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0.「昔出会ったM嬢たち」について

noteを始めたきっかけ


ある時、何の気なしにネットサーフィンをしていると、ある女性タレントのことを書いているサイトの中に、山手線のとある駅にあったSMクラブの名前を見つけました。
自分がかつてよく通っていた店で、その店の名前を見て、あるM嬢のことを思い出しました。
(残念ながら、彼女はその女性タレントではありません(笑)。)

本当に顔のきれいな子でした。
最初に彼女がホテルに来た時、ドアを開けた瞬間、あまりの美しさに衝撃を受けました。
顔もきれいでしたが、スタイルも良く、胸も形が良かったです。
劇団に所属しているかたわら、「朝はお弁当のお惣菜の仕込み、昼はクリーニング店の受付、夜はココ。色々なバイトを掛け持ちしているの。」と教えてくれたのですが、多分、女優を目指しているので、自分の都合に合わせてスケジュールが組めるようにフルタイムの昼職にはつかず、食べていくために様々なバイトをしていたんだろうと思います。

先日、アイスクリームをこぼしてしまったスーツのズボンを持ってクリーニング店に行ったのですが、もし受付に彼女がいたら、場違いな美しさに圧倒されて、上手くしゃべれなかっただろうと思います。
彼女に見つめられて「しみ抜きは600円ですが、付けますか?」と言われたら、内心、「普通のドライクリーニングで十分落ちるだろ」と思っていても、つい「お願いします」と言ってしまいそうです。

彼女のことを思い出しながら、愕然がくぜんとしました。
あれほど熱心に何度も通ったのに、彼女の源氏名げんじなを思い出すことができなかったのです。
いくら思い出そうとしてもどうしても思い出せない。確かにずいぶんと年月が経っているのですが、自分の記憶力の衰えを痛烈に感じ、情けなくなりました。

多くの大切な思い出は、人に話すことで記憶を再確認し、もう一度脳に刻まれていくのだと思います。私が夜を彷徨さまよった記憶は、身近な人に語るべき話ではないので、脳の奥の、そのまた奥の方で、だんだんと色せて消えていってしまっているようでした。

昼間の人生が自分の表側の人生だとすると、夜を彷徨ったことは自分の裏側の人生です。
他人に見せるべき表側は、自分が生きていくために取りつくろった人生です。本当の自分をねじ曲げて世間と折り合いをつけて、やってきました。
むしろ、他人に隠している裏側こそが、自分が本当にやりたいことをやってきた、ありのままの自分、本当の自分の人生のようにも思えます。

そんなある意味「本当の自分」の姿が、月日が流れていくうちに、自分の中で消えようとしていることに気付いた時、「なんとかしてそれを残したい、リトグラフのようにそれを写し取って、輪郭りんかくをなぞり、色を足して、『本当の自分』の歴史を復元したい」と思うようになりました。

書き始めては見たものの、断片的なできごとの羅列られつになってしまい、まとまりがなくて、とても読み返せるようなものではありませんでした。
自分にとって大切な思い出を、返って自分がけがしているような情けなさを感じて、哀しくなりました。

もしかしたら、他人に読んで貰うことを意識して書けば、少しはまとまりのあるものが書けるようになるかもしれない。そう思って、一つ一つの思い出を、少しずつ形にしてみることにしました。

これが、noteを始めたきっかけです。

ちなみに、名前を思い出せなかったM嬢の話は、多分書くことは無いと思います。熱心に何度も通ったけど、あまり面白いエピソードは無かったので。

登場人物のモデル

登場人物のモデルが実在するかどうかは、読者の皆さんのご想像にお任せします。

自分の体験を基に書いていますが、お相手の身元がバレないような修正は必ず加えていますし、(そもそも記憶が怪しくなってきたから書き始めたものなので)事実を100%忠実に記録したものではありません。
ただ、自分にとって大切な思い出のかけらを集めたものです。

本当にそんなに良いM嬢ばかりなのか?

正直、良い思い出のM嬢の3倍くらい、1回しかお相手して頂いていないM嬢と出会ってます。

パネマジ(写真修正)があまりにも酷くてげんなりした嬢もいますし、態度や話し方、話す内容が合わなすぎて、どうにもならなかった嬢もいます。

もちろん、一度会ってみて、こちらが「また会いたいな」と思っているのに、あっという間に辞めてしまった嬢もたくさんいます。

ただ、人間関係でよく言われるように、相手は自分の鏡のようなものなので、こちらが相手に不快な思いをさせないように心がけ、見当外れな期待をしないで、思いやりや愛情を持って接すれば、向こうも楽しいひとときを返してくれることが多いです。そうやって、泡沫うたかたの夢、心を通い合わせたような気になることで、楽しみを得たり、自分の知らなかったことを教わってきました。

もちろん、だまされたこともあります。
ただ、20歳前後の若い女の子がお金のためにオヤジの相手をしているのですから、虚言きょげんろうしてでも手早くお金を得たいと思うのも仕方ない、と思っています。
騙されたのが分かった時も、不思議と腹は立ちませんでした。
自分が騙されたことが分かった後も、そのことは相手には言わず、継続して会っていました。
自分が愚かだということは自覚しているので、きっと、また騙されます。
ちょっとは警戒しているのですが、本当に愚かなので、すぐ調子に乗ってしまいます。
後で省みると恥ずかしくなる時があります。

俺を騙した女の子にまつわる話も、いずれ書きたいと思っています。

鈴奈(れいな)だけやたら長い理由

鈴奈のモデルになった女性との日々は濃密でした。自分の心を大きく揺り動かされました。
跡が残るようなスパンキング、蝋燭ろうそくなど、ハードなSMを最初にしたのは、鈴奈でしたし、(金銭の授受が伴わない)プライベートで本格的なSMを最初したのも、鈴奈でした。
また、鈴奈は、M嬢から見た客、客には分からないM嬢の真実、M嬢の心理についても、色々教えてくれました。
会った当時は、二十歳になったばかりの女の子なんですけどね。
彼女については、濃密な行為があるからこそ、心理や想いの変化、他人とわかり合うことがどれほど難しいことなのか、愛情と嫌悪、邂逅かいこうと別離の意味について深く表現できるような気がして、文章が長くなってしまいました。

なにより、鈴奈と自分の思い出、想いをなるべくたくさん記録しておきたい、という気持ちが強かったのです。

自己満足

noteを書き始めたのは前述したように、薄れゆく記憶をなんとか残しておきたい、と言う気持ちからですが、他人に読んでもらいたい、と言う気持ちもありました。
他人に読んでもらうことで、自分の周囲の誰もが知らない「本当の自分」が過した日々に、なにがしかの価値があるかのように思いたいのかも知れません。

だから、当初、“スキ”を頂いた時はとても嬉しかったです。
その後、書き続けてもあまり“スキ”を頂けなくなり、ビューも伸びなくなって、つまらなくなったのかな、需要が無いのかな、などと考えています。


ほとんどの記事に、かなり露骨な性行為の表現が含まれています。
ですから、18歳未満の方及び露骨な性行為の表現を不快と思われる方は、絶対に読まないで下さい。
18歳以上で、そういう表現がお好きな方は、是非読んでみて下さい。

それぞれの記事で、続きを読んでみたいと思われた方は、“スキ”や”コメント”を頂けると励みになるので、どうぞよろしくお願いいたします。

(「0.「昔出会ったM嬢たち」について」終わり)


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