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フレッシュな脳みそ

知識を基盤とする知識経済に移行してからは、
ぼくらは時間だけではなく、
技術、知識、社会的知性、ネットワーク、
そして生産性を組み合わせて報酬を得ている。
いまでは“時は金なり”だけでは通用しない。
”生産性こそが金なり”なのだ。
では、知識経済における時間管理とはどんなものだろうか。
このPARTをじっくりと読めば、うなずいてもらえるだろう。
あなたが生産的になりたいなら、
時間管理より活力と集中力のコントロールを第一に考えるべきだ。

               ―――クリス・ベイリー
(『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』より)


▼▼▼東京の雪▼▼▼


今朝は雪がパラついている。
東京はだいたい、年に一度ぐらい雪が積もる。
前に住んでいた豊橋は海に近く、
本州でもかなり温暖な気候だったので、
雪が積もるってことは2年に1回とかそんな感じだったかな。

愛知と東京はやはり微妙に違う。
東京のほうが寒さが厳しい。
ついでに暑さも厳しい。
(名古屋は除く。
 名古屋はヒートアイランド現象で、
 東京と同じぐらい暑い)

豊橋の前に住んでいた帯広では、
11月後半から3月後半(長ければ4月上旬)まで、
だいたい5ヶ月、
基本景色は真っ白で雪に覆われる。
これはこれで嫌いじゃなかった。
「雪、飽きた」っていう道産子(北海道生まれの人)も、
周囲には時々いたが、
僕はわりと雪は嫌いじゃなかった。
まぁ、帯広は札幌・旭川に比べると、
雪かきが相当楽だってのはあるんだけど。
札幌・旭川住みだと、
「雪、飽きた」っていうより、
「雪かき、飽きた」ってなる気持ちは分かる。
ママさんダンプ、楽しいのは最初の20分だけで、
後は相当疲れるからね。
朝家を出る前に、
車を掘り起こすのに1時間、みたいな日もあるし。

雪景色の良いところは、
外が曇ってても「どんより」しないところ。
実際住んでみると北国の冬は、それ以外の人が抱いている、
重苦しくジメジメして暗い、というイメージを払拭される。
カラっとしていて基本、明るいのだ。
雪が鏡の役割をして薄曇りの空の弱い光でも反射するから、
外の景色がつねに明るい。
光源が上と下に二つある感じ。
その代わり快晴の日はマジでまぶしい。
サングラスしないと運転危ないぐらい、
雪の照り返しにやられる。

さて、東京の雪である。

今年はまだ積もってない。
今朝の雪も、積もるような雰囲気は今のところない。
パラパラ程度。
途中で雨に変わるかもしれない。
でも分からない。
気温がこのまま上がらなければ、
しこたま積もるかもしれない。


▼▼▼脳という器官▼▼▼


そんなことを書こうと思っていたのではない。
脳みそについて書こうとしていたのだ。

僕の仕事は「脳みそのコンディショニング」が命だ。
タイムカードで働いているとあまり気づかないのだけど、
アウトプット以外何も意味をなさないフリーランスになると、
「脳の状態」はつねに揺らぎ続けていることに、
否が応でも気づくし、意識的になる。

いかに長時間働くか、は意味をなさない。
時間にお金が払われているわけではないから。
そうではなく、いかに「良い脳の状態」を、
安定して維持できるかが重要になる。

とはいえ「脳」もまた体の一器官なわけで、
血液、リンパ液、脳脊髄液、
神経細胞、ミエリン、脳間質、
等々、様々な有機物からなる複雑系なので、
自分で随意的にコントロールできるわけではない。

随意的に排便できないのと同じだ。
便秘の人はよく知っているだろう。
僕らは随意的にしゃっくりを引き起こしたり、
随意的に顔を赤くしたり、
随意的に心拍数を上げたりもできない。
これらは迷走神経支配だから、
意志の力でどうにもならない。

ヨガの達人はそれを随意的にするみたいだが、
あれは多分、体内で「擬似的な環境の変化」を引き起こせるのだろう。
通常、筋肉を動かしまくって「酸素足りないよー」ってなると初めて、
心拍数が上がるのだが、
ヨガの達人は「酸素足りないよー」っていう信号を、
意識によって(または意識を「超越」することによって)、
送ることができるのだ。

すごいよね。

何の話し?

