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【帰国子女シリーズ2】日本人学校?現地校?インターナショナルスクール?

お子さんと海外赴任となった時に、迷う一つのポイントが、学校選びではないでしょうか。

日本人学校のある国では、①日本人学校、②現地校またはインターナショナルスクール等の選択肢があるかと思います。

私は2004年から4年間ロンドンに住んでいましたが、そのうちの1年目を日本人学校、その後3年間はインターナショナルスクールで過ごしました。

より具体的には小学校5年生の2学期から小学校6年生の1学期まで日本人学校、Grade 6の始めからGrade 8終了(Middle School卒業)までアメリカ系インターナショナルスクール(ACS Hillingdon International School)です。

私個人の経験に基づく感想ですが、特に日本人学校とインターナショナルスクールについて、そのメリット・デメリットをご説明します。

①日本人学校

こちらは日本の小学校・中学校と同等の教育を行う機関で、日本の文部科学大臣に認定されています。

イギリスの場合はロンドン日本人学校。先生方も同級生も皆優しく、非常に良い環境でした。

以下、日本人学校のメリットを、私の経験に基づいて簡単にまとめます。ただし、これは本人の性格や日本人学校によっても全然評価がことなってくるものですので、あくまでもご参考程度に。

日本人学校に行くことのメリットは?

  • 日本のカリキュラムに沿って学べること:渡航時も帰国時もそこまで学ぶ内容が変わってしまうことはありませんので、比較的楽に勉強についていけます(もちろん、学校によって進め方は若干ちがうので、少し調整が必要ですが、それは国内転校でもあまり変わりません)。これはつまり、日本の中学・高校受験を考えた場合にも、ある程度有利になるかとは思います。

  • 馴染みやすい環境:先生も同級生も皆日本人です。学校のルールも日本に沿っています。したがって、カルチャーショックを受ける可能性も低いですし、とにかく馴染みやすいです。

  • 比較的安価:これはご両親の企業による補助などにも大きく左右されますが、基本的にインターに行くよりは日本人学校の方が圧倒的に安価なはずです。

日本人学校に行くことのデメリットは?

  • 英語は(ほとんど)上達しない:私が日本人学校に通っていたころは、そもそも小学校に英語のカリキュラムがありませんでした。ロンドンの日本人学校なので、もちろん英語の授業はあったのですが、レベル別で一番低いクラスに(まあ、ほぼゼロの状態なので当たり前ですが)。そこでは、国名を覚えたり、色を覚えたり、とにかく文法ではなく英会話教室みたいな感じで、正直まったくイギリスにいるというアドバンテージは活かせませんでした。

  • 結局日本のコミュニティで完結してしまう:イギリスは特に在留邦人も多く、日本人小学校も各学年に2クラスぐらいある規模なので、日本とあまり変わりません。したがって、何か別のきっかけを作らない限り、日本で生きているときのコミュニティとあまり変わらなくなってしまいます。(中にはいろいろな国を渡り歩いている海外生活百戦錬磨みたいな人もいて面白いですが)

②インターナショナルスクール・現地校

私が3年間通ったのはACS (American Community School) International School Hillingdonというところで、もともと名前の通りアメリカンスクール、その後インターナショナルスクール(インター)になったものです。なので、先生方の7割ぐらいはアメリカ人。生徒数も、アメリカ人・イギリス人・日本人の順でした。(ちなみに、私が入学した当時日本人は私の学年に合計3名)

現地校とインターナショナルスクールはまただいぶ違う部分も多いですが、私の経験をもとにインターの特徴をまとめてみます。

インターナショナルスクールに行くことのメリットは?

  • 全く別世界を体験できる:おおげさな書き方かもしれませんが、小学生・中学生の私には本当に別世界でした。学校のルールも、勉強の方法も、友達との付き合い方も、昼ご飯の食べ方も。とにかくこれがいわゆる「欧米」の人たちが育つ環境なのか、という理解をできたのは、現在の仕事で欧米人と接するときにも役に立っています。勉強方法についても、またいろいろと書く予定ですが、めちゃくちゃ勉強しました。

  • 英語が上達する:基本的に、嫌でも上達します(笑)。最初はめちゃめちゃ辛いですが。英語の勉強についてはまた後日いろいろと書きたいと思っていますが、やはり毎日の勉強を英語でしないといけないというのは、めちゃくちゃ上達への近道です。そして、小学校高学年から中学生あたりは恐らくベストなタイミングかと。

  • 世界中に友達ができる:これは特にインターの特徴ですが、生涯の友達ができます。(私の中学時代はちょうどFacebookが広がりを見せていた時で、そこでいまでもつながっています。留学中にどこか遊びに行くときなどは、今でも連絡できる友達が結構います。

  • 自信がつく:インターに転校すると、最初はめちゃくちゃ大変です。だからこそ、そこで生き残るだけの能力が身についたと実感でき、その後の人生の自信になります。

インターナショナルスクールに行くことのデメリットは?

  • 体力的にも精神的にも最初はきつい:これは人それぞれかと思いますが、全く英語を知らない私にとって、最初の3か月はまさに人生の勝負時でした。当たり前ですが、授業がどうやって行われるのかもわからなければ(そもそもどこの教室に行けば良いのかも分からない)、宿題の内容も良く分からない・・・。この時期を乗り越えられたのは、自分の希望でインターに移ったから。

  • 日本の受験勉強には直結しない:個人的に、インターでの勉強で得たものは非常に大きかった(そして日本の受験も最終的には成功した)ので必ずしもデメリットとは言えないかもしれませんが、やはり学校外で日本のカリキュラムの勉強をする必要はあります。ちなみに、土曜日の補習校がある国も多いですが、私は補習校には通いませんでした。

  • めちゃくちゃ高価:インターは高いです・・・(スクールバスだけで年間100万円越え、年間合計数百万円はかかる覚悟が必要なようです。学校にもよりますが)

ここまで読んでいただいて、私が全くインターに転校したことを後悔していないことはご理解いただけたかと思います。とりあえずロンドン日本人学校1年間、インターナショナルスクール3年間の経験を本当に簡単にまとめてしまうと、このような感じです。

今後、それぞれの学校についてより詳細に経験を書いていきたいと思います

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