睡眠と理学療法
ヒトの脳の機能状態は覚醒、急速眼球運動睡眠(REM睡眠)、non-REM睡眠の3つ。
REM睡眠は(眼球と呼吸筋を除いて)骨格筋は緊張が消失し、動かないにもかかわらず、眼球はあちこちに急速に動き、鮮明な夢がつくり出され、交感神経系の活動が優位となる。
深部体温は低下し、心拍と呼吸数は増加する。睡眠の25%程度。
non-REM睡眠は夢は作られず、副交感神経の活動性が高まり、心拍、呼吸、腎機能が低下し、消化機能は亢進する。睡眠の75%程度。
両者は90分ごとに数周期で繰り返される。
①睡眠の評価
主観的評価で使用されるのは、日本語版ピッツバーグ睡眠質問票。
②睡眠と姿勢、肢位
ある研究で腰痛がある人ほど寝返り回数が少ないとの結果が得られた。
腰痛患者の理学療法は寝返りしやすい身体作りがカギと言える。
③睡眠とフレイル
睡眠時間の長さ(9時間以上)と短さ(6時間以下)がフレイルと関連。
上記の高齢者は歩行速度の低下や移動能力の低下が認められる可能性が高い。
④睡眠と転倒予防
ベンゾジアゼピン系睡眠薬内服患者の転倒率が非ベンゾジアゼピン系睡眠薬内服患者に比較して有意に高いという報告がされている。
参考文献 睡眠 金谷さとみ PTジャーナル第53巻 2019
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