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【天と地を結ぶもの】町田宗鳳 × 五島秀一

顕密統合を目指す

SOHO 町田宗鳳と申します。ここはありがとう寺と申しまして宗教法人でもない無宗派のお寺です。大黒堂、ありがとう神社をご覧頂いたと思いますが、ここが禅堂で全面床暖房で冬も温かいのです。

そちらにガラス張りの護摩堂がございまして、後で見て頂きたいのですが、お不動さんをお祀りしています。江戸時代のお不動さんで300年間ずっと密教僧が護摩を焚き続けている、すごいお力のあるお不動さん。私も毎日そこで護摩を焚いております。

私は元々京都の大徳寺という禅寺で20年修行しておりました。お坊さんのせがれというわけではなくて、中学2年の時に家出をして坊さんになって、20年間禅の修行をして、それからアメリカに渡って今度はキリスト教とか神学とか他の宗教の勉強をしてアメリカに十数年、学生をしたり大学で教えたりしておりました。

シンガポール国立大学でも教えていたのですが、50歳の時に日本に帰ってきて、東京外国語大学とか色々な大学で教えて、最後は広島大学で、五島先生も広島大学の出身ですけれども、理学部の出身とおっしゃったらとても秀才だと思います。

私は広大の総合科学部というところにいて、いつも入試の監督をしていて、理学部志望の学生の入試問題を見ると極端に難しい数学とか物理で私には一問も解けない。

そういう難関を突破して広大で数学を勉強しておられたと聞いたのですが、私は昨日高島敏子さんに御紹介して頂いて、早速Dr.Shuのバックグラウンドを学ばせて頂きましたが、非常に壮大な宇宙観のもとで気功をしておられるとのことで大変感動しました。

もともと禅宗というのは鎌倉時代のものですから顕教です。密教というのは弘法大師とか伝教大師が持ってきたもので分かれているわけです

顕教と密教に、私の場合は比叡山にも行って、行をさせて頂いて顕密統合ということを志しています。

宇宙のこと日本のこと世界のことをいつも願って護摩を焚いているわけですが、Dr.Shuは全く違うアプローチですけれども、富士山の頂きに到達して世界の平和を祈りたいと、登り口は違いますが、そういう思いは御一緒させて頂いていると思ってきょう皆さんと一緒に来て頂いたこと、非常に嬉しく思います。ありがとうございます。

ありがとう寺は本源に立ち返る場所

SHU きょう初めて町田先生とお話をさせて頂いたのですが、包む力をお持ちの方だと思いました。

私は、今後科学が平和のために役に立つためには、根本に宗教精神がなくてはならないと思っています。私が敬愛するアインシュタインも、常にキリスト教の神に祈りながらあらゆる論文を書かれています。

我々日本人はその根本にある仏教といいますか、顕教密教含めてアプローチは違いますが、これからこの日の本から陽が高々と登ってほしいと、私の10歳くらいからの願いでありまして、そのために我が生涯を全てかける、そんな気持ちで過ごしてまいりました。

きょうはこの素敵なところで、ここに来させていただくまで、坂を登りながら本源に立ち返る場所だと思いました。

元に立ち返るということを忘れているような気がします。専門家は専門バカになっていますし、医者は経済がわからなければ本当の医者にはなれない。

とても素敵なところで町田先生は居を構えておられますので、ぜひ200歳300歳まで生きて頂きたいと思います。(笑)

結び合わせ役割交代する時代

SOHO いまアインシュタインのお話が出ましたけれど、実は私はアメリカのプリンストン大学で8年間教えていたのですが、私の研究室の隣がアインシュタインの部屋だったのです。

いまもアインシュタインの家も残っているし、アインシュタインの研究室を普通に使っています。私は若い助教授でしたけれどもアインシュタインの研究室の隣の立派なお部屋を頂いて、そこで勉強していたこともあります。

