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投票だけで終わりじゃない!シルバー民主主義と政策起業家

本日は参議院議員選挙の投票日でしたね。
まずどんな結果が出るかを楽しみにしつつ、
投票だけでは正直、関心を持ち続けるのって難しいですよね?

そこで今日は投票だけではない政治への関わり方という意味合いと、
投票だけしてても若い人の考えは反映されないということから、
記事を書きたいと思います。

先日abemaプライムにて、「シルバー民主主義と若者の政治参加」というテーマで出演させていただきました。
ご興味ある方は是非ご覧ください。(当日は35分だったので抜粋されている動画になります)

いくつも非常に面白い論点があったのですが、本記事では、
シルバー民主主義の問題点と日本の現状、その上で政策起業の必要性をまとめたいと思います。

そもそもシルバー民主主義の定義と弊害について、
番組で紹介されたものは以下のようになっています。

■定義
少子高齢化の進行と経済低迷の中にあっても、
政治が高齢者の意向を忖度して、利益を優先すること。
■弊害
現役世代の過重負担→経済成長の停滞→経済的困窮の負の連鎖が起こる。
その結果、
・若者から結婚・子育ての意欲と機会を奪う
・少子化がさらに加速する。
・過重負担を嫌って若い世代ほど海外に脱出する。
などが発生する。

島澤教授は以下の本を出されているのより詳しく知りたい方はぜひ本をお読みになっていただければと思います。

簡単に整理しますと、日本は少子高齢化社会になっています。
政治家は選挙で勝たないといけません。
高齢者が多い日本においては必然的に高齢者に好まれる政策を打ち出す必要があり、その結果、若者向けの政策などが少なくなってしまうということになります。

実際にOECD諸国と比べても、日本の子ども子育てに対する公的支出の対GDP費は、平均よりもかなり低い状態にあります。

出典:OECD Family Database, PF1.より

また、日本においては若者の投票率の低さも非常に問題だと言われています。

出典:総務省より

こちらを見ると国政選挙ですら、20代の投票率は36%となっています。

これらのことから「若者、投票に行こう!」というキャンペーンなどが行われ「あなたの1票が政治を変える」と謳われています。
しかし、それは本当なのでしょうか?

「投票率×人口=投票数」で現状を確認してみます。
(人口は2020年のものを利用しました)

筆者作成

いくら20代の人の投票率を向上させたとしても、
50代、60代の人の現在の投票数と同程度にしかならないのです。

日本の少子高齢化社会の現状、そして選挙ルールから考えると、若者の意見を届け、1票に入れるだけでは政治は変わっていくのは難しいというのが現実です(だからと言って投票しても無駄ということはなく、投票に行くことは大前提、大切です。)

また、衆議院議員の方ですが、年代別の国会議員数を見てみます。

ということで、20代〜30代で5%しかいないのが現状です。

そこで大事になってくるのが、「選挙以外での政治へのアプローチ」だと思っており、それが「政策起業」であるということです。

政策に関与するからこそ政治が自分ごとになります。
政策起業はロビイングなどと違い、政策提言して終わりではなく、
その課題や問題に対しての社会活動を伴うことが大切です。
それはつまり、若者問題に取り組む当事者が増えることを意味します。
プレイヤーが増えるということも非常に重要な要素です。

今の日本は自己責任論が強すぎます。特に若い世代ほど、それを教えられて育っているのではないでしょうか。

しかし、適切に「社会の(構造)せい」にし、その構造を変えていくことを行う人材が増えていくことは経済もシュリンクしていく日本においては非常に重要です。

若い人ほど政策起業にチャレンジしていくことが大事だと思います。

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これまでの政策起業家に関する記事はこちらから見ることができます。

また、政策起業家の行動原理など、海外の30年間の研究蓄積がまとまっている書籍の翻訳本の出版を行います。30年分の差を、この1冊で埋められるとは思っていませんが、少しでも日本で早く「政策起業」が拡がればという思いでいます。

また、2022年4月21日にABEMAニュースにて、書籍の紹介をしていただきました!12分にまとめっていて非常にわかりやすいのでよければぜひご覧ください。

最後までお読みいただきありがとうございます。
日本では「政策起業家」に関する研究が非常に遅れています。
研究を応援いただける場合には、
「サポート」していただけますと大変嬉しく思います。
サポート資金は全額、「博士後期課程」への進学資金にさせていただき、
更なる政策起業家研究に使わせていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。

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