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「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」

こんにちは、ナカムラです。今回は「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」という書籍を紹介したいと思います。

決算が読めるようになるノートのシバタナオキさんの著書です。

決算を普段読むことがない人に向けて、「決算ってこれだけ分かればいいのよ」と敷居を下げてくれる入門書的な書籍です。

今回はライトに、決算を読むメリットと決算を読むときの心得を紹介したいと思います。

1)決算を読むメリット

ここでいう決算とは企業が作成している「決算書」のことを指します。大抵は「決算説明資料」と「決算短信」が存在します。

▼「決算説明資料」のイメージ

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(サイバーエージェント 2021年度通期決算説明資料より抜粋)

▼「決算短信」のイメージ

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(サイバーエージェント 2021年9月期決算短信より抜粋)

これらを読んでどんなメリットがあるの?という話ですが、本書にいくつか具体的な事例が紹介されています。

●コンペの勝率が上がった広告代理店の営業担当Aさん
「コンペ前にクライアントと同業他社の決算を読み、そこから重要指標を読み解き提案をするようにしたことで、勝率がアップしました。」

●シリコンバレーで信頼されるエンジニアに変身したBさん
「決算を読む習慣ができ、ビジネスの勘所を学べたことで”ビジネスサイドの理解が深いエンジニア”として重宝されるようになりました。」

●成長性の高い会社に転職できたCさん
「自社含む転職候補の企業を決算を元に分析したことで、何が成長のキーになっているか、どこの成長性が高く自分にとって機会があるか見極められました。」

かなり単純化しているのでまゆつば感もあるかも知れませんが、要するに決算を通して「企業のコンディションとその背景」を知ることで「ビジネスシーンでの判断の妥当性が向上」した、という話だと言えます。

これは、経営者、従業員、投資家、債権者など様々な立場の人にとって有用なメリットですよね。

2)決算を読むときの心得

本書には「会計の素人でも決算を上手に読むための10カ条」がまとめられていますが、思い切って「3カ条」に絞り込んでみたいと思います。

①短信ではなく決算説明資料を読む
②ビジネスモデル毎の重要指標を覚えておく
③前年実績や類似企業と比較する

この3つです。

①短信ではなく決算説明資料を読む
まず、冒頭に紹介した「決算説明資料」と「決算短信」ですが、どこからどう見ても「決算説明資料」の方が読みやすく、「決算短信」は読む気すらおきないと思います。

専門的な知識を用いて分析するわけでもなければ、決算説明資料の情報で十分だということですね。

ビジネスモデル毎の重要指標を覚えておく
ビジネスモデルによって何が重要な指標なのかが変わってきます。本書では代表的なビジネスモデルの重要指標を方程式として紹介しています。

●ECビジネス:ネット売上=取扱高×Take Rate
取扱高とはそのECサイトで売買されたお金の総額(流通総額)のことで、GMV(Gross Merchandize Volume)と呼ばれます。Take Rateは、簡単に言うと手数料率(マージン率)です。ただし、ECサイトによっては手数料以外にも、出店料や広告掲載料などでも売上を作っているので、必ずしも手数料率とは限りません。

●Fintechビジネス(ストック型):売上収益=預金(貸付)残高×金利
お金を預かる(貸す)機能を提供するビジネスの場合、上記でいう預金(貸付)残高というストックが重要指標になります。金利を思い切り上げることはそうそうできないので、いかに残高を上げるかが重要ということです。

●Fintechビジネス(フロー型):売上収益=取扱高×手数料率
決済・送金機能を提供するビジネスの場合、上記でいう取扱高というフローが重要指標になります。ECビジネス同様、どれだけみんなが使ってくれているかが重要なのです。このように、Fintechビジネスの場合、「ストック型」なのか「フロー型」なのかを先に仕分けておけると良いですね。

●広告ビジネス:売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上(ARPU)
ここでいう広告ビジネスとは広告代理ではなく広告メディア事業を指します。なので代表的な企業はFacebook(Meta)やGoogleです。広告メディアとしての魅力はアクテイブユーザー数である程度決まる(リーチできる人が多い、広告在庫が多い=広告単価が安い、データが豊富などに繋がります)ので、ユーザー数が重要指標です。一方で、付加価値によってARPUを高めることもできるので、そこに企業毎の工夫が垣間見えると思われます。

●個人課金型ビジネス:売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上(ARPU)
個人課金型ビジネスというのは、ざっくりサブスクと捉えて良いと思います。NetflixやSpotifyのようなモデルですね。Spotifyのように広告型と個人課金型の融合モデルの場合、売上構成も広告売上+課金売上になります。Spotifyは広告と課金のどちらで儲けているのか、とか気になってきますね。

●携帯キャリアビジネス:売上=ユーザー数×ユーザーあたりの売上(ARPU)
携帯キャリアビジネスの場合、「3つのARPU」が存在します。音声ARPU(通話料)、データARPU(データ通信料)、そしてサービスARPUです。このサービスARPUが差別化ポイントで、ドコモでいうdTV、KDDIでいうauスマートパスなどの周辺サービスを指します。もはや純粋な音声・データでは差別化は難しい業界ということですね。

③前年実績や類似企業と比較する
最後は、決算で得たデータを何と比べて見るかという話で、前年比(YoY)で成長率を見る、類似企業と比べてどこにどんな差分があるかを見ることが基本所作になります。

こうすることで、「なぜこうなっているのだろう」という視点の入り口が見えてくるはずです。その後の解釈は人ぞれぞれで、専門家によっても見方が分かれてくるので、自分なりに「こういうことかな?」と考えたり、友人や同僚と意見交換したりすると深まっていきそうですね。

3)最後に

職業柄、決算説明資料に目を通す機会はそれなりにあるものの、漫然と眺めていることが多かったなと反省しました。

最近は決算動画もアップしている企業が多いので、動画で見るといっそう理解しやすくなると思います。ソフトバンクの決算動画なんかは、もはや孫さんのプレゼンを楽しむエンタメコンテンツですらあると思います。

noteでは触れていませんが、本書ではM&Aについても触れられており、M&Aがどのように進むのか、決算上どう見るべきなのかが説明されていて面白いです。

以上、「MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣」でした。最後までお読みいただきありがとうございましたm(_ _)m

ナカムラ

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