私は結びの思想ということを唱えています。結びそれは統合とか融合ということですけれども、そういう文化を縄文時代から日本は持っているわけです。

神と人、自然と人、あるいは科学と宗教、善と悪、男と女、こういうものを分けずに結び合わせるという、文化を持っていると思います。

それに早く私たちが気づいて世界に発信していく責任があると思います。

ですから私の場合はお坊さん、宗教家でありながら比較宗教学であると宗教と学問も分断されていますので、そういうものを結び合わせたり、あるいはここに来るまでに神社がありますが、あそこには磐長姫がいます。

木花咲耶姫のお姉さんをお祀りしていますが、すごく岩のようにお力のある神様だったけれど、今までほとんど神話の上で登場してこなかった神様です。

妹の方が美しくてお姉さんが醜女ですね。瓊瓊杵尊に突き返されたという神話があるのですが、どうもそれは本当ではなくてとても美しい神様で、今まで陰の神様として後ろに控えておられたけれども、これから陰陽が逆転していくような、そういう歴史の節目に来たのではないでしょうか。

だから今まで後ろにいた人が前に出る、前にいた人が後ろに出る、それも対立するのではなしに結び合わせて、そういう役割交代が起きるのではないかなと私は思っています。

この富士山の前で、そういう思いで色々なことをしております。ここでありがとう断食セミナーと言って2泊3日で40名くらいの方が集まってご一緒に断食したりもしますし、今度11月7日には外で火祭りもいたします。

炎というのは本当に不思議で、たぶん五島先生も気功をしながら炎の力を感じておられるのではないかと思いますが、単に仏さんに向かって御経をあげるのではなく、仏と私の間に炎があると本当に人間の想いが仏に通じているような、そういう感じがあります。

炎が人と仏を結び合わせてくれる、そういう気持ちになってきます。

全く素人ですがベーシックな質問をしますけど、五島先生は気功をされるときはどういうお気持ちでしておられるのですか?

お前の究極の目的は何であるか

SHU 質問にお答えする前に先にお話をさせていただきたいのですが、ありがとう神社に磐長姫を祀っておられてびっくりしたのですが、実は古事記や日本書紀を紐解きますと、いまの(神様の)原点の系列というのは木花咲耶姫の系列なのです。

しかし、私の研究によりますと、邪馬台国の卑弥呼は磐長姫の系列じゃないか、というのを考えて研究レポートをまとめたのです。ここに来て磐長姫が祀ってあるというのはとても感銘を受けました。

それから今質問をして頂いたのですけれども、気功をやっている時は自分というものではなくて、空間から自分を眺めているというか、私は空間というのが大好きなのです。

幾何学をやったのも空間を勉強したり、空間がのり移ってくるというか、おそらく神の心から滲み出ていったものが、空間であるとすると、いつの日かこの空間は神の心に還元されていくに違いない、そういうことを考えています。

空間というのは神様の寛容な心、広い心からそう思って気の舞をさせていただく時は自分では全くないのです。何を舞っているかというのも全然わからない、あとで映像を見てこういう動きをしていたんだと思うわけです。

別に太極拳を勉強したわけでもなくて、ただある日本屋さんに行って気功の本をちょっと見ますと(エネルギーが)流入してくるというか...。

おそらく今からの時代は、もうあらゆる学問は出尽くした、元に戻っていかなければいけない、そんなことを考えています。

ということで、僕は何かを生み出すというよりは、何かを総合的にまとめさせていただくというのが、究極の使命かなと思っています。

と言いますのは、20歳の時ですが瞑想をしていますと内なる声が囁くわけです。「お前の究極の目的は何であるか? それに気がつきなさい」それを探し続けてはや40数年経ちます。

まだまだ完成しているとは言い切れないのですが、したがって舞っているときは完全な真空状態になっています。

ただ今仰って頂いたように、炎というのは確かに下から上に上がっていきますので、地で滅びるのではなくてそれが炎の力で上がっていくというのはチベット密教でもインドでもまさしくそうでして、火というものが私たちを浄化し、そして私たちの根源に立ち返らせてくれる。これは間違いないと思います。

