【ドラマ】『こっち向いてよ向井くん』を毎週正座で観ていたアラサー女の感想と自分語り。


2023年夏クール、日テレで水曜10時から放送されていた『こっち向いてよ向井くん』が最終回を迎えてしまった。


・今恋愛で毎日悩んでいる。
・赤楚衛二のスーツ姿がモロタイプである。
・波瑠さんのビジュアルが良すぎる。
・ねむようこ作品である。


以上の理由でなんとなーく見始めた「向井くん」。


前半は、いろんなタイプの女の子が出てきて、うまくいきそうなのかと思いきや、向井くんの勘違いでした〜というオチが何度か続いて、一話完結ものとしての面白さを楽しんだ。


そもそもはじめの方の向井くんは本当に恋愛がしたいのかどうかよくわからない感じだったから、恋愛パートを楽しむというより、今の気持ちや葛藤を波瑠さん演じる洸稀ちゃんにバッサバッサと斬られながら、パイレオで話しているシーンがいちばんの楽しみだった。



しかし後半、ずっと向井くんの心に棲み続けている、10年前の元カノ美和子との話。友人洸稀ちゃんとの今後の話。
このあたりから哲学ドラマに変化していった気がする。
登場人物たちは、常に考えている。
小さな疑問を誰かが投げ、みんなで話しながら深めていく。でも答えが出るというわけではない。まさに哲学。


この作品の女性たちは確固たる自立を望んでいる人たちが多く、どちらかというと男性側の方が普遍的な幸せ、家庭を持つことを当たり前に思っている風で、そこが新鮮だった。


正直結婚願望が鬼のように強いわたしは、その点で彼女たちに共感したわけではなかったのだけれど、会話の中に散りばめられている微妙な気持ちの言語化が毎度秀逸で印象に残ったし、彼女たちはわたしにはない強さがあってかっこよかった。



ここからはドラマの感想というより、自分語りになる。


主要な登場人物の男性陣、向井くんと元気くん二人に、それぞれわたしの彼と似ているところがあった話。



向井くんは、めちゃくちゃわたしのタイプ。
優しいし、清潔感あるし、話し方も穏やかだし、背高いしかっこいいし、会話も楽しそうだし、元カノに未練たらたらで女々しいところも可愛くてとっても好きだった。


でも1話の最後、自分の彼の嫌なところを思い出すこれ!っていう台詞があって、向井くんおい!って突っ込んだ。



向井くん「前にさ、守りたいって言われたら見下されてんなって思うって言ってたじゃん。それって女の子みんなそう思うの?」


洸稀「あのね、『女の子』なんて人格は、ないの!人それぞれ相手に合わせて考えて。」

この、主語がでかい感じ。嫌なんだよなあ。



わたしの彼は「女の子」というものをどこか偶像化している人だ。わたしは正直「女の子」らしさなんて自分にはあまりないと思っていたし、友だちにはかっこいいって言われる方が好きなタイプだった。


でも初めて付き合ったその彼に「女の子」扱いされるのは満更でもなく、気づけば彼の好みに寄せてまんまと「女の子」らしい服を好んで着るようになったし、ガサツな振る舞いを減らすよう努力した。


でも彼が「女の子」扱いするのはわたしだけではなく、この世の「女の子」みんなだった。


彼の職場の飲み会帰り。
かなり遅い時間になったとき、後輩女子を家まで送ってあげるかどうかで揉めたことがある。

その女が彼を狙っていることは、過去の話の端々からわかっている。
そんな子がその日、「送ってくださいよ〜」と言ってきたらしい。


別にその子を家まで送ってあげること自体にそんなに疑問を感じているわけではない(普通に嫌だけど)。


結局そのときは、わたしが嫌がると思って送らなかったらしい。
わたしは嬉しいながらも、そのときの彼の言い分にちょっとモヤっとした。



「でも送らなかったこと、ちょっと後悔してる。心配。俺が送ってあげなかったせいでその子が襲われたりしたら、俺のせいだし。女の子の方が危ない目に遭う確率が高いんだから、やっぱり男の俺が守ってあげないと!」



確かに女性を狙った犯罪が多いのはわかるし、夜遅いと暗くて危険なのも頭では理解できる。

でも、他の記事で書いたように、彼は自分のことで精一杯。彼女であるわたしのことまで頭が回らず、ずっと放置するような、余裕のない男。わたしの心配なんてしない男。


まず彼女一人も満足させられていない男が、なぜこの世の女の子を全員守ろうとするのか?
しかも、自分を狙っていて、彼女が煙たがっているその女を心配して守りたいの?
そもそも自分をナイトか何かだと思ってるの?
わたしより体力ないのに、どうやって何から何を守るの!?
それにその女、実家なんだからちゃんと迎えに来てもらえる時間に帰れよ!!!あと遠慮しろよ!!!



