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読書メモ: 人間性心理学入門(フランクル)

日本の心を照らします☀
鉄舟です。

半年ほど前から、「人間性心理学入門」という本を読んでいます。

あまりにも散読し過ぎて読み進めていませんでしたが、読書メモに残していきながら読み進めていきたいと思います。

この本は、マズロー心理学に代表される、人の潜在的な可能性を引き出す心理学の入門書です。

マズロー、フランクル、ロロ・メイ、ロジャース、パールズ、エリック・バーン、ジェンドリンといった心理学者の生涯や理論の概要を学べます。

すごくコンパクトにまとめられており、各心理学者の人間性や主張した理論のイメージを持ちやすく、良書と感じております。

人間性心理学は、コーチングの背景にある心理学なので、コーチングに興味のある方は読まれるといいかもしれません。


マズローについては、以前に、同じ著者の「マズロー心理学入門」という本の読書メモを書きましたので省略致します。

フランクルという心理学者 (正確には精神科医) から、一人ずつ記事にしていこうと思います。


感想

フランクルの心理学では、ロゴセラピーという心理療法を主張しています。

フランクルは、「我々は人生から問われており、その問いに答えなければならない」という考えのもと、悩み苦しんでいる人に、今この瞬間を生きる意味を見出すことへの援助によって、人々の心を救っていました。

フランクルはユダヤ人で、ナチスの強制収容所の生活を経験しています。この心理療法がどんな困難な状況でも通用することを、収容所での体験で実感したといいます。

フランクル心理学の概要を知ったことで、僕が大切にしてきた価値観の一つと似ており、それがどんな状況でも通用すると認識させてもらったように思います。

僕が大切にしてる価値観の一つに、「人生は修行場。目の前に起こる障害は、自分が向き合わないといけない課題に向き合うために起きている。」というものがあります。

この考えを持っていれば、たとえ自分が生まれつき下手のことが多くても、なにか理不尽なことが発生しても、前向きに取り組むことが簡単になります。

この「目の前の出来事に対して意味を見出す」という態度が、どんな辛い出来事が起きても、前向きな氣持ちを失わないために大事なんだと、今回、強く認識することができました。

フランクルは、次のような例を引いて、避けることのできない苦悩にさえも意味を見いだせることを説明しています。

「同業の開業医がフランクルの診察を受けました。彼は最愛の妻を亡くして2年が経つものの、その喪失感からまだ立ち直れません。フランクルは開業医に尋ねました。
 『もしあなたが先に亡くなっていて、奥様が一人で生きていかなければならないとしたらどうでしょう?』
 『そんなことがあっては大変です。妻はどれほど苦しまなければならないことか』
 『先生、あなたは奥様がその苦しみを経験しないで済むようになさったのですね。その代わり、あなたが苦しむことになりましたが』
 この会話のあと、開業医は静かに立ち上がると、フランクルと握手して診察室を出て行ったといいます。」

中野明「人間性心理学入門」, アルテ, 2019年10月, p64

フランクル自身も、収容所内で発疹チフスにかかった際、収容前に書き上げたが失ってしまった、自身の著書の草稿を再完成させる、という意味を持って生きることで、死の危機を乗り越えることができたといいます。

今この瞬間を生きる意味を見出す、この姿勢がいかに人を強くさせるのか、大変勉強になりました。

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