ですから内なる火と外なる火がひとつになっているのを眺めながら、自分は全然舞っていません。気がつくと一体で動いている、このような感じであります。

八百万の神々の世直し

SOHO  意識の変容にはハイになってとっても気持ち良くなる。ハイになってフローになっていく。とっても軽やかな気持ちで演ずる。スポーツならプレーできる。自分がどこにいるかわからない。何をしているかわからないくらい集中してしまうのをゾーンに入るというのです。

一流のアスリートというのは皆ゾーンに入って、試合に臨むわけですけれども、五島先生も完全にゾーンに入っておられる。

動画を見せて頂いたら完全にゾーンに入って気の舞をしておられる。その時の状態を宗教学では、ヒエロファニーと言います。ヒエロファニーと言うのは聖体示現と訳されます。聖なる体が示す現れる示現です。

天と地を結ぶものを聖体示現と言いますが、完全に気功をされる時はヒエロファニーになっておられるのではないかと思います。

例えば私が御経をあげるとか、何かのマントラを唱えるときも声がヒエロファニーになります。私がゾーンに入ってやれば何でもヒエロファニーになり得るわけですが。

先ほど磐長姫に興味を示して頂いたので、もう少しお話をしますと、ここからずっと向こうに伊豆半島が見えます、駿河湾も見えます。

伊豆半島のずっと南の方に、雲見という小さな集落があるのですが、そこにピラミッドみたいに尖った岩山がありまして、その頂上に雲見浅間神社という磐長姫をお祀りしている非常に歴史のある小さな神社があります。

そこをたまたま発見して、岩山に登って、御詣りして月詣りをしているのですが、そこに御詣りすると、色々な御神示やお言葉をいただくのですが、ある時聞いたのは、

日本も不治の病に罹っている

世界も不治の病に罹っている

政治も経済も教育もすべて不治の病に罹っている

今こそ富士山に八百万の神々が集って世直しをしたい

こういう御言葉を聞いたことがあります。ですから現在は相当深刻な状況が迫っているのではないかと思います。

人間は愚かですから、我々の知識も限られていますから、天の気持ちがどのような形で現れて我々にお示しになるかわかりません。

一つは富士山が爆発するかもしれない。大きな地震があるかもしれない。しかし何があってもそれは日本が甦る最初のスタートラインになるのではないかと思います。

磐長姫は色々なことを教えて下さるのですが、あの小さな神社(ありがとう神社)には御神体もお祀りしてあります。

磐長姫に御神体を頂きたいと言ったら、木目のある石を探しなさいと言われて、木目のある石ってそんなのあるのかなと思って、険しい岩山をよじ登って、人が近寄らないところですが、そしたら地中に埋もれた小さな岩を見つけたのですが、確かに木目がありました。

それを下の海に行って塩で浄めなさいと言われて、お浄めしてみると、標高300メートルくらいの岩山の天辺に神社があるのですが、私が拾い上げたの木目のある石は、その岩山と全く同じ形の岩だったのです。

それを白い布に包んで、御神体として神社にお祀りしているから、とても小さいけれどもお力のある神社になっています。

ですから神話では控えめだった神様が、敢えて表に出てきて世直しをしたいとおっしゃるくらい大変な時期だと思います。

そういう時期に皆さんが気功を学んで身体から変えていこうとされているのはとても貴重なことのように思います。本当に素晴らしい、の一言です。

世界の隅々まで光り輝く言葉

SHU 色々な方にお会いしましたが、こうやって生きて体現しておられる仏教関係者の方というのは、日本では数人くらいでしょうか。

私が思いますには、日本というのはどんな使命を持っているのかというのが、小学生の時からのずっと長い間の疑問でして、そしてやがてたどり着いた結論を申し上げますと、

新約聖書にこう書いてあります。人々はある時、キリストの力によって色々な言葉を喋り始めました、と書いてあります。

つまりある日突然語る言葉が変わってくるに違いない。おそらく磐長姫がはたらきはじめて、人々の言の葉に語りかけるならば、

政治家が語る言葉も変わるでしょう、芸能人が語る言葉も変わるでしょう、経済人のトップが語る言葉も変わるでしょう、まさしくこの我が国は資源がありません、原子力もほとんど持っていません、しかし言葉には力があります。

