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勉強に対するモチベーション

 私は現在、大学生活を送る中で予備校で教師としてアルバイトをしているが、その中で気づいたことを元に勉強に対するモチベーションについて書こうと思う。 

 まず最初はモチベーションは個人差が激しいということだ。勉強するにしても毎日コツコツ努力できるひととそうでない人がいる。そして前者の方が勉強に対しての考え方が肯定的である場合が多い。後者はできるだけ勉強はしたくない、避けたい、勉強は嫌いだという人が多い。この差はいったい何が原因で生まれるのだろうか?そこで私は自分なりにこの差が生じる原因の仮説を立ててみた。

 ①文化資本の影響

 まず最初に考えたのが文化資本が勉強に与える影響というものだ。この文化資本というのは社会学でもよく用いられる用語だが、簡単にいうと家庭環境に起因するものである。たとえば、親の考え方や、教育の仕方、親の学歴、経済力、家族構成というものだ。こららの要因はつまり個人の努力では変えることが難しい環境要因と言い換えられる。親の教育が子供に対して与える影響は大きい。なので無意識の内に大人が子供に与える影響というものが子供の勉強に対するモチベーションの高低を左右しているという可能性もあるのではないかと考えた。

 ②努力できるのかどうかも遺伝子なのではないか?

 次に思いついたのが遺伝である。なぜ努力が遺伝によって決まるのか?そう考えた原因はとある本を読んだのをきっかけに努力遺伝子というものがあるという事実を知ったことである。努力できる人というのは苦しいことがあってもそれを乗り越える才能があるし、暗記などの単純な作業にも向いている。それは遺伝によって決まっているのではないか?そう考えた。

以上の2つをまずは書いてみたがどちらにも共通して言えるのは生徒が努力して変えられる要因ではないということだ。生徒が頑張ったところで家庭環境の及ぼす影響は変えられないし、ましてや遺伝子を変えるなどもってのほかである。では結局努力できるかどうか、モチベーションを高く維持できるのかどうかも生まれたときの要因で決まっているのではないか?そう考えた。しかし、あともう一つ暗い現実に希望を与えるような要因を思いついた。それは次の要因である。

③優越願望

 最後に思いついたのが優越願望である。優越願望は簡単に言うと人よりも優れていたいという万人共通の願望である。私はこの優越願望は人間であるならば皆少なからず持っているのではないかと考えている。現にこの社会というのは資本主義体制で成り立っている。資本主義社会では、賢い人、学歴のある人のほうが偉いというルールがある。その資本主義社会の中ではこの優越願望は優位に働くことがあると考えている。なぜなら、優越願望を活かして勉強すれば勉強に対するモチベーションを高く維持することができ、さらに勉強を頑張ると資本主義社会の中で恩恵を受けることができるからである。この優越願望を遺伝や環境による影響が原因でかき消さないようにすること。それが大事である。

 勉強に対するモチベーションに与える要因を私の考えなりに3つほど挙げたがあくまで仮説である。このことは私が大学受験を終えて現に講師として勉強をサポートする立場になって初めて思いついたことである。自分が受験生の時にはこのようなことは考えつかなかったし、モチベーションが低い時期もあったがなぜそうなっているのか考える余裕もなかった。大学受験を終えて思ったことだが、勉強というのは本当に自分との戦いである。先ほどの要因としてあげた家庭環境や遺伝。これらは個人の努力ではいかんともしがたい要因である。しかし、そのような要因にも抗うことができるというのもまた、人間の強さであるのではないかと思う。勉強に限らず、自分の努力ではいかんともしがたい事実というものが数多く存在する。しかし、そのようなことにもくじけずに前を向いて努力し続けることができるかどうか。そこで人間としてのあり方が問われており、そうできる人間というのが自分に打ち勝つことのできる強い人間なのだと考えている。


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