全然おもしろくありません。あくまで可能性の話ですよね?
あやしい?それはあなたの感想ですよね?
そう、どこまでいっても感想なんです。だれだって希望にすがりたいんです。それにぼくは、
本来、女性を裏切る人が嫌いです。
そう。よくないです。てか、そもそも裏切ってないし。
そういう人間を許すことができません。
裏切ったこともない(記憶上は)。
まてよ?裏切るってなんだ?どこからが裏切りなんでしょうか?
おれは裏切り者なのか?それとも裏切り者じゃないのか…
おれは魚かもしれない
裏切るという魚でもあるし、記憶がないという魚でもあるかもしれないし
ひょっとしたら正直者という魚かもしれない。
ふぅ。現実逃避って大事ですね。
ここまでいろいろ考えて、あることに気がついたんです。
掃除は自分の未来を変えられる
快適な空間を保つためだけでなく掃除さえすれば、
不要なリスクをさけることもできる。
近い将来、大切な人ができて最悪のタイミングでDIORのコンシーラーが
見つかる。それだけは避けることができます。
つまり、未来は自分の手できっと変えられる。
掃除にはこんなに希望がありふれていたんですね。
たった一つのコンシーラーに気づかされました。
なので、みなさん
見えないところまでちゃんと、掃除しましょう。
未来や人によっては、今いる大切な人のために。
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