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cohina分析 (アパレル*D2Cの先駆け)

cohinaというブランドをご存知でしょうか?

「身長が低くたって、綺麗に見られたい!」というコンセプトで2017年11月に登場し、今や、アパレル*D2Cといえば、「cohina」というぐらいのブランドです。

cohinaの何がすごいか?

 ・無名、しかもアパレル経験0の2人が立ち上げたブランド

 ・2017年11月にオープンし、2019年3月には月商5000万円を突破

今、芸能人/インフルエンサーがブランドを立ち上げる際は、もともと「ファン」という資産を持ってのスタートですが、その資産が全くない状態で。かつ業界未経験の二人がこれだけのスピードで立ち上げたことは特筆に値するでしょう。しかも2019夏のセミナーで登壇したときは1億以上売れてる、と言っていたらしい(伝聞)なので末恐ろしい・・

なぜこんなに売れているか?(事業プロセス観点)

一言でいうと、「instagramを日本で最も使いこなしているブランド」と言えるでしょう。

アパレルのフローは

1.商品企画 

2.発注(生産数決定) 

3.事前PR 

4.販売後販促 

というフロー。

これまで、「SNSを活用している」というブランドも、大抵は3.事前PRから、色々なモデルに着てもらったり、目につくビジュアルで消費者の注目を集めたり、ということが一般的でした。しかし、cohinaは1.商品企画の部分から活用している。開発中のサンプル商品も紹介し「ポケットはいらない」「丈はもう少し短くしてほしい」など、お客様の声を踏まえて、商品開発をしている。

2.発注(生産数決定)もアパレルブランドにとっては大きく利益に関わるポイント。アパレルは"基本"シーズン中に商品を売らなければならない、という商品の販売期間の短さと戦っている。ゆえに「これが売れる!」と発注担当者の見込みが違った場合、大きく利益を毀損するし、不良在庫/SALEによるブランドイメージの低下など多岐に渡って不利益を被ります。cohinaの場合は「どっちの色が好き?」などどお客様に意見を聞くことで、在庫リスクを最小化している点が素晴らしいですし、『新しい』です。

なぜこんなに売れているか?(マーケ観点)

「身長が低くたって、綺麗に見られたい!」というアパレルブランドが見逃してきた、ブルーオーシャンを解決したことと、コミュニケーション戦略がキーになっていると思う。

ファンをいかに獲得するか?でShowroomの前田さんがよく使うマトリックスがある

前田裕二さんによるファンビジネス4象限

このファンビジネス分析においてcohinaは左下! 初期から毎日インスタライブをやっている(365日インスタライブ!)顧客との距離の近さ、接触時間はなかなか比肩するブランドはいないだろう。(わかってても実行できるブランドは少ない!創業者の思いゆえ実行できている)

価格帯で見てもマス向けに大量に廉価に作られているブランド、「moussy」と同じくらいの価格帯であり、

「手頃な価格で、自分たちがほしい商品をお客様と一緒に作っている」

というコンセプトが、商品→コミュニケーション一貫されており、非常に優れたビジネスであると思う。

あとは、

 ・在庫少なめにして「完売するから今買わなきゃ」

 ・LIVE見た人にはクーポン上げるよ

みたいなギミックも折込み、ライブ視聴者数/新作完売までのスピードを上げている(=人気感の演出)

Supreme、FR2、Nikeのスニーカー然り、「完売させる」ことは多くのアパレルが直近自社のブランドの価値の工場のために行うようになっている

自分がその企業のCMOだったとしたら?

まず、成長スピードとして月次(not年次)で120%のペースで成長、ということなのでリピート率/LTVはかなり高いと想定。課題は「認知率」で、POPUPを今数多くやっているのもインスタアクティブじゃないユーザーへの認知拡大施策だろうと想定。

A.今やっているPOPUPをもっとメディアに取り上げられるようにする

遊園地の身長制限みたいなものが入場口にあり、155cm以下じゃないと入場できないPOPUP、とか。入り口が155cmだから、155cm以下しか入れないPOPUP、とか。「155cm以下であること」が嬉しくなるような施策でメディア露出狙えないかなーと考えてみたり。

B.小売パートナーの投資資金を入れて、多店舗を無在庫展開

百貨店、ファッションビル、どこも小売は基本的に右肩下がり。だから次の一手を求めている。マルイはカードで儲かっている資金をD2Cに大規模に投資している(記事)こういったパートナーと組んで、彼らにキャピタルゲイン/集客を渡し、cohinaとしては売上/ インスタアクティブじゃないユーザーへの認知をもらうのはありかもしれない。その場合、私なら他店舗の店頭に在庫を置くと在庫リスクは増えるので、店頭にはサンプルだけを置き、決済はECでやるだろうと思う。

以上、ご覧いただきありがとうございました。今後も週イチくらいのペースで上げてこうと思います。

#マーケティングトレース #D2C #アパレル

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