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J3 第31節 レビュー 【鹿児島ユナイテッドFC vs 福島ユナイテッドFC】躍動する「2番手」

2020.12.5 J3 第31節
鹿児島ユナイテッドFC vs 福島ユナイテッドFC

躍動。

いよいよ、12月になりましたね。
31節を終え、残りも3試合。
激動のシーズンも終わりに近づきました。

今節は、岩手から帰ってきてのホーム戦。
負ければ昇格可能性が消滅するかもしれない状況での試合でした。

結果は2度追いつかれるも、勝ち越し。
ヒヤヒヤする展開でしたが、胸を撫で下ろしました。

さらには、出番が少なかった選手達の台頭や、新たなユニットなど発見もありました。

また気になった点を挙げながら、言及していこうと思います。

ご笑覧ください。

0.スターティングメンバー

はい!それでは、スタメンから見て行きます。

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まずは鹿児島。
薗田、野嶽兄が連続でスタメン。少しずつ信頼を勝ち取ってきたと取って良いでしょうか。

また、前節サスペンションだった岡本が復帰。
そして今節はニウドの相方が八反田。数たる好プレーの連続で、田辺と序列を並べたのかもしれません。

一方で福島。
前回対戦時から大きく変化があったみたいです。
まず前回4-4-2でしたが、今節は3-4-2-1。イスマイラ、田村、トカチと脅威だった3人を前面に押し出しています。

11番雪江はHV、前回対戦時に注目していた29番吉永はWBの起用でした。GKもファンティーニから渡辺へ。前回対戦で苦しみられた宇佐美や橋本(拓)も今回は出番なし。少し寂しかったです。

そんなこんなで、全く違った福島との対戦でしたが、最近戦い方が共有できている3バック戦。前節もそうでしたが、前進は相手の特徴も踏まえ、再現性を持って行えていました。

1.前進の再現性

抽出するのは10:50〜。大西から始まります。

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大西は9番イスマイラを引き付けて、岡本へパス。
岡本は、前方のスペースが空いていたので、ドリブルで運びます。

この時、八反田は8番池田を引き連れて内側後方へ移動。さらに岡本前のスペースが空きます。

そのスペース、2nd-3rdライン間に現れたのが酒本。
難なく岡本→酒本の楔が通りました。

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ボールを受けた酒本には、近くにいた17番諸岡に加え、右HVの23番福島が前に出てきます。その結果、ファウルではあるものの止められてしまいました。

しかしこの時、CB-WB間に大きなスペース。薗田が走り込んでも良し、牛之濱が使っても良しの局面です。まさに酒本がここでライン間で受ける意味を体現していた場面でした。

さらにこのような場面で、今節大きなチャンスを作り出したのが逆サイド事情。
続けて14:15〜のシーンに言及します。

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始まりは福島のボール保持から奪取。
八反田がボールを受けた場面です。
八反田はカラコーレスにて前を向き、酒本に当てます。ここまでは先の場面と同じような流れ。

但しここでは、WBやDHの帰陣が間に合っておらず、3バックが晒されたことで酒本が比較的自由にプレー出来ました。

一方その頃逆サイド。
酒本に入った時点で、スプリントを始めた米澤。
しかし、付いていくべき21番吉田は遅れて追走しています。このようにネガトラで隙が見えた吉田。

18:30〜、フリーで走り込んだ米澤がヘディング出来た決定機もありました。

もっともこの場面、自分で帰るには時間的に仕方なかったと言える場面ですが、ボールウォッチャー気味で米澤が見えていないであろうHVへのコーチングの素振りも無いのを見ると、狙いどころだったかと思います。

いずれにせよ、このような前進も板に付いてきました。

直近の相模原戦では、堅守+カウンターのチームとしてスカウティングされていたので、このような前進が出来てきたこの頃、次のステップに上り始めたのでは?と考えます。

というのも、ゾーンディフェンスでは味方の位置によって動きやポジショニングが決まる=判断材料が少なく、集団の統制が取りやすい。ということで、堅守+カウンターを最初に構築してきたという思惑だと思っているのです。

それが、相手の情報も取り入れながらチームとして前進出来ている。というのは、全体の統制が取れてきた証左かなぁと思いながら見ていました。

2.二ウドと狙われるマイナス

一方で守備面。
ニウドがピッチ上にいることで狙われていたパターンを思い出した今節でした。

正確には、ニウドの長所が活きて問題が解決した一方、トレードオフで噴き出る問題です。

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ニウド不在の時は、主に大外対応はSHの決死プレスバック敢行で凌いでいた鹿児島。