いや、けっこう関係あるのだ。

脳のコンディショニングの話って、
ちょっとそういう話しだから。


▼▼▼脳の個性▼▼▼

体に個性があることはみんな知っている。
背が高い人もいれば、
背が低い人もいる。
太っている人もいれば、
痩せている人もいる。

アンガールズの田中さんと、
カラテカの矢部さんと、
出川哲朗さんと、
松村邦洋さんを並べてみると、
「なるほど人間の身体には個性がある」
と分かるでしょう。

体の個性は一目瞭然だ。

北川景子と、
アインシュタインの稲田くんを並べても良い。
アインシュタインの稲田君は、
街角の外国人に日本の芸人の顔を見せて
英語であだ名をつけてもらうというロケで、
「Is this face?」と言われたほどの強者だ。
「Yes, this is face, though.」
とでも答えたのだろうか。

話がそれた。

体には個性がある。
誰にでも分かる。

でも、脳にもそれと同じぐらい個性がある、
ということはあまり意識されない。
あらぬ誤解を生む前に言っておくと、
「IQ」みたいな話しをしたいのではない。
IQって、脳の個性を一つのモノサシに還元しているわけだから、
体の個性をたとえば「身長」だけで測ってるようなものだ。
モノサシは無数にある。
肌の色、眼の大きさ、手足の長さ、
毛の濃さ、筋肉の量、声の高さ、などなど。

それらをすべて捨象し、
「身長」だけで測りましょう。
脳を知能指数に還元するのはこれと同じこと。
事ほどさように、知能指数はむしろ
脳の個性について理解していない人が振り回す尺度なのだ。

じゃあ脳の個性って何?

これはとても難しい質問なのだけど、
我々が「性格」と呼び習わしているものの多くが、
この脳の個性に起因する。
繊細な性格のHSPも脳の個性だし、
ひとつのことに集中できない多動も脳の個性だ。
おっとりとした性質も脳の個性が理由のひとつだし、
情熱的な性質も脳が関連している。
ちなみに新生児の光や音に対する感度の高さを測定すると、
将来どんな性格になるか、
かなり正確な予測変数が得られるという。

また脳損傷の有名な報告事例で、、
不慮の事故で脳の一部が失われた男性(フィアネス・ゲージ)が、
穏やかで誠実だった性格が変わり、
妻に暴力をふるったり、
公共の場で淫猥な言葉を叫んだりするようになった、
という例があったりする。
(『脳が殺す』ジョナサン・H・ピンカス参照)

脳の個性が表れるのは性格だけではない。
その人が描く絵、
その人が好きな映画、
その人が好む笑いの種類、
こういったものも脳の個性だ。

僕がこれから話そうとしているのは、
多分もっと分かりづらい話だ。
言語化できるか自信がないほどそれは微妙なニュアンスなのだけど、
それは「コンディショニング」に関わることだ。


▼▼▼集中の波を手懐ける▼▼▼


人には「集中力の波」があると僕は思う。
集中しようと思ったらいつでも好きなだけ集中できる人は少ない。
そんな人は苦労せずに東大に入れるだろうし、
いとも簡単に司法試験をパスするだろう。
それができないからみんな困っているのだ。

人は「集中の波」をそれぞれ持っている、
と僕はイメージしている。
その波が高い人もいれば低い人もいる。
波がほとんど立たない人もいれば、
波が頻繁に立つ人もいる。
波が安定せず、方向が気まぐれな人もいれば、
わりと一定方向に安定して予測可能な人もいる。

僕たちがこの知識社会で生き抜くためには、
この「波」とうまく付き合っていくことが、
いわゆる思考力とか記憶力などの認知能力よりも、
大切なのではないかと最近僕は疑うようになったのだ。

ただし、先ほど言ったように、
脳は身体のひとつの器官(organ)なので、
思うようにコントロールできるわけではない。
つまり脳は自分の中にある「自然」なのだ。
サーファーにとっての波、
ロデオ競技者にとっての牡牛なのだ。

自分ではコントロールできない、
「自らのなかにある他者」と、
いかにうまく付き合うか、
いかにうまく手懐けるか、
いかにそのポテンシャルを最大化できるかが、
僕がここでいう「認知能力を超えた能力」だ。
「メタ能力」と言ってもいい。


▼▼▼鍛えるべき非認知能力▼▼▼


僕はこの能力を、
この10年ぐらいでかなり開発してきた。
その前、つまり35歳以前の僕は、
この能力について考えたことすらなかった。
意識したことがなかったのだ。

人間が何かについて上達するとき、
4段階を経ると言われる。

1.無意識で下手
2.意識して下手
3.意識して上手
4.無意識で上手

僕は「1」の段階にいた。
今は10年ぐらいかけて、
3か4の段階に到達したと自分では思っている。
つまり僕の脳という波の性質を理解しつつある。
僕の脳という牡牛の個性を把握しつつある。
そして「波待ち」がずいぶん巧くなった。
どうパドリングし、どこでドルフィンスルーし、
どこでテイクオフすれば最高の波に乗れるのかが、
なんとなく分かってきたわけだ。

さて。

良いところで申し訳ないけど、
文字数が尽きたので、
今日はこのへんにする。
明日、この続きを書きます。


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参考文献および資料
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・『世界一の生産性バカが1年間、命がけで試してわかった25のこと』クリス・ベイリー
・『脳が殺す 連続殺人犯:前頭葉の”秘密”』ジョナサン・H・ピンカス



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