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「アンパンマン!新しい到着時刻よ!」【ドイツ鉄道の遅延対処・払い戻し方法】

ドイツ鉄道(DB)の払い戻しの方法を見たい人は「払い戻しの請求」を見てもらえればと思う。目次の「すべて表示」をクリックし、「払い戻しの請求」をクリック。 ※すべて2024年1月段階の情報である。

ドイツ鉄道の洗礼

アーニャ「大屋根の頭端駅、わくわく!」

2023年12月23日の昼、久しぶりの西欧に胸をときめかせる我々はフランクフルト中央駅(Frankfurt (Main) Hauptbahnhof)にいた。広々とした大屋根の頭端駅は「旅」という単語が似合う。

フランクフルト中央駅(Frankfurt (Main) Hauptbahnhof)

予定の列車は
ICE722 Frankfurt (Main) Hbf 1309 → Düsseldorf Hbf 1436
(エッセン行 フランクフルト13:09発 デュッセルドルフ14:36着)
ICE124 Düsseldorf Hbf 1512 → Amsterdam Centraal 1729
(アムステルダム行 デュッセルドルフ15:12発 アムステルダム17:29着)

ちなみに駅の中のデジタルサイネージでは、股間にモザイクをかけられたor股間を黒い丸で隠されたダビデ像が恥ずかしそうにしながら手で股間を隠していた。像ではあんなに堂々とイチモツをひけらかすダビデもモザイクをかけられると逆に隠さないといけないと感じるのかもしれない。日本のAVでモザイクがあると逆にエロいと感じる仕組みと同じかもしれない。
「ダデビ、1人でいちゃいちゃ」

股間を隠すダビデ

そろそろ列車が来るかと待っていると、12:59に1通のメールがドイツ鉄道から届く。「君の乗る列車の出発するプラットフォームが変わったよ」

12:59のメール

直前にプラットフォームが決まることなどヨーロッパでは当たり前であるので、むしろドイツ鉄道、親切じゃないか、意外と案内しっかりしてるな、とすら思っていた。この時は。

13:11、2分の遅れで列車は駅を出た。クリスマス休暇の土曜日で列車は満席。通路まで人が溢れ、号車を移動することは難しい。食堂車に行って昼ごはんを食べようと考えていたが、たどり着くことができない。毎年、年末年始の東海道新幹線の混雑を家で大変だなあと見ていた日本人とは思えない無思考力。所詮他人事であった。長期休暇は交通機関が混む。

長期休暇は交通機関が混む。大事なことなので復唱しよう。

通路まで満員

ただ、幸い座席を予約していたので、座ることができることに感謝しながら自分の席に戻る。アーメン。お腹空いた。

ただ、心配は残る。ドイツの中部などを中心に嵐の被害が出ているようで、前日から「どこどこ周辺は列車が運休、その他も影響を受けそう」とのメールが来ていたから。

アンパンマン!新しい到着時刻よ!

来た。案の定メールが。「君の乗ってる列車の新しい到着時刻は15:06だ

13:46のメール

来た、はい来ました!遅延確定メール!30分遅れですか。なーにが「新しい到着時刻」じゃ。そんで「乗り換え時間は6分だよ」じゃあないのよ!新しい到着時刻を投げてきたジャムおじさんとバタコさん(ドイツ鉄道の運輸指令)に心の中で悪態をついた。

・・・間に合わんのでは?

そんな不安はよそに列車はのんびりと進んだ。経由駅も柔軟に変え、(褒めてない)

車内の案内表示① ケルンでの経由駅が変更 

到着時刻も柔軟に変え(褒めてない)。

車内の案内表示② デュッセルドルフ以降の到着時間が30分遅れに

ちなみにケルン(Köln)からは高速鉄道用の線路が混んでいるのかわからないが、在来線の線路に入り、30~40km/h程度で進み、車にじゃかじゃか抜かされた。高速鉄道・・・

その経由路線の変更に伴って、ケルンでは停車する駅を変更している。Köln Messe駅とKöln Hbfは隣駅とはいえ、Köln Messe駅に来てしまった乗客は間に合っているのだろうか?

「乗り換えはできない」

ケルンを出て少ししたら来た、メールが。「Change is not possible」と。乗り換えはできない、じゃないのよ。

14:43のメール(1/2)
14:43のメール(2/2)

アンパンマン!新しい到着時刻よ! ver.2

「40分遅れて15:16に到着することになった。乗り換えは不可能。」
乗り継ぎ先の列車は15:12発。乗り継ぎができないことが確定した。

15:09のメール(1/2)以下に続きあり
15:09のメール(2/2)

なお、Essen行の列車であったが、デュッセルドルフ到着の少し前に、デュッセルドルフで列車が打ち切りになることが放送され、全員が降りた。慣れているのか、期待していないのかドイツ人たちの顔に困惑の感情は見られない。この状態でよくまあ環境に配慮して鉄道を使おう、と言えたものだ。環境うんぬんなどの話をしている場合ではないのでは?

