見出し画像

色と空を超えた世界

宇宙の意思“必ず生きる道がある”

ビッグバンから生まれた宇宙が、1秒後に地球ができるほどのエネルギーの量になるのを計算すると、〈10の15乗分の1〉となります。

そして40億年間も生命が絶滅しなかった確率は、約〈15分の1〉、途方も無い確率で私たちは生かされています。(日本の大学教授の方が計算しています)

その確率はいったい何を意味するのでしょうか?

それは、宇宙には確実に私たちを生かそうとする意思があり、生きろ! と言っているのです。

宇宙が生きろと言う以上は、必ず生きる道があるということです。

自然界の“作用反作用の法則”

産業革命以来、人間は知識を使って、自然や社会を思うままにコントロールできると考えました。
しかし今日の疫病、あるいは戦争のリスク、あるいは政治経済システムのギクシャクとした状態というのは、大きな反動としての〈反作用〉が起きたのではないでしょうか。

考えてみると、〈作用に対しての反作用〉というのは、必ず自然界でも起きることです。
現在はこの反作用が起きている状態なのではないでしょうか。

慣性で成り立つ“世の中の本質”

科学者で〈作用反作用〉と唱えたのは、アイザック・ニュートンです。
ニュートンは、世の中の本質を見て、世の中は慣性というものでほぼ成り立っていると洞察しました。

慣性というのは、止まっているものはずっと止まるし、走っているものはずっと直線運動を続ける。
つまり同じ状態に慣れ親しむと、なかなかそれを変えることはできない。
ニュートンは自然観察からそれを発見していきます。

成功者の人生の進み方

ニュートンはもともと科学者になるつもりではありませんでした。
14歳の時に学校をやめて、家業の農業を手伝っていました。
しかし全然農作業に没頭することができないまま日々を過ごしていました。

「この子は農業よりも学問が向いてる」と親戚の人に言われたことで再び学業の道へ戻ります。

ニュートンの生き方を見ると、物事を成功させた人というのは、最初から意図した方向へ人生がそのまま直線上に流れず、意外と紆余曲折を経ることが多い。
ニュートンも当初は彷徨ったわけであります。

人間の知力は限界があるのか

ニュートンが24歳の時、疫病のペストが流行しました。
その時どうしてこんなことが起きたのだろうか? と洞察力のあるニュートンは考えます。

人間の知力というのは限界があるのだろうか?
何をやってもダメなのだろうか? と大きな困難に直面します。

力と権力を持つものが、どんどん領域を広げて産業を興し豊かになると思ったらペストが邪魔をした。
これこそが〈作用反作用〉です。

実体験こそが科学の理論となる

ニュートンが作用反作用を発見したのは、リンゴというよりも、物事に対する洞察力と人生における実体験がベースになっているのではないでしょうか。

科学の理論というのは、抽象的なものより実体験がベースになっていることが実は多いのです。

世の中を思い通りにしようとしたら(作用)、逆にそれを阻むような思い通りにならないようなことが起きることを(反作用)を、ペストをきっかけとして気がついた。

つまりニュートンは、物理学の世界で作用反作用の法則を発見する以前に、すでに実体験として、人の人生や地球や惑星の中では、作用を加えると逆に反作用が起きることを、あくまでも科学者の立場として洞察したのだと思います。

無理を重ねた結果の作用反作用

今日、私たちはコロナで苦しんでいますが、ニュートンはペストで悩み物理学の理論を発見しました。今度は私たちがコロナの苦しみの中から、もっと広範な人生観を発見する時に来ています。

現在の苦しみは、具体的なコロナが介在しているせいで、ウイルスが原因であると言えば言えなくもありません。

しかし、コロナウイルスで苦しむ以前から、私たちは無理に無理を重ねて、その反動がコロナをきっかけにどーんと来たように思えます。

あなたはどう生きるか?

そこで最後の一撃でコロナが登場した。

哲学者フランクル(ヴィクトール・エミール・フランクル)が言ったように、世界に疑問を投げかける前に、世界が私たちに問いかけている。

明日からどう生きますか?
あなたはどう生きますか?

