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「親の世代より豊かになれると思う?」世界の若者を対象にした意識調査で日本は何位?【クーリエ・ジャポンからの抜粋-Vol.203】

「多くの発展途上国では、『世代を追うごとに生活水準が向上している』という問いにイエスと答える楽観性がやや多く見られます」

今回の調査をギャラップ社と共同で実施した、ユニセフのグローバルインサイト・アンド・ポリシー部門を率いるローレンス・シャンディはそう説明する。「しかし欧米では、そうした見解は頭打ちになったと認識しています」

米国では、若者層の56%、年上層の64%が、「現在の子どもたちは親よりも経済的に貧しくなる」と答えているが、その見方は、ここ数年間に多くの人が直面している経済状況に見合ったものだ。

今回の調査は、2つの年齢群(15歳から24歳と、40歳以上)に属する2万1000人を対象に実施され、世界の全地域から集めた国別の代表サンプルを含んでいる。若者のグループは「今日の子どもたちは、教育、医療、身体的安全性などの基本的な面で恵まれている」と回答した。

中央値の国で見ると、57%の若者が「世代を追うごとに世界はより良い場所になっている」と答えたが、年長者でそう答えた割合は39%に留まった。

そして「今の時代に若者であることの一番の利点は?」という問いへの答えは、追跡調査によると、「テクノロジー」だった。

アフリカや南アジアを中心に、およそ3分の2にあたる若者が、「今日の子どもたちは親世代よりも経済的に恵まれていると思う」と答えており、とくにアフリカや南アジアでその比率が高かった。また、中高所得国と比べて、「世代を重ねるごとに世界はより良い場所になっている」と回答した割合も高かった。

「アメリカンドリーム」の崩壊

「最悪の問題は、破滅的な経済状況、資本主義の弊害、そして気候変動です。私たちの世代がこれに取り組まなくてはなりません」と、ウクライナのキエフ在住のヴァレリア・ドラビッチ(19)は言う。

欧米、特にアメリカでは、多くの若者を対象にした調査で、「誰もが同じスタートライン上で生まれてくるわけではなく、成功は自分の力で完全にコントロールできるものではない」と答えている。

これまで「アメリカンドリーム」は、生まれた環境にかかわらず、努力すれば「より良い、より豊かな、より幸せな人生」を送れるという信念だと定義されることが多かった。しかし、現代の若者はそれを疑問視しているようだ。

今でもアメリカ人の若者は、成功するために最も重要なのは努力だと答えるものの、次に多い回答は、家族の資産や人脈だった。アメリカの年上世代は、「努力が最も重要」と答えた割合が若者に比べて40%高く、「家族の資産や人脈が最も重要」と答えた割合は若者層の半分程度だった。

「これまでとは違うストーリーを提供し始めています。ロッキーやルディ(ルドルフ・ジュリアーノ市長)や自力でのし上がった人の話ばかりじゃありません」

そう話すのは、「ムービングアップ・メディアラボ」の創設者ボブ・マッキノンだ。

「自分の人生を変えられると信じてもらいたいし、その必要がある一方で、自分の努力だけではどうにもならないことを理解してもらう必要もあるのです」

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