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機械仕掛けのコウノトリ 15

 私には二人の子供がいた。子供は私にとって宝物だった。夫もいた。

私には普通という道の中にある唯一の不確定要素であった結婚と子育てに喜びを見出すことができた。

決して、子供達に贅沢をさせてあげられるほどではなかった。

その事が私にとっての苦しみではあったが、その苦しみが愛ゆえに齎される痛みであり、それは親という特権であるとさえ思えた。

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