町田先生も大変言葉に力のある方だとお見受けさせて頂いたのでありますが、おそらく来年以降言葉に宿るはずなのです。

言葉に光が宿る

希望が宿る

道標が宿る

そういうはたらきで日本の神々が、あるいは色々な仏様がはたらきかけられるのではないでしょうか。

今まで日本は想念の中で生きていました。つまり思う、良いことは想うのだけど、それを発信していない面があったと思います。

その発信をしはじめるのが、世界の変わりめではないかと、その言葉はこういう素敵な場から生まれると思って、今日は町田先生とお話しさせて頂いてお人柄がとても素晴らしい方だなと思いました。

その魂から出る言葉が、日本を、世界を、変えるはずです。この場に皆さんと一緒にこうして同席させて頂くだけで、光り輝く言葉がこの地から世界の隅々まで光り輝く、いまおっしゃっていた身体で実感しています。

ありがとうは美しい大和言葉

SOHO こちらは山があってひと山超えたら芦ノ湖です。ひと山だけです、裏がもう湖。その芦ノ湖のほとりに箱根神社があります。すごい観光客で賑わっています。

その脇にあるのが、九つの頭の九頭龍神社ですが、九頭龍神社とありがとう寺と雲見(浅間神社)が繋がっておりまして、いわゆる龍脈です。

ですからここでお不動さんとか大黒さんの前でろうそくを炊きますと、燃えかすが全部龍の形になります。そういうエネルギーが流れている場所だと思います。

私がやっているのはありがとう禅です。散々禅の修行もやらせてもらって、色々な宗教の勉強もさせてもらって、最後に辿り着いたのが「ありがとう」という美しい大和言葉です。

これをゆっくりとみんなで発声したら倍音が出てきます。倍音が出るとすぐに脳波が変わります。β波からα波、さらにはθ波、あるいは脳内物質のオキシトシンやドーパミンがバーっと出てきます。

医者が1時間の瞑想のビフォアー&アフターで検査をしたら、オキシトシンが10倍くらい増えたことがわかったのですが、私は信仰の有る無しに関わらず、誠心誠意ありがとうという言葉を発声すると深い体験が持てると確信しています。

ありがとう禅は、日本だけでなくアメリカやヨーロッパでもやっていますが、外国でやるときも日本語のありがとうという言葉でやります。

そうすると同じように涙を流される方が非常に多いのです。なかには号泣される方もおられます。トラウマが消えていくプロセスです。

だからいま、来年から言葉に光が入ってくるとおっしゃって頂いたけれども、私はこのありがとうを世界に広めて、そこに光が射してくることをすごく希望を持ちました。

ありがとう禅のこと

Q ありがとう禅はただありがとうと唱えればいいのですか?

SOHO ありがとうは母音ですから子音ではダメです。母音はお腹から声を出します。いわゆる音声心理学で言うオーセンティックボイスです。

本来の声、皆さんもお持ちです。本来の声を出すと自然と倍音になっていきます。喉だけで出す声はフェイクボイスです。

お腹から全身を震わせるようにしてこれを複数の人がやると、すごいバイブレーションになって助け合い瞑想となります。

ひとりではやるのではなしに助け合いの瞑想でやるから、すごくコンディションの悪い人が中にいても段々良くなっていきます。

私はこれを法然さんからヒントを得ました。法然さんは一日六万遍、南無阿弥陀南無阿弥陀と唱えていて、すごい神秘体験を繰り返しお持ちになったのです。

阿弥陀さんの姿を見たりお浄土の光景を見たり、だから声にはすごい力があるということがわかって、座禅と結びつけてありがとう禅をはじめました。

大きな声を出す

小さな声でやる

ハミングでやる

沈黙でやるのもあります。それはアシスタントの酒井がクリスタルボウルを演奏しますから、美しい音色を聴きながら沈黙で瞑想する。ヨガの屍のポーズになって全身力を抜いて唱えるとか、コンビネーションを時々変えますが色々なやり方があります。1時間やればどなたでも相当深い体験が持てます。

