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フードエッセイ『アイスクリームが溶けぬ前に』 #12 カツ丼(かつや)


定期的に食べたいもの。

それが頭に浮かんだ瞬間、今日は絶対これを食べる!と脳内に指令を飛ばし、我慢ストッパーのレバーを解除する。



ロールケーキ、寿司、焼肉、カレー。
2,3ヶ月でやってくる定期的に食べたいものローテーションは、いろんな料理たちで構成されている。その中の1つが、カツ丼だろう。

今回の主人公、かつやのカツ丼(竹)
丼からはみ出すカツ、三つ葉、卵、備え付けのお漬物。すでによだれが出そう。

白身と黄身が分離されているものは基本食べれない、混ざっていたら食べれるという、わがままな要望があっても期待に応えられるフォルムと味


しっかり卵に火が通ったパターン、半熟くらいのパターン、三葉がのっていたり、玉ねぎではなくネギが使われてるもの。カツ丼と一口にいっても、全く同じものはないだろう。


チェーン店のカツ丼をあなどるなかれ。(客の)回転数を意識する中でも味に妥協しない感じが、厨房越しから伝わってくる。

めんつゆベースの味付けは、甘すぎないから飽きずに箸がとまらない。箸休めの漬け物をカツ丼の中に混ぜこむと、意外にもマッチする。漬け物もご飯もとまらない。


今までは勝負事の前にトンカツやカツ丼、ヒレカツを食すことが多かったが、ほぼはじめて自分へのご褒美としてカツ丼を食べた気がする。体がタイムリーに欲している料理に、タイミングよくたどり着けるとこんなにもパワーがみなぎるのか。食センサーに敏感でいることって、自分のごきげんを作る上で大事なのかもしれない。


さて、次なるチャレンジに向かおう。そのチャレンジが終わったとき、脳内に浮かんだ食べ物とまた出会えるのが楽しみだ。

ごちそうさまでした。


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