その後ものんびりと走り続け、デュッセルドルフに40分遅れで到着。乗り換えたかった列車の姿はもうない。

デュッセルドルフ中央駅
クリスマス休暇に列車の遅延などが重なり、ホームには人が危険なレベルで溢れていた。

アンパンマン!新しい到着時刻よ! ver.3

「乗り換えはできない」と言ってきた、元々乗る予定だったデュッセルドルフ15:12発の列車が7分遅延する見込みであることが15:33にメールでお知らせされた。要らない。その列車には乗れてないのだから。

さぁ、さぁ、さぁ、さぁ、飲み狂いましょう!

列車がないならビールを飲めばいいじゃない。

デュッセルドルフのエキナカにて

ドイツ鉄道が遅延して乗り継ぎ不可能だった時のライフハック

ドイツ鉄道で列車が遅れると、元々列車限定で有効の切符であっても、運賃部分は他で用いることが可能となる。そこで、乗り継ぎが出来なかったときは「座席だけ」を予約すればよいDBの予約画面「Book seat only」にチェックをいれて検索すると、座席だけを予約できる。払い戻しの金額などが減り、一時的な出費を抑えられるし、最悪払い戻しされなくてもいいか、という気持ちにもなれる。

座席だけ確保できたのでデュッセルドルフに繰り出そう。とれた列車は4時間後だ。幸いデュッセルドルフ駅構内にはコインロッカーがあり、かなり大きめのスーツケースも預けられる。ホームの下の階のコンコース階でコインロッカーのアイコンを探せばすぐに見つかるはずだ。

デュッセルドルフは日本!(過言)

デュッセルドルフには多くの日本企業が進出しており、特に駅から旧市街地方向に伸びる道の1本である、Immermannstraßeには、多くの日本人向けの商店や飲食店が軒を連ねており、「日本人通り」「リトルトーキョー」の別名がつくほどである。

日本語が前面に出てくる書店。ただ、日本人向けとは言っても海外にあるので、当然現地の人も来るようでアニメ・マンガの類がかなりを占めている。アニメ・マンガは日本経済を引っ張っている。(過言)

日本の昭和から時間も空間もスリップしてきたような旅行会社もある。もはや日本でも見かけないであろうノスタルジーを感じる世界がドイツにはある。

ここだけ2023年のドイツではなく、昭和の日本であった。

カフェに入れば「お手洗」の文字。店員も売ってるものも日本的ではないのに・・・。ここはドイツ、ここはドイツと言い聞かせないと勘違いする。

旧市街に抜けるとドイツであった。恐ろしく混雑したクリスマスマーケット。ビール、ホットワイン、ホットチョコレートなどなどそそられるものが沢山ある。ただ、180cmを越えるドイツ人がこの密度でいると少し怖い。身長が低めの人が満員電車に乗る時の気持ちが少しわかった気がする。

フランクフルトのクリスマスマーケットは12/21(木)に終わるというサボり具合で、22日についた我々はお預けを食らっていたので、これは怪我の功名。ただしドイツ鉄道 テメーはダメだ。

新しい出発時刻よ!

やはり来た。特に感情もない。太陽が毎日東から昇るように、ドイツ鉄道は毎日遅れるのだ。

18:51のメール

結局さらに遅れは増大し、デュッセルドルフを出る時点で32分遅れ。アムステルダムに着くのは本来は21:59であったが、実際には23:05頃。千反田える「もう、深夜です。」

23時過ぎのアムステルダム中央駅

遅延の連絡を行うシステムをしっかり作りこむ前に、遅れない体制を作って欲しいところである。
ちなみにドイツ鉄道の昨今の状況は以下の記事が参考になる。改善される日が来ることを願うばかり・・・。

払い戻しの請求

注意

ここからは払い戻しの請求方法。なお、IBANコードを入力できないと最後の最後で払い戻しを請求することができず、ドイツ鉄道の予約サイトで使えるバウチャーとして払い戻しを受けることとなってしまう。日本はIBANを採用しておらず、日本の銀行にしか口座がない場合、現在は通常の方法では払い戻しを受けられないよう。どうしても口座への払い戻しを求めたい場合は、銀行以外の海外送金などを行うためのサービスへの登録を行うか、ドイツ鉄道にメールなどで必要情報とともに、日本の銀行はIBANがなくても海外送金を行うことができることを伝達するか、など工夫が必要のようだ。

