政策と現場の乖離
最近よく思うことである。
特にスポーツ政策・体育政策・各施策において、文部科学省・スポーツ庁が示しているものが、現場では実際にどれくらい取り入れられていて、実際に効果を出しているものがいったいどの程度あるのか。
例えば、子どものスポーツ。
日本のスポーツをしている子どもたちは、世界的にみて「練習のしすぎ」ということはよく言われていることである。スポーツの高度化が進み、子どもが若年期から特定のスポーツに毎日一生懸命取り組む姿は、日本では「良し」という評価がされる傾向にある。
確かに、それがしっかり長期的な視点に立った上で、計画的に行われているものであれば「良し」と私も評価できるが、多くの場合はそうではないだろう。若年期における過度なスポーツへの取り組みは身体的・精神的にさまざまな弊害を生むことは、世界はもちろんのこと、日本でも多くのエビデンスが出ている。
これを受けてJFAはジュニア年代の「指導指針」というものを出しており、そこでは小学生年代の練習スケジュール(1週間)は「週2、3回の練習と週末の試合のみ」と定めている。
これがどれだけのチームで実践されているのだろうか。おそらく多くのチームでは基準よりも多くの時間の活動が行われているだろう。JFAはこれに対してどのような考え方を持っているのだろうか。指針を出して、満足だろうか?
教育行政も一緒である。
文部科学省が出している指導要領が、教育現場でどれだけ実践されているだろうか。
特に、平成29年度告示の中学校体育の学習指導要領では「体育理論」の実施が強調されており、運動・スポーツを行うのみならず、多様な関わり方やその本質を知識として生徒はまなぶべきであるということが書かれているが、実際に研究レベルの話や現場の声をきいてみると、体育理論は行なわれていなかったり、本来意図するような行われ方をしていないのが、リアルらしい。
まあ、どの分野でも同じようなことは起こっているのだろうが、ここまでそれが適切に実施されていないことを目の当たりにすると、「政策」とはなんだろう?と思う。単なる国のパフォーマンスか?それも一理あるだろう。
少なくとも自分がこれから関わり続けていくだろう、スポーツ・教育の分野においては、このようなことを少しでも減らしていきたいと思うし、それを実現するためにはなにが必要なのか、これから考えていくべきだと思う。
はたまた、これを研究テーマにしちゃうか?ありかもしれない。
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