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『エルマーのぼうけん/My Father's Dragon』作者の訃報

1月に書いたエッセイの中で、孤島・離島・遠島に心魅かれるのは、子供の頃に読んだいくつかの無人島譚から《刷り込み》された結果ではないか、と書きました:

その中でも最も幼い頃に読んだのが、ルース・スタイルス・ガネットの『エルマーのぼうけん』です。

さらにそれから半世紀ほどが経った頃、英語ヒアリング能力に衰えを感じた私は、かつて日本語で読んだ名作の朗読版をいくつかスマホに取り込み、散歩中に聴くことにしました。

LibriVoxからダウンロードしたのが、
The Story of Doctor Dolittle
Alice's Adventures in Wonderland
と共に、この
・My Father's Dragon
でした。

この時初めて、『エルマーのぼうけん』の原題が『My Father's Dragon』であることを知りました。

先週、作者であるルース・スタイルス・ガネットさんの訃報にふれました(100歳だったそうです):

幼い頃に読んだ物語の作者がまだ生きておられたことに驚きましたが、この人について調べてみると、知らなかったことがいくつかありました。

彼女は大学で化学を専攻し、Boston General 病院や Massachusetts 放射線研究所で働いた後、23-24で美術史の教授と結婚し、その直後に『エルマーのぼうけん』など3部作を出版します。
化学者であり研究所で働いていた、と知り、亡くなった後ではありますが、より親近感がわきました。
この人には7人娘がいたそうなので、私生活もさぞかし忙しかったことでしょう。

もちろん、彼女が産み育てた7人の娘さんには直接の影響を与えているのでしょうが、私のように子供時代にその作品を読んだ世界中の子供たちにも大きな影響を与えているわけで、それは《創作》という活動の素晴らしいところだなあ、と改めて思うのです。

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