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黒猫様のお楽しみ vol.6

〈扉飛びつき事件〉
 以前、網戸を開けようとしてくれたフラットさん。うわあ上手! そんなことまでできるなんて! すごい! 賢い! 天才! でもダメー! そんなふうに言っていた。
 そこに今度は、扉である。屋内の、よくある、レバー式のやつ。
 ツイッターで回ってくる猫動画などで、レバーに飛びついて開けちゃう猫ちゃんの映像は見たことがあった。だけどしばらく(数ヶ月くらい経っていたかな?)開ける様子もなかったし、この子はやらないんだろうと。
 ところが、あるとき突然、やったのだ。
 レバーを見つめているなーと思ったら、巨体が飛び上がった!
「おおっ!?」
 何とも上手に、レバーを下ろすではないか!
「すごい! すごいね、フラット! 上手! 賢い! 天才! でもダメー」
 屋内なので網戸を開けられたときほど慌てることはなかったけど、それでも物置代わりになっている部屋への扉を自由自在に開けられて入り込まれるとちょっと困る。私はレバーのところにクイックルワイパーを差し込み、つっかえ棒代わりにして、日々を過ごすことになった。
 それでもちょくちょく飛びつきたがる様子を見せるので、そのときはわざわざ棒を外し、私が見ている上で飛びついていただくことに。巨体が器用に飛び上がる姿は、なかなかの圧巻であります。

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〈おもちゃ大好き〉
 7キロ(少し痩せた)の巨体でも、おもちゃにはじゃれつく。
 お気に入りは、「カシャカシャぶんぶん」。これ、人気あるよね。ものすごく食いつくので壊れるのも早いんだけど、お安いので気軽に再購入できる優れもの。
 ほかにも市販の猫じゃらしの類はたいてい喜ぶ。買ったときはこっそり隠しておいて、そろそろ新しいおもちゃを出すかなーというときに取り出すんだけど、何かしらの気配ですぐ「自分のおもちゃだ!」と気づくらしく、袋から取り出す前にもうハイテンション。それだけ喜んでくれるとこちらも嬉しくて、笑顔でおもちゃを振り回すことになる。
 んだけども。
 猫様、ほんと、猫様。
 最初のハイテンション数十秒だけで終わったおもちゃの、何と多いことか。
 まあ、ちょっとでも遊んでくれただけ、よしとするべきなのか。
 そんななか、リピートして遊びまくるカシャぶんはほんと、優れものだなって。

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〈焼き魚事件〉
 猫の前で焼き魚とか食べたら大騒ぎかなーと思って、飼い始めてからしばらく、魚は避けていた。もともとグリルが汚れるのが嫌で、ものすごく食べたいと思わない限り焼かなかったんだけどね。
 でもフラットは人間の食べ物に(あんこ以外)興味を示さないようだったから、ふと食べたくなった日に買って焼いたんです。
 そしたらやはりと言おうか、大騒ぎさ。
 最初に懸念していた通りさ。
 いつも人の食事には無関心なのに、くれくれと鳴き、手を出し、身体を伸ばし、もう大変。
「しょっぱいから! だめ!」
 言って聞いてくれるわけがない。
 私は皿をガードしながら食事を済ませ、何だか罪悪感を抱くのだった。
 それからというもの、魚を買うときは、落ち着いて食べられないことを覚悟の上で買わなければならなくなったのだ。
 魚モードになったときは、外で定食的なものを食べるとするかね。

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