法然上人が結びつけた御縁

SHU 今思い出したのですが、私の中に法然さんがある日突然現れて、その後で高島さんから町田先生のことをお聞きしました。非常にびっくりしています。

法然さんというのは、仏教の真髄をわかっている人ではないかとある日突然思いました。

SOHO 法然さんの御縁で結ばれましたか!!私はアメリカでハーバードに行って神学を勉強して、ペンシルバニア大学で比較宗教学を勉強して、さて博士論文何を書こうか?

それまでずっと西洋の学問をしてましたから、当然西洋の哲学者を選ぶところなのですが、アメリカにいると仏教学者はいっぱいいますが、道元さん、日蓮さん、親鸞さんばかり研究しています。

法然さんの役割が全然わかっていない。法然さんは平安仏教から鎌倉仏教に宗教の流れを転換したすごいパイオニアです。

日本の思想史上の法然さんの役割に注目して、博士論文を書いて、それがすぐにカリフォルニア大学から出版されたのですが、それ以来私は法然さんを生涯の師と崇めています。

法然さんは岡山の美作のご出身で土豪侍の息子です。京都で偉くなるお坊さんはみんな貴族のせがれです。法然さんはものすごく頭が良くて比叡山に送りこまれたけれど、何せ出自が低くて田舎者だから法然さんは比叡山でいじめられます。

しかし30年おられて、智恵第一の法然房と言われるくらい学問ができたのです。密教の修行もされて。ところがそんなもんいらんという結論に達しました。

学問も難しい修行もいらない。南無阿弥陀仏ひとつで誰もが男も女もお浄土に行けるという発見をしま。そして比叡山を降りて念仏を広めた人です。

私はその、思想史的な役割、潮の流れをひとりで変えた。法然さんが変えてくれたから、親鸞が出て道元が出て日蓮が出たのです。

その大きな役割にすごく感動して、それと天皇も法然を師と仰いでいましたが、法然さんは一般庶民、遊女、泥棒と親しく話ができた人です。

無意識の光に触れる

SHU 私は仏教については門外漢ですが、奈良飛鳥時代に仏教が伝来して、その時は貴族中心、今度は平安仏教、最澄や空海が出て真言密教、その次に鎌倉仏教ができてこれが日本のオリジナルですが、完全なる他力に見えますが実は自力でもある。

他力を求める姿が自力なんだという点で、法然さんの存在というのは宗教学上非常に重要なターニングポイントにいます。

SOHO 法然さんの魂が五島先生に、降りてきたのかもしれないね。私は無意識との対話ということをNHKの連続の番組で語ったのですが、無意識というのは時空を超えます。

法然さんは800年前の人です。そういう人ともコミュニケーションできるのです。そして姿を変えて現代にも生きておられるはずです。

私はあまり神仏のことを普段語らないのですが、無意識というものにすごく注目しています。無意識に入っていくと、東洋と西洋、肉体と精神、そういう境界線が消えてしまいます。

特に私は無意識の本当に深いところには光があると確信しています。この光に触れる、それがすごく大事なことです。

おそらく気功の中でも、そういう瞬間があると思いますが、例えば臨死体験は必ず長く暗いトンネルを走り抜けて行った先にお花畑があって、その先に眩しい光を見るというのは世界共通です。

表層意識が活動停止して無意識に落ちこんだ時、暗いトンネルを走っていくわけです。その先に光が見えてくる。これを気功でも音楽でもスポーツでも瞑想でも体験できるわけです。

