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日々の雑感 day35【思いやりの崩壊とは】

今週もセッションが毎日。おかげさまです。

&今日は、その合間時間で歯医者さんに検診をしてもらうことに。
実はうちの地域で、自治体負担により6000円の検診メニューが500円で出来る公助があったんです。

歯の健康は体の健康とはいえ、ちょっと大盤振る舞いしすぎな価格設定にも思えます。でも、地域の人の健康をターゲットにした平時のよい施策だと思います。

ありがたい。
そんなわけで、2021年は歯の健康からスタートですね。

☆予想通り波及し、炎上する

前回の day34 で「1都3県の影響は全国に波及しますよね」としましたが、このわずかな期間で早速11都府県まで伸びていきそうです。

これは本当に「なんだかなぁ」という模倣なんですが、三次補正で組まれた真水の中の6兆円くらいの取り合いが始まった感じですね。

12月に国からの協力要請に難色を示しすという判断ミスをした都知事が隣接3県を巻き込んで、東京ではなく首都圏なんですという体裁で国の予算におねだりにいくセレモニーをやった。

で、出す国側もある程度は想定していたので、そこにあっさり予算が付いた。結果、このセレモニーを模倣すれば国からお金を持ってくるという仕事が出来るとなり、あっちゃこっちゃと「うちも条件を満たしている」と手を上げるところが続いてきた感じですかね。

☆狭義の仕事

統制の仕組みというか、国から金引っ張ってくるのが、地方の「政」の仕事という制度そのものが今の時代にあわないように思えてならないですね。

権限の委譲とか、自主的・主体的な予算とかは、民間だとマネジメントやリーダーシップ論では不可欠に学ぶ所なんですが、ここを手放せない人々と、受動的で、責任感がなく今のままがいい人のスクラムが強力すぎるのかもしれません。

公助が市民に届かない。

例えば国が企業を優遇し、その利益を増大させてもその増えたお金が社員にわたらず、会社の資産や貯蓄になり、あるいは株主や経営者の一部が吸い上げてしまう。
むしろ、この30年はそれでも足りないと働く人の給与を抑え込み、無償のサービス残業を愛社と呼ばせることを会社の方針にしてきたところも少なくないわけで、実質賃金は逆に目減りしていたりもする。

そんな中抜き利権の方向性があるからに他ならないと思うのですが、地方行政においても地方が頑張って収益性を高めると、その分だけ地方創世交付金という国からのお金が減らされてしまうという話になる。
その結果、地方にとって「頑張らなくていい」という考え方の温床になってしまっていたりします。

なので、こういうケースで、こういう予算がつくと、地方の長が「今こそ仕事してる!」って感じになっているのではないか?とも感じたりします。

前回も触れましたが、予測されている有事に備え、有事を発生させない、有事の被害を最小化するということに力を注ぐのではなく、有事が起きてから火消しをした方が「頑張って見える」というやばい考え方(マインドセット)ですね。

そんなやり方は、はたして「仕事」と呼ぶのにふさわしいのでしょうか?

☆考え方は人生を左右する

実はこうした個々、こうした個々が共有する集団としての「考え方(マインドセット)」は、社会(世の中)に対する見方に基づいています。

個人的に感じている所では、今回のような有事においては心理学で言うところの「思いやりの崩壊」が組織的に発生しているようにも見えます。

この「思いやりの崩壊」では、当事者(いわゆる霞が関の方とか)が苦しんでいる相手と向き合う事を避けるために、物理的、精神的に相手との距離を置き、自分の心が共感し、辛くなることから遠ざかろうとします。そして、感覚が麻痺し、適切な行動がとれなくなっていきます。

東日本大震災時に復興庁・上級職達の9割以上が現場に足を運んだことがなかったり、視察をしたとしても迷惑をかけたりということは典型でしょう。

そして、当時も今回も「100年に一度の災害」と言いながら、予備費を含めた様々なその為の予算を使うことに抵抗する。
さらには、こうした災害時に国民に対し直接給付することに抵抗する。
にも関わらず、しかる後には容赦のない増税を実施することには信じがたい迅速さを見せるという行動を取るのも、こうした心理が影響しているようにも見えます。

特にこうした「正義」「正しいやり方」「常識」といった変化を拒み、強化された信念に近い思い込みは長期的によい影響がないことがわかっています。強化された思い込みは、感情、選択に影響し、人生との向き合い方も左右し、健康、幸福といった長期的な結果にも波及します。

その意味では、日本という国はこうした変化を拒んだマインドセットが30年をかけて何を引き起こしたのかという実験場であったのかもしれませんね。

*参考


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