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序章1 巫女服の茶屋
美琴は眠りから覚めた。ゆっくりと目を開けた。目の前には大きな社殿が見える、賽銭箱の前で腕を組み仁王立ちしている。先程まで洗い場にいたはずだった。まるで夢を見ていたかのような感覚、社殿の屋根上から見た美しい夕焼けが脳裏に浮かんだ。
(誰かと感動を共有した感じ‥‥)
美琴は茶屋に戻り、着替えてバイトから帰宅した。
身体がやや濡れているのが気になるため、風呂にすぐ入った。湯船に浸かりながら、ここ最近の出来事を振り返る。
東京都港区のビル群が建ち並ぶ大都会に忽然と山があり、その頂に年季の入った神社がある。名は阿多古神社。
入り口には大鳥居がある。鳥居は世俗と神域との結界、ここから先は神様の住む場所。鳥居を越えると急勾配の石段がある。石段の先には一の鳥居という小さめの鳥居がありその先に見えるの樹々に覆われた閑静な佇まいの社殿がある。
美琴は春から都立の大学に通うために、憧れの港区に田舎から引っ越してきた。高校の頃に貯めた貯金で住めるのは築50年の昔ながらのアパートで、防犯面に一抹の不安を覚えたが地元の友人への見栄を取った。
そのアパートは阿多古神社の裏手にある。引っ越した翌日に神社に参拝しに行った美琴は神社の境内にあるちょっと変わった茶屋を見つけた。その茶屋は店員が全て女性で巫女姿で働いていた、なんか東京っぽいという印象を受けた美琴はそこでバイトとして働く事にした。
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