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垂直性障害に対する治療の考え方

重度の運動麻痺があれば、ほとんどの症例が立位において麻痺側への傾き+和えられる転倒する。

長下肢装具を使用し左右対称性が改善されれば、麻痺側下肢の支持性低下が傾斜の原因と考えられる。

長下肢装具を使用しても麻痺側への傾斜が残存する場合は、CLあるいはプッシャー現象である可能性がある。


①体性感覚情報の利用

プッシャー現象の重症例では、非麻痺側方向への転倒恐怖感を訴える。

そのため、初期の介入では非麻痺側の接触面積を増やした座位練習や壁際での立位保持練習のように非麻痺側の体性感覚情報を用いた介入を行い、恐怖感を取り除くような介入が必要と考えられる。



②視覚情報の利用

プッシャー現象例ではSVVは保たれている。

垂直指標の提示や鏡を用いた視覚的フィードバックを利用し、身体の傾きを自覚させる。

ただ、USNの有無や重症度を考慮する必要がある。


③能動的な座位練習課題

側方リーチなどの能動的な重心移動練習を行うと、非麻痺側への重心移動がしやすくなることも報告されている。

参考文献 脳卒中後の垂直性障害と理学療法 深田和浩 他 理学療法ー臨床・研究・教育 2021

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