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よい組織カルチャーとは?

8/28に発売する『カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方』に先駆けて、「そもそもよいカルチャーとはどういうものなのか?」について、僕なりの考えをまとめてみることにしました。
(写真はよくないカルチャーの例として大和田常務の「おしまいDeath!」をお借りしました)

出版に至った想いなどについてはこちら。


「いい会社」とは何か?

僕は、新卒で働き始めて以来ずっと、「いい会社にしたい」という気持ちを抱いて働いてきました。毎朝の出社時とか、もう呪文のように「いい会社にしたい」と唱えながら会社に行ってました。入社の初日からです(いやキモいけどw)。

それくらい、人や組織への想いがずっとある。

そして、どの会社でも組織文化に関わる仕事を何かしらさせてもらって、「いい会社とはなんなのだろう」ということを考え続けてきました。

結論としては、「いい会社」という一つの正解があるわけではなくて、「自分にフィットしたカルチャーの組織に身を置いて働くことが幸せ」と思うんです。残業が多いか少ないかとかも、どっちが正解じゃなくて、自分が働きたい環境で働けることが人生にとって大切だと思うんですよね。

だとしたら、企業は自社のカルチャーを定義し、浸透させ、社内外に共有する必要があります。そして、カルチャーにフィットした人材のみを採用すべきなのです。
そうやって、社員も自分に合った組織をちゃんと見つけて働くことができたら、一人ひとりの働く時間は、もっと楽しくで幸せなものになると、考えています。


いろんなカルチャーがあっていい

僕はこれまで、マクドナルドというグローバル外資系の外食業、メルカリという急成長する日本発のIT企業、SHOWROOMというカリスマ経営者が率いるスタートアップと、様々なカルチャーの会社で働いてきました。
そして、タイプは異なるももの、それぞれ圧倒的なものを持つ経営者とごく近くで一緒に働いてきました。(社長やCEOという肩書きの方だけでも、原田泳幸、サラ・カサノバ、山田進太郎、小泉文明、前田裕二、といった経営者です)

また、グロービス経営大学院で教壇に立ち、多くの受講生さんと会話する中で、多種多様な組織カルチャーが存在することを認識してきました。
どの組織もその会社らしい良いカルチャーが存在し、一方で強みの裏側として課題もある、ということは共通しています。

そうした経験から、組織カルチャーとは、「何か一つの正解があるわけではなくて、それぞれの事業モデルや経営スタイルにおいて勝ち筋となるベストを追求すればいい」という考えに至りました。


理想的なカルチャーはあるのか

ここまで書いたように、いい会社も、よいカルチャーも、一つの正解があるわけではないと考えています。
では、「理想とするカルチャーはあるのか?」というと、一つだけ答えがあります。それは、期待値ギャップのないカルチャーであることです。

「オープンな会社です」と言われ、その期待で入社したのに、「直の上司を飛び越えて発言したら叱責された」なんて経験をしたら「オープンと聞いていたのに話が違う」となりますよね。そうした、期待に対して、組織の実態が伴わない場合に、人は組織への不満を抱き、会社へのエンゲージメントが低下するのです。

たとえば、「成果主義でプロフェッショナルとしての高い水準の仕事が求められる」組織があったとします。
この組織、「結果を求められる環境でビシビシ仕事してプロフェッショナルに成長したい」と思ってる人にとっては、上司から厳しく結果を求められても、「なにくそ」という思いで自己成長につなげてゆくでしょう。そして、結果を出す人材へと成長し、本人の組織への満足度も高くなります。
一方で、「しっかりした育成を受けてプロフェッショナルになっていきたい」という期待値で入社した人にとっては、結果だけを求められるこの環境では、「全く育成してくれないのに結果だけ求めてくる」と感じられ、不満に繋がるかもしれません。

これは、どちらの言い分もそれぞれ本人の目線では納得できる面があります。つまり、どちらが正しいということではなくて、それぞれの組織カルチャーへの期待値に対してフィットしているか、ギャップがあるか、という違いに過ぎないのです。

だとしたら、自社の組織カルチャーについて、適切に言語化し、組織に浸透させる必要がまずはあるわけです。言ってることとやってることが一致していないと、こうした期待値ギャップからくる不幸はなくなりません。

そして、その浸透したカルチャーを社内外に発信するのです。そうすることで、適切な期待値を持った方が入社し、「期待通り」と満足して、従業員のエンゲージメントが高まってゆくのです。

そうした、満足度の高い組織であれば、一人ひとりは生き生きと楽しく働いているわけなので、それこそがよいカルチャーの会社であると言えると思います。

ということで、最高の組織文化をつくるために、いかにしてカルチャーを言語化し、浸透させていくか、そんなことを本にまとめてみたので、よかったらぜひお手にとってみてください!


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