見出し画像

シニアの雇用はマッチングが重要

昨日の「羽鳥慎一モーニングショー」で「シニアの雇用」について議論していました。
現状は人手不足(特に飲食業関連)であり、かつ働きたいシニアも多いにも関わらず、面接段階で不採用になることが多い、という問題がまず、提示されました。

このnoteの中でも、
「面接を重ねたがなかなか……」
という記事を拝見することがあります。

モーニングショーでは、企業側に、
「『シニアを採用する、というイメージがない』のが問題」
という《そもそも論》から始め、あること(シニアの方が丁寧に仕事をすることを経営側が見出した)をきっかけに積極採用に切り替えた企業の例などを紹介していました。

上記のような「食わず嫌い」的な事象もあるでしょうが、シニアはそれまでの《経験の重み》が若者とは比べ物にならないため、それがプラスに作用する場合とそうでない場合の差が極めて大きい、従って、マッチングがうまくいかない場合のリスクを企業側が怖れるのではないか、と思いました。

体力への不安などより、《経験》がプラスになるかマイナスになるかが大きい。これは、当人の問題だけではなく、やはり職場とのマッチングでしょう。

私も今はシニアですが、現役時代に感じたのは、中途半端な経験者やプライドの高い管理職経験者の採用はリスクが大きい、ということでした。

仕事の途中で、必ず、
「これはどうしたらいいのかな?」
《判断》が必要な状況が訪れます。
そこで他の人(多くはその人よりも若い上司であり、すぐ近くにいないことも)に指示を仰ぐか、自分で判断するか、ということになります。

当時の同僚は、
「オバサンは自信が無い時は、どうしたらいいか、尋ねてくれる。でも、オジサンはそうしない ── 自分で判断しようとする ── その結果、困ったことになることもある。だからオジサンは採りたくない」
と言っていました。
経験から学習した「知恵」なのでしょう。

もちろん、かなり前の話です、男性か女性かが問題ではなく、《他人に教えを請いたくない、というプライド》が本質です。

一方で、
「たいして結果に違いはないのだから、いちいち尋ねてこられるより自分で判断して進めて欲しい」
という職場もあるでしょう。
飲食店の接客現場に採用された接客経験シニアなどは、むしろ、どんどん自分のペースで働いていただいた方がいいのかもしれません。

自己判断する人、しない人(経験・性格)
自己判断して欲しい人、困る人(能力)
自己判断していい職場、して欲しくない職場(効率と影響)

── この組み合わせを考慮した上で合理的に採否が決定されたとしても、
「いや、シニアを採用する予定ではなく……」
と言い訳しているだけかもしれません。

即ち、自分の性格を把握し、職場の性質を考慮した上で、その職場に手を挙げるかを決める ── それが重要なのでしょう。

定年後の《再雇用》に関しても、「ジョブ型雇用」が謳われる前は《一律・定額制で》大きく報酬を下げる企業が多かった。
しかし、シニアこそその能力と職場とのマッチングで大きく貢献する人もいれば、いない方がいい人もいる(実際、ある企業では、再雇用者の一部は「報酬付き自宅待機」になっていたとか)。
この結果、有能なシニアのやる気を削ぐ結果になっていたケースもあったことでしょう。

シニア再雇用こそ「報酬変動制・出来高払い」にするのが合理的ではないかなあ、と思ったものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?