ここで、元気くん役の岡山天音くんが演じていた、前クールのドラマ『日曜の夜ぐらいは…』のみねくんの台詞を引用したい。

「大切な人を苦しめる人は、どんな理由があっても敵とみなします。すみません。心が狭くて。すべての人が守れるとは思えないので。大切な人だけ守ろうと思います。」


わたしが求めるのはこれ。
「女の子」は守るべきモノ、みたいな考えが嫌。
わたしのことが大切だから、「わたし」を守れるようがんばるね。と言ってほしいのだ。


一方、元気くん。

彼の愛し方は、わたしにとっては羨ましかった。こんなに愛してもらえるのに、まみんは何が不満なんだ!と思わないこともない。
でも、大黒柱として無理して家を買おうとして、カレー屋さんが大変。みたいな本末転倒に、なんで!って思うのはすごくわかる。
そんなこと頼んでない!ってなる。わかる。
ただ彼らしいまま自分と一緒にいてほしいよね。
そんな彼らはいい関係におさまってよかった。

でも、途中から出てきた悪魔のような女、芽衣への態度。元気くん、よくない。

人の優しさを100%の純度で受け取って、ずっと甘えて、まみが嫌だと言っているのにずっといさせてしまうあの感じ。
わたしの彼とすごく似ている。



わたしの彼は優しい。いわゆる八方美人なぐらいみんなに優しい。
自分を慕ってくれる相手に冷たくできない。すべての人に好かれたがる。

だから彼は、自分に言い寄ってくる女を突っぱねてほしいというわたしの願いをいつも聞いてくれない。
だってその人何も悪くないのに、可哀想って。
まさに、途中までの元気くんのような感じ。


もちろんわかっている。元気くんは周りのどんな人に優しくしたり甘えようとも、愛してるのはただ一人、まみんなのだと言うことを。
わたしの彼だって、みんなにいい顔するし優しくするけれど、わたしが一番って言ってくれている。


でも嫌なものは嫌。好きな女が嫌がることをするなよ!

まみんが
「あの女、大っ嫌いだから今すぐ辞めさせて。じゃないと離婚する!」

って言った時の気持ちが痛いほどわかる。
さすがにそう言ったら、わたしを失いたくなくてがんばってくれるんじゃないかって。

それでも元気はやめなかった。バレなければいいんじゃない?って言われて。
最終的には元気とまみんはうまくいったけど、わたしは忘れない。

元気くんが、まみんの必死の訴えを聞かずに他の女の優しさに甘えていたあのときのことを………!(元気くんごめん笑)



向井くんと元気くんに彼を重ねて愚痴大会をしてしまい、少し反省……。

でも、わたしはわたしでそんな彼とこれからこのままやっていけるのかを毎日考え続けている。
別れたのか別れてないのかどっちつかずのまま、苦しい日々を過ごしている。

自分の幸せについて考えて、選択しなければならないときが近い。



脱線したけれど、不器用だけど素直でかわいい男たちと、自分を持っているかっこいい女たちが、自分らしく生きて幸せになるとはどういうことか?を視聴者と一緒に考える、素晴らしいドラマだったなあ。


一筋縄じゃいかない男女の関係。そして嫌でも突きつけられる年齢、これからの人生。

最終話、幸せって…何?は永遠の課題だと思うし、わたしも毎日考えてる。

幸せになりたい。でも、幸せって何。


これから探していこうと思っているけれど、
最後の向井母の言葉がじんわり沁みたから、載せておく。


「幸せだった時もあれば、幸せじゃなかった時もある。
だって これをしたから とか これを手に入れたからずっと幸せ…ってことはないわけじゃない?
もちろん、お父さんと結婚した瞬間、幸せだったな。
お兄ちゃんや麻美が生まれた瞬間、
成長を感じる瞬間、
家族でだんらんをしている瞬間。
幸せな瞬間はた〜くさんあったよ。
でもさ、それって全部ずっと永遠に続くわけないじゃない?
今日が幸せでも、明日は何かに悩んでるかもしれない。
まあ、それが人生よ。
お母さんはさ、ざっと振り返ってみると、幸せ。
それで十分よ。」

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