機動力がある彼が戻ってくれたおかげで、最終ラインでスペースを埋めてくれて、SHの負担は軽減しているように思います。

特に、3-4-2-1戦はSBが大外に出てしまうと、ハーフスペースをシャドーに使われてしまう構造なので、DHが戻って対応してくれると有難いです。

しかし反対に、中央バイタルエリアがガラ空きにもなります。

図は29:45〜のシーンですが、同じようなピンチは何度も見られました。

もっとも、そこからのミドルに大きな脅威は無いように感じましたが、ずっと問題になっているのも事実。

解決案を見出したいものです。

3.続・薗田、野嶽弟

2試合連続スタメンの薗田と、後半から出場しアシストを決めた野嶽弟。

薗田は前節と同じように貢献が出来ていました。
欲を言えば、薗田・萱沼が縦関係になり、薗田が酒本役を担うパターンも見てみたいと思いましたが、次回以降にお預けですね。

福島にも出来ると証明した薗田。
どんどん頼もしくなっており嬉しいというか、くすぐったい感覚になっています、僕は。
今後も期待しています。

さらに、野嶽弟。
前回出場時、ボール保持では流石のスキルを発揮していました一方、ディフェンスでは課題が上がってました。

しかし今節は、守備面でも大きく不安な要素は無かったのでは?と思います。

2失点目にも微妙に関与していますが、野嶽個人というよりは周囲も含めた判断基準どうだったの?というところじゃないかと見ているので、ここでは触れません。次項で言及します。

長所を思う存分出して貢献し、短所と思われた部分も改善してきている野嶽弟。

今後、場数を踏める機会も多くなりそうなので、こちらにも期待ですね。

4.得点と失点と

最後に、今回はいくつかの得点・失点シーンにそれぞれ触れて行きます。

まずは35分、福島の一点目です。

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このシーン、トカチのドリブルで前進した福島。
トカチは大外を滑走していた21番吉田に預けます。

田中と1on1に持ち込まれますが、サポートに来た7番田村へパス。視線を固定されました。

田村は逆サイドへのクロスを選択。
野嶽兄の背後に走り込んだイスマイラにヘディングを叩き込まれました。

この失点、野嶽兄の準備は悪くありませんでしたし、イスマイラの質に圧されたシーンと言って良いと思います。

しかし、やはり目線を変えられてのクロスにはボールウォッチャーだなぁとしみじみ。その目的でやってますし、ある種仕方ないんですけどね。

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続けて鹿児島の2点目。薗田の得点です。

ニウドからのミドルパスを収めた米澤。
中央寄りになり、11番雪江・18番河西と福島最終ラインの選手を引っ張り出し、DHに埋めさせスクランブルな陣形に強制します。

米澤は後方から走り込んだ野嶽弟にパス。
野嶽弟から放たれたグラウンダーのクロスを薗田が押し込んだ形になりました。

薗田の背後を取るタイミング、野嶽弟のキックの質、WB吉永に薗田対応させないよう中央に走り込んでピン留めしていた牛之濱、と各々の貢献あっての得点だったと思います。

特に野嶽弟はこのユニット内で社会情緒的にも洗礼されてきているのかもしれません。吉兆に思いますので、今後も見ていきたいです。

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最後に、2失点目。7番田村に走られたシーンです。

ロングボールを21番吉田に回収された後、大外に流れたトカチにボールが渡ります。

この時、人数的には足りていますが、田中が上がった裏をニウドが埋めているスクランブルな盤面でした。

その結果、近くにいるニウド・野嶽弟の両DHはプレス基準がハッキリせず、トカチにスルーパスを通されてしまいます。

トカチのパスも一級品でしたが、あれほど時間的な余裕を与えてしまうと、「そらやられるわな」が率直な感想です。

状況が状況なのでやむを得ませんが、今後もう一段階上がる為にクリアしたい部分かなと思います。

5.あとがき

なんだか色々あった福島戦。

でも結局は、薗田2発決めて萱沼も決めて、野嶽弟もアシストして気持ちいい!に集約されます。甘いなぁ。

一方で、昇格戦線。
連勝を飾ったものの、いよいよ事実上の消滅が見え隠れしてきました。

そうじゃなくとも茨の道なので、最後までやり切りましょうかね。

次回はミッドウィーク飛ばして、G大阪U-23戦で書きます。

可能性が残っていることを信じて。

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