今、私たちはフランクルの言葉に耳を傾けるべき時に来ているのです。

根拠なき希望は有害ですらある

1942年9月、37歳だったフランクルはナチスに連行されました。
そこでフランクルは、いったいどんな人が先に死んでいくのかを観察しました。

1944年の12月から1945年1月にかけて、多くの人が亡くなります。
それは、クリスマスに救済者のようなものが現れて、家に帰れるのではと言う噂が収容所に流れ、噂を信じていた人たちの心が失望に変わった時に、精神的ショックによって死んでいきました。

フランクルは、「根拠なき希望は有害ですらある」と言いました。

もうひとつは、意外と繊細でビクビクしている人の方が収容所の生活によく耐えて、大胆で粗野な人の方から死んでいったと報告しています。

ですからビクビクしながら自分は弱い人間である。
自分を悲観しながら生きている人の方が逆に長生きしていることに気がつきました。
これは、収容所におけるフランクルの壮大な生きた実験だと思います。

自分の分にあった生き方を知る

人生の真実というのは、楽観的だから幸せになるかと言うと必ずしもそうではないわけです。

実際に6600万年前、南米ユカタン半島に直径10〜15kmの小惑星が激突して、大型恐竜が絶滅しました。

つまり幅を利かせていた非常に強力な生命から先に死んでいった。
そして重さが400gもないようなネズミのような哺乳類が生き延びていく。

ネズミは自分の分にあった生き方を細々としていた。
皮肉なことに、小さな方が大災害を生き延びたのです。

いま“般若心経”が面白い

古来から伝わる般若心経的な世界観を持つと、悲観主義や楽観主義を乗り越えていくことができるかもしれません。

通常の解釈とは違う、〈般若心経〉の私なりの解釈をお話ししてみたいと思います。

色即是空は、色(しき)は目に見えるもので有る。
空(くう)は目に見えないもので無いという言葉です。

2つの矛盾する、色と空という全然違う言葉は、実は同じものだと説いています。

色も空も全部が大きな空である

少し拡大解釈してみましょう。

人間の知識に例えてみると、色は知っていること、空は知らないこと。
しかし、知っていることも知らないことも、大きな意味で〈知〉の中にあります。

自分は、こういうことは知っているけれど、こういうことは知らないと言い切ることができたら、
それは知っていることも知らないことも含めて、知っていることになります。

ですから私が解釈する色即是空というのは、両方とも包んでいくという発想です。
色も空も含めて、全部が大きな空です。

自分も知らない自分にチャレンジする

しかも、それは自分自身です。自分が知っている自分が色で、自分が知らない自分が空です。

そうすると困難に直面した時は、自分も知らない自分にチャレンジする必要がある。自分も知らない自分に問いかける。

これは自分だけでなく他者も同様です。そうすると自分も知らない自分、自分も知らない相手、相手も知らない相手。

それを誰もが開発しなくてはなりません。

心の中に起きる〈作用反作用〉を理解する

こういった破壊的イノベーションが生まれやすいような土壌を作るためには、
ニュートンが指摘したように、この世は〈作用反作用〉でできていることを理解します。

例えば親が「学校に行け」と言うと、子どもの心の中では「行きたくない」という気持ちが反作用で生まれます。

作用反作用というのは、単に力学上の問題だけなく、人の心理の中で実際に起きている。
表面的に物理学の法則として起きるのではなく、広義に人間の心の中にも起きていることです。

作用と反作用の罠に掛かるな

これをヨーガの世界では「惰性」と言って、惰性こそまさしく「慣性」です。
惰性は動静というプロセスを経て、明るい明性、光に到達すると私は解釈しています。

宇宙は3つの属性でできていて、宇宙は惰性でできています。
この惰性について詳しく述べたのがニュートンです。

その中で一番重要なのが作用と反作用です。ニュートンはすごいですね。

この世は作用と反作用でできているから、その罠に掛からないようにしようと言った。

色も空も超えた大きな空の境地

例えば、親が子どもに「学校に行って欲しいけど行かなくてもいいんだよ」というように、あらかじめ作用と反作用を包容した状態で相手に投げかけると、それは単なる選択肢のひとつになります。

色即是空の自由でおおらかな〈色も空も超えた大きな空の境地〉になって、自分自身にも逆らう可能性を許してあげる。

“般若心経”から読み解く新しい希望

ニュートンが洞察したように、世の中というのは作用反作用でできています。
今は作用の文明が反作用という現象によってうまく機能していません。

この状態を抜け切ろうとしたら、私たちは作用でもない反作用でもないものを身につける必要があります。

作用と反作用を、両方とも包摂していくのが、五島秀一流の般若心経の解釈であります。

ここから新しい希望が生まれて、必ず人類は乗り越えていきます。
いま

いま私たちは、絶好の千載一遇のチャンスが来ているのではないでしょうか。

2012年4月 Dr.Shu 五島秀一

講演会情報 Dr.Shuの5次元宇宙スーパーサイエンス〈総集編〉

カバー画像撮影:栗原隆浩 撮影協力:足立療術院

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?