この無意識の光にひとりでも多くの人が触れたとき、世界は自ずと平和になっていくというのが私の考え方です。

光は闇から生まれる

SHU 宇宙物理学の観点から申し上げても、実は光というのは闇から生まれています。暗黒物質、最初から光があったのではなく、まずは闇があってその中から光が生まれます。

人生のあらゆる苦悩も世界史的に見ても、この地球は戦争災害が圧倒的に多いです。しかしこの闇からしか生まれない光があると思います。

これがおそらく今から特に日本、今から光が立ち上ってくるのではないか。そういうことをおそらく法然さんは直感されたのではないかと考えています。

日本は精神文化の宝庫です。我々のDNAには縄文時代からの非常に貴重な学び、情報があると思います。

新しい文明が生まれるうぶ声

SOHO 色々な形で表現して世界に発信している。五島先生もそのおひとりだと思います。数学というバックグラウンドがあって気功をしておられるから強いのです。

私もお坊さんの体験があって学問をしてきた。そして世界中を旅してきたし、その中からありがとうという言葉に辿り着いたので、これから色々な異分野の人が自分のオリジナルな表現を見つけてそれを世界に発信していく。

本当に切羽詰まった時期にあると思います。ノアの箱舟的な現象も起きるようです。多くの人が亡くなるようなこともあるでしょう。

悪人が死ぬんじゃない、悪人も善人も死ぬかもしれない。箱舟に入って生き残る人で悪人もいるわけです。悪人も必要なのです。それくらいの淘汰があるかもしれません。

それは決して悪いことではなく、必ず新しい文明が生まれるうぶ声なのです。もし私たちが命を落としても、それは残念なことではなしに、無意識というのは生死を超えますから、無意識は残ってまた肉体を得て必ず甦ってくるはずです。

科学に必要な信仰心

SHU 実は私の父は被爆者でした。広島に原爆を落とされました。長崎にも落とされました。

僕が小学校6年の時ですが、「大きくなったら核戦争を阻止する」それを全校生徒の前で誓いました。

それから数十年経ちましたが、ある日夢の中でアインシュタインにこう教えられました。

核分裂を止めなければ力を統一するしかない。

統一するにはどうしたらいいか?と聞かれたので、ひとつずつ統一するのですか?と聞いたら、それは違う、国際連合はそれで失敗した、ひとつずつ融合していったらユートピアになると思ったら失敗した。

バベルの塔も全く一緒だ。初めからひとつのものがあると信じるしかない。これは信仰の力だ、とおっしゃいました。

最初からひとつのものがあって信じてやる!科学ですら信仰心がないと完成しない。

それから半年かけて、最初からひとつのものがあると想像するとどういう方程式になるかと思って作ったのが、5次元統一場理論というヒカルランドから最初に出した本です。

おそらく最初からひとつのものがあると、徹底的に信じられる民族というのは最終的には日本民族だろうと思います。

私も宗鳳先生も元はひとつなのです。元がひとつのところから分かれてきたと思わなければ、いつまでたっても対立と戦争は絶対無くなりません。

違うものが仲良くしようとしても無理があり、それが今年の世相というものではないかと思います。

2020年10月4日 ありがとう寺にて 

撮影/編集:GY STUDIO(山本学)・協力:高島敏子

町田宗鳳 比較宗教学者。1950年京都府生れ。14歳で出家、臨済宗大徳寺で修行後34歳で渡米。ハーバード大学神学部で修士号、ペンシルバニア大学東洋学部で博士号を取得。プリンストン大学東洋学部助教授。国立シンガポール大学日本研究学科准教授。東京外国語大学教授。広島大学大学院総合科学研究科教授。
五島秀一 山口県岩国市生まれ。広島大学理学部数学研究科卒業。大学時代より宇宙の秩序と調和を見出す宇宙論を研究。一般財団法人秀物理学研究所代表理事。超越気功協会会長。

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