参照:メガバンク3行HP

払い戻し手順

ドイツ鉄道HPにて予約していた場合、ログインし、画面上部中央の「My trip」を選択。

「Previous trips」を選択

自らのアカウントで予約した列車の一覧が表示されるので、遅延し払い戻しを受けたい予約を選択。

ページを下に進むと以下のような記載が出てくる。「Submit compensation request」(補償のリクエストの提出)をクリック。

60分以上遅れたり、運休になったりした場合、払い戻しを受けられる旨が表示される。ただし、60分以下の遅れでも、そのせいでなんらかの費用が生じたり、切符を使うことができなかった場合は払い戻しの可能性があるようなので、そのまま進もう。

「Submit request now」を押すと以下のような表記に。

上:目的地に遅れて到着 予定していたよりも遅れ、別の列車や別の交通機関で到着した場合はこちらを選択
中:旅行を取りやめた 列車の遅延や運休の情報を知って旅行を取りやめた場合はこちら
下:途中で旅行をやめて出発地に戻った  列車の遅延、乗り継ぎ不可、運休などで、途中で旅行をやめて出発地に戻った場合はこちら

今回は目的地に遅れて到着したので一番上を選択。続いて、どのくらい遅れたかを選ぶ。

「At least 60 minutes」(少なくとも60分以上)を選択。(乗り継ぎ先として我々が選んだ列車次第な気もするが、結局5時間以上遅れてアムステルダムに到着したのでいいだろう)

ちなみに「Under 60 minutes」(60分以下)を選択すると、払い戻しは受けられない旨が表示される。ただ、遅れたせいでのせいでなんらかの費用が生じたり、切符を使うことができなかった場合は払い戻しの可能性があるよう。下部の「Due to the delay, I incurred additional expenses | I could not use my reservation」にチェックを入れると「Submit request」のボタンが現れる。

60分以上の遅れの方で、「OK, continue」を押すと予定していた列車は何かを記載する画面となる。予約を選択してから払い戻しを請求しているので最初から自動で記載されている。もし間違っていたら修正するのみ。

「OK, continue」を押すと実際に最終目的地についた日時の入力画面に。23:05頃に到着したのでその時刻に変更。

切符を旅行全体で用いたかどうか。途中で鉄道に乗るのをやめて、バス・タクシーなどなど別の交通機関を用いたら「No」を、鉄道で移動した場合は「Yes」を選択で良いと思われる。

鉄道で移動したので「No」を選択すると、鉄道を用いていても余分に発生した費用があるかどうかを尋ねてくる。もし、別の列車の座席を予約したり、ホテルに泊まらざるを得なくなったりしていたら「Yes」を選択。

領収書の提出方法を選択。日本からであればオンラインの方が楽であろうから基本は「I want to upload my receipts digitally」(オンラインで領収書を提出したい)を選択。

以下のように領収書を提出できる。なお、DBの領収書のつくり方は以下にて。
①「Select receipt」を押し、領収書のpdfなどのファイルを選択。
②Document categoryは、「Other modes of transport」(他の交通機関)、「Accommodation」(宿泊)、「Other expenses」(その他の費用)の中から選択。
③金額をユーロで入力。ここでは小数点が「.(ピリオド)」ではなく「,(カンマ)」になることに注意。

2枚以上の領収書を提出する時は、1枚ごとに「Submit receipt」を押し、そのうえで再度「Select receipt」を押していくと領収書を追加できる。

続いて個人情報入力画面。

払い戻しの方法を選択。「Voucher」(3年有効のドイツ鉄道のバウチャー)か「Bank transfer」(銀行振込・送金)。銀行振り込みだと、国際早期の手数料がかかりそうだが、ドイツ鉄道のバウチャーをもらっても使うかわからないので、銀行振り込みにしたい。

すると、口座名義人名に加えてIBAN、BICが求められるが、日本の銀行の場合はIBANは不要で、BICのみ必要なので利用している銀行のBICを調べて入力。
参照:三井住友銀行HP

https://qa.smbc.co.jp/faq/show/2413?site_domain=default

・・・・・・・

IBANがないとダメだと・・・日本の銀行口座で受け取れないじゃん・・・

少なくともこのフォームからはIBANがないと受け取れないよう。郵便で送付したり、メールで文句を言い続ければもしかしたら対応してくれるかもしれないが、この列車運行がこの体たらくでは中々期待することはできないだろう。徒労に終わりそうな気もする。

諦めてVoucherで受け取り、いつか使おう・・・幸いドイツ鉄道のサイトからは、ドイツ以外の国の鉄道の予約もできるし、そこで使えればいいだろう・・・

諦めの図

日本よ!IBANを利用する国になってくれ・・・!!!

ドイツ鉄道の領収書の作り方

「Previous trips」の中から当該の予約を選択するところまでは上記と一緒。その列車予約のページの最下部に「Do you need an invoice?」と表示される。そこで「Create invoice」をクリック

領収書に記載する情報の入力画面が現れるので、名前、住所、郵便番号、国を入力し、「Download invoice as PDF」をクリックすると、pdfファイルとして領収書をダウンロードすることができる。


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