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STが考える回復期リハ病棟②

こんにちは。

日頃回復期リハ病棟で働いている私が、STが考える回復期リハ病棟についてまとめていきたいと思います。

主に日頃働いているうえで考える私見を含みお伝えしていきたいと思いますので、そこはご容赦ください。

前回は多職種連携をしていくコツについて、お伝えしました。

今回はSTがADLにどう関われるかについてです。

明日から1つでも実践できるような内容を紹介していければと思います。


ADLにどう関われるか?

STが日頃訓練として行っているのは、言語機能、高次脳機能、摂食嚥下機能、発声発語機能とこれだけ見るとADLに結びつけるのって、はじめのうちは大変なのではないかと思います。

しかし、前回の記事でもあげたように回復期リハ病棟とは

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このためSTもADLの向上にどう関わっていくか考えていく必要があると思っています。

今回STがADLに関われるヒントになるよう、私が実践している方法について紹介していきたいと思います。

STがADLに関わる

私の経験を交えてSTがどうADLに関われるかについて考えてみたいと思います。

①排泄チェック
排尿や排便の管理(特に排便)は生活していく上で重要ですよね。
例えば失語症の方で、排便があったか口頭確認が難しい場合があると思います。既存の排泄管理表なども記載が難しい場合があります。
わからずに余計な下剤を、などの可能性もあるかもしれません。
そこでSTは何ができるかというと、
「その方にあった排泄チェック表を用意してみる」です。
例えば、図形であれば理解可能な方には、正の字で記載していたものを「○✕式」にする
たかがそれだけ?と思うかもしれませんが、その方の生活を考えてみてください。
排泄の有無というのは日々の全身状態の管理という点からも切り離せないと考えます。
そのため、退院後にその方の生活を支える1つになると思います。
私の経験では、過去に身体機能は移動面など自立レベルなのに、疾患的に排便の有無が重要で、その確認ができずに見守りが必要であった方に出会いました。
そこで上記の工夫をしたことで、課題が解決し、結果として自立度が向上(ADLが向上)したケースでした。

②装具履き
片麻痺の方は装具を使用することも多いですよね。
装具履きをする能力に関してはバランス能力や前方へのリーチなどの身体機能面はもちろんですが、注意機能や遂行機能といった高次脳機能も大きく影響すると考えています。
「足を入れて、ベルトを巻き、靴を履く」といった過程の中にも、順序や注意点など、複数の事柄に注意して作業していく必要があります。
一度に複数のことができない方に対して、どこまで注意できるかを評価する時にはSTの視点も重要だと思います。
例えば、まずは「足を入れるところ」までをやってもらう。それができたら「ベルトを巻く」など課題を1つずつ行うように指導する(課題を制限する)。いわゆるスモールステップでできることを増やしていくのはどうでしょうか。
おすすめはSTも実際に状況を確認することです。やはり机上場面だけでなく、ADLに関わる場面を実際に確認していくことが重要だと思っています。もちろん注意点は担当PT,OTに確認してくださいね。

③排泄動作
排泄動作も装具履きと同様で、「トイレに入り、便座へ移乗、ズボンを下ろし、用を足し、清拭をして、ズボンをあげて、便座から移乗、トイレから出る、手を洗う」などと複数の過程がありますね。
オムツやパットを使用している方はさらに複雑になりますね。
排泄動作はもともと習慣にある動作なので、習慣化された動作として可能な方も多いと思いますが、私の経験上ではパットの交換に苦戦する方が多いです。
多くの方々が病気を発症し、入院中から使用し始めたため、新しく覚える作業であるため、つけ忘れ、前後の向きなど指導が必要になります。
その際には、どのようなタイミングで声掛けをするか、パットの置き場所をどう工夫するかなど、STとしての意見を担当者で共有することができるかと思います。
何度もお伝えするように、実際に状況を確認しないとSTとしての意見も出せないと思います。
STが関わることで排泄場面もケアでなく、評価、訓練になりうると思います。
すでに当たり前のように実施されている方も多いと思いますが、新しく介入する際にはぜひ、評価の視点をもって関わってみてください

他にも、食事動作、内服管理など、生活をする上で必要な活動(ADL)がいろいろありますよね。
机上での機能訓練だけでなく、ADLの向上に関わるためには生活でどんな能力が必要か?を考えて、目の前の対象者の方に関わっていくことが重要であると思っています。

明日からの臨床に少しでもヒントになる、役立つ情報をお伝えしていきたいと思います。
今後も気長にお待ちいただければと思います。

終わり☆

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