今の「テレビ」や「ラジオ」には絶望的なほど予算が無い…

『上沼恵美子のおしゃべりクッキング』
『ガッテン!(ためしてガッテン)』
『新婚さんいらっしゃい!』

 といった長寿番組の終了・リニューアルから…

『バイキングMORE』
『痛快TV スカッとジャパン』
『今夜くらべてみました』
『人生が変わる1分間の深イイ話』

 などの、ちょっと長く続いていた番組まで…。
 この春の改編期は特に【名物番組】の終了が目立った。


 で、続けてこんなニュースも…。

 松本さんが隔週出演!?
 普通だったらありえない事態だと思うんだけどね…。
 爆笑問題が片方ずつしか出演しない『サンデー・ジャポン』みたいなのだし。

 確かに…理屈だけで言えば『(ダウンタウン)松本人志のワイドナショー』と銘打っていないから、別に毎回出演しなくてもいいんだけどさ…。

 なんだろ…「幕の内弁当」と謳って、ハンバーグやとんかつが入っている時もあれば、中身が”唐揚げ”と”ご飯”のみ…それって「唐揚げ弁当」じゃん…と突っ込みたくなる時もあるというか。
 中途半端感物足りなさは若干否めない。

 松本さんは「僕のワガママ」と背負って侠気を見せているが、個人的には完全に「予算が無いんだろうな…」というのが原因だと思っている。


 以前、ちょっと触れたことがあるが…

 出演者や制作スタッフにかかる予算ギャラをどうやっても下げられない時…。
 一度番組を終了させて人事を「ガラガラポン!」してしまい、予算のスリム化を図るという最終手段がある。
 高額のギャラだったタレントや放送作家、ディレクターなどを切って安いギャラで働いてくれる若手を投入するわけだ。
 この1〜2年でそれが顕著に進んでおり、それが長寿番組の終了に繋がっている。

 各テレビ局、名前の通っている名物番組・看板番組でさえ、この「ガラガラポン」をしないといけない事態…というのが今のテレビ業界の予算の無さを表しているだろう。

 で、さすがの『ワイドナショー』も【聖域】に非ず…。
 ただ、さすがに松本さんを切るわけにもいかないし、コア視聴率をそこそこ取れている番組を終わらせるわけにもいないし…。
 「松本さんの影響力を維持しつつ番組を存続させる」という妥協点が「隔週出演」に落ち着いたんだろうな〜と推測している。


 最近、ニュースで流れていたが…

 明石家さんまさんが「予算が無いならギャラを下げてもいい」と会社に交渉したところ…

「そうなると、後輩である我々のギャラも下げないといけなくなるから止めて!」

 と…。
 「負の連鎖が起きるからやらないでくれ」と言われたことがあるとか。
 確かに、明石家さんま→東野幸治→@@@→@@@と、若手まで波及してしまうよな…値下げが。
 「さんまさんがコレだけしかもらってないのに、若手のギャラを上げるわけにはいかない!」ってなる。

 あと、一度生活水準を上げてしまうと、なかなか落とせなくなるように…。
 芸能人のギャラも一旦”ベース”を上げてしまうと、その後下げにくくなってしまう。
 有吉弘行さんや川島明さん(麒麟)が重宝されているのは、超有名だけれども他の重鎮クラスまでギャラを上げていないところなんじゃないかなぁ〜と思っている。

1回・数百万円の出演料で、知名度はバツグンの重鎮
1回・数十万円の出演料で、及第点の視聴率が取れる中堅

 現状の予算感だと、間違いなくプロデューサーは後者を選んでいるはずだ。


 そんな感じで、ギャラの「最上位」と言われる【地上波テレビ】ですらそんな阿鼻叫喚地獄なので……。
 さらに予算の無いBSやCS、インターネット配信、はたまたラジオなどは…さらに地獄ってわけで。

企画書を書いて
打ち合わせして
台本書いて
ナレーション書いて
放送をチェックして

 …とやることは地上波と全く同じなのに、値段がぜんぜん違うんだよね。

 あれれ?
 放送作家って「夢のある商売」だったような気がしたから業界に飛び込んだはずなのだが…。
 まぁ、俺クラスの作家が現在も生き残れているだけで、相当な【奇跡】っちゃ【奇跡】なんだけどね(苦笑)。

 


同期の作家は、
ほぼほぼ辞めていきました…

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