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こういう寿司屋の大将に僕はなりたい。


冬は胃が縮んでいるから、シャリは柔らかくしたからね

優しく暖かいシャリでスタートしたコースは

大衆寿司屋のカウンターだった。

決められた素材、マニュアルの中で

その大将しか握れない寿司を出す。

暖かく優しい寿司から徐々にドライな表情になっていく

しかし、芯にあるのは「優しさ」

どこまでも優しい味わい

相手のことを思いやった寿司。

コースの内容は、会話で変わる。

大将の観察眼は凄い。

ちょっとした体調変化

飲んでいるお酒

他のお客様の空気

すべて逆算だった。

俺の寿司に合わせろ

ではなく

最低限のレールを引いて

臨機応変に相手を楽しませる

僕の理想だと思った。

出逢いに感謝。

自分の理想の寿司を求めて、

遠いところへ行ってしまったけれども、また会いにいきます。

さあ、今日も握ろう。

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