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ZERO to ONE

書名:ZERO to ONE
著者:Peter Thiel

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目次
1. 概要&読んだ理由
2. 構成
3. 学び
4. 感想

1. 概要&読んだ理由

よく「スタートアップ関係者が読むべき本」などといったタイトルのブログや動画で紹介されている超有名な名書である「ZERO to ONE」ですが読んだことがなかったので読んでみました。まずは著者であるピーター・ティールですが、この名前もスタートアップに興味がある方なら知らない人はいないのではないでしょうか。簡単にご説明すると、シリコンバレーで最も有名な起業家、投資家でPayPal、mparanntexiaを創業しており、ファウンダーズ・ファンドを運営しています。投資家としてはTesla、FaceBook、LinkedInなど数々のスタートアップに投資をして成功させています。
そんな彼が書いた本書には、ある意味哲学的かのような、それでいて核心を突いたスタートアップの極意が記載されています。僕は、本書を読んでかなり影響を受けました。具体的には、事業アイデアの策定、個人のビジョン、未来の社会像に関する従来持っていた考え方を根幹から変えられました。
是非、読んだことない方は読んでみてください!

2. 構成

1. 僕たちは未来を創ることができるか
  ゼロから1へ:進歩の未来/スタートアップ思考

2. 1999年のお祭り騒ぎ
  90年代とはどんな時代だったのか/ドットコム・バブル
  ペイパルに群がった投資家たち/バブルの苦い薬

3. 幸福な企業は皆それぞれに違う
  まことしやかな噂/追い詰められた人たち
  独占的資本主義

4. イデオロギーとしての競争
  戦争と平和

5. 終盤を制する
  独占企業の特徴/独占を築く/ラストムーバーになる

6. 人生は宝クジじゃない
  未来はコントロールできるか?/曖昧で楽観的な僕たちの世界
  あいまいな楽観集ぎは成り立つのか?/デザインの復活

7. カネの流れを追え
  ベンチャーキャピタルの<べき乗則>
  人はなぜ<べき乗則>に気づかないのか?/<べき乗則>をどう使う?

8. 隠れた真実
 なぜ誰も隠れた真実を探さないのか?/世間はこう見ている
 隠れた真実の例/隠れた真実の見つけ方
 隠れた真実を見つけたら、どうしたらいいだろう?

9. ティールの法則
  結婚生活を築く/所有、経営、統治/バスに乗るか、降りるか
  「キャッシュ・イズ・キング」は間違い/利害の一致
  企業の瞬間を引き延ばす

10. マフィアの力学
  仕事を超えた関係/共謀者を採用する/パーカーの下にあるもの
  ひとつのことに責任を持つ/カルトとコンサルタントの間

11. それを作れば、みんなやってくる?
  おたく対営業/一流の営業はそれとわからない
  誰もが売り込んでいる

12. 人間と機械
  置換か補完か/補完的ビジネス
  ますます賢くなったコンピュータは敵か味方か?

13. エネルギー2.0
  エンジアリング/タイミング/独占/人材/販売/永続性/隠れた真実
  社会起業家という神話
  テスラ:7つの質問にすべて答えたスタートアップ/エネルギーの未来

14. 創業者のパラドックス
  差別化のエンジン/王はどこからやってくる?/アメリカの王族たち
  王の帰還

3. 学び

・ビジネスにおいて同じ瞬間は二度とない。ビルゲイツがまたOSを開発することもないし、ザッカーバーグがSNSを作ることもない。それらをコピーすることは、先人から何も学んでいないのと同じ。
・垂直的進歩→新しい何かを行うこと。
・水平的/拡張的進歩→成功例をコピーすること
・ドットコムバブルを経験したシリコンバレーの起業家の学びは以下の4つ
- 少しずつ段階的に前進すること
- 無駄なく柔軟であること
- ライバルのものを改良すること
- 販売ではなくプロダクトに集中すること
しかし、ピーター・ティールはその逆こそが真だと思っている
・完全競争下では長期的に利益を出す企業は存在しない
・独占企業の特徴
- プロプライエタリ・テクノロジー
- ネットワーク効果
- 規模の経済
- ブランド
・スタートアップにおいては進化論ではなく、インテリジェント・デザインこそが最適である。
・隠れた真実には2種類ある
- 自然についての隠れた真実
- 人間についての隠れた真実
・人間についての隠れた真実は「人々があまり語ろうとしないことは何か?」「禁忌やタブーはなんだろう?」と言った問いの答え。
・創業時がぐちゃぐちゃなスタートアップ は後でやり直せない。
・最高のスタートアップはカルト教団よりも少しだけマイルドなカルト思想を持つチーム。
・フィールド・オブ・ドリームス的な発想は幻想で、営業しないとモノは売れない。
・コンピュータは人間にとって変わるものではなくて、その力で補うものである。
・優れたビジネスプランは以下の7つの質問に答える
- エンジニアリング
▶︎段階的な改善ではなく、ブレークスルーとなる技術を開発できるだろうか
- タイミング
▶︎このビジネスを始めるのに、今が適切なタイミングか?
- 独占
▶︎大きなシェアが取れるような小さな市場から始めているか?
- 人材
▶︎正しいチームができているか?
- 販売
▶︎プロダクトを作るだけではなくて、それを届ける方法があるか?
- 永続性
▶︎この先10年,20年と生き残れるポジションができているか?
- 隠れた真実
▶︎他者が気づいていない、独自のチャンスを見つけているか?
・7つの質問全てに答えている必要はない。5,6個あれば充分。
・すべての起業家は、自身の市場でラストムーバーとなるような戦略を立てるべき。そのためには、まず「10年から20年先に、世界はどうなっていて、自分のビジネスはその世界にどう適応しているだろうか?」ということを自分に問うべきである。
・企業には大きな力があるけれど、利益追求という足枷があり、非営利組織は公共の利益を追求しているけれど、経済全体の中では弱い存在。よって「社会のためになることをして利益を上げる」ことを狙っている社会起業家は大抵失敗する。

4. 感想

冒頭でも書きましたが、哲学的でありながら論理的に核心を突いている本だと思います。ピーター・ティール自身、変わり者として有名です。(反トランプ一色のシリコンバレーでドナルド・トランプの支持を表明、集会での登壇をしています。)
彼を象徴する言葉として「賛成する人がほとんどいない、大切な真実とは何か?」が有名です。僕もこの言葉自体は知っていましたが、本質を捉えていなかったなと思います。本書を読んで、この言葉こそスタートアップに限らず、社会や人間が進化していくためのフックだと思いました。
最近、(あくまで個人感想ですが)いい本に巡り合えてなかったので、久しぶりに良書を読めて楽しかったです!
内容が繊細なので、あまり上手く書けなかったので、読んだことない方はとにかく一度、読んでみてください!言って頂ければお貸ししますよ!

最後まで読んでいただきありがとうございました。

では!