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戦う義足のスプリンター~金子達仁著「ラスト・ワン」~

言葉に惹かれることがある

でも言葉に惹かれ過ぎないように気をつけている

”黒い波動”

それは私の中にある得体の知れない何かを感じさせる言葉だった


久しぶりに金子達仁さんの本を読んだ

スポーツライターとしての氏の文章に長年に渡り親しんできた

衝撃的だった

1997年サッカーW杯初出場を前にした

日本代表チームの試合への記事を読んだ時から

氏の文章を探しては読んだ


やはりノンフィクションは心に刺さる

辛辣な表現もされているが

本人にしかわからない辛い心情はそんな言葉をも凌駕していたことだろう

それらの言葉の群れが私に刺さる


タイトルにもなっているラスト・ワン

私はまだ私自身のラスト・ワンに辿り着いていない

ラスト・ワンってそういう意味だったのか

と思っていたらそうではなかった

いつも金子達仁さんにはしてやられている私なのである


鬼気迫るものがこの本の中から

静かにやってきて

いつの間にか

私の体に染み入った

そのことを自覚するまでに一日を要した


不思議な気分の味わえる言葉の群れだった

私はもっと立ち向かわなければ

私はもっと苦しまなければと思わせられた


この本を読んで良かった

やっぱり本を読むのは良い

今回もいろんなことを学んだ気がした

繰り返し読みたくなる一冊でした

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