長生きはいいものか

誰しも体の老化はだけは避けられない。

高齢という理由に何をしてもよいものだろうか。

つい先日、将来自分が高齢になった時、この人みたいにはなりたく無いなという高齢の男性に出会った。

高齢になるとこうなってしまうものなのだろうか。

自身が経営する会社に問い合わせがあった。

この方の職業は、会社の代表。91の男性からである。

91で経営者とは、きっとバリバリ働いているんだろうと考えていたが、そのイメージが後に打ち砕かれる。

先方から「明日の午後、御社に伺いたい」と連絡が受けて準備していた。しかし当日、来ないどころか、連絡も来ずに終了(一回目)。※本人は電話以外使えず。

後日「明日の午後、御社に伺いたい」と二回目。これも同様に終わる。

今度は三回目。時間になっても来る気配なし。もう来る気はないのか。今日も来ないと思った矢先に来社。やっと来たと思ったら終業30分前の17時だった。いくらなんでも遅すぎる。

これくらい当たり前だろとでも思っているのだろうか

どうやら歩けることは歩けるようだが、ゆっくり杖をついて歩いている。駅から徒歩20分少々の弊社によく来たものだと。

こんな時間に来られても困るのだが終業時間割り込むのは勘弁して頂きたい。

「どうしても何とかならないだろうか。御社が最後の望みで救いの神だと思っているんだ」と仰る男性。

困っていることは困っているいるのだろう。

弊社には以前試作品で作ったことがある装置があるが、成功する保証はない。理由はいずれも失敗に終わっているからである。もと言えばこの装置、廃棄さえしていれば、今回の話はここで終わっていた。

ひとまず、今回のトライアルでやってみるということになった。うまくいけば販売も検討していたが、この老人はあまりにもルーズすぎる。

とぼけて支払い忘れたり、なんかしらのトラブルに巻き込まれるリスクも十分にありそうな予感がした。時間にルーズな時点で信用が薄い。

その他の担当者がいないのが困る。全てこの老人が仕切っているだけ。家族が役員になっているだけで何もかも勝手にやっているだけなんだろう。不信感ばかり募らせる自分だった。

結局先方へ行くことになった。日程まで決めた。しかし、前日になって急遽日程を変更して欲しいと言われる。1日ずれた。

本社は県内と伺っていたが、これは「本社」という名の単なる自宅であった。会社に登記するためにそうしているためである。実際の現場は他県であり車で2時間かかる遠距離であった。

今回、車で向かうのにも、会社のバンでは運べないので、レンタルでトラックを借りることになった。

ところで、社内規定では、相手方で装置を運用できないとなると費用を請求できないことになっている。実際に運用出来たのを確認してからが請求が開始される。自身、このルールが理解ができないのだが、いずれは改定しようと思っている。これでは一方的に弊社が損をするだけである。

これまでの工数を考えると費用を貰わないわけにはいかない。もちろんトラック借りるのにも当然費用が掛かるし、高速代、ガス代も掛かっているのだから。

搬入当日。朝9時に会社を出発し、12時前に現地着。約束は12時。会社の方に伺ったところ、本人はまだ来てないとのこと。

やはり想定通りだな。本人の携帯に電話してみる。『今、出先なので、今向かっている、あと1時間待ってほしい』

12時なので昼飯食べて時間を消化する。現地に戻ってやっと本人が現れた。

伺ったところ、別荘を他県に持っているようで、昨日は仲間たちとゴルフをしていたとのこと。そこそこの資産はあるのだろう。本業ではそこまで稼げるような仕事ではない。やっと食べていけるの仕事である。

別荘持ちで、平日で呑気に仲間とゴルフとは。悠々自適もいいところだ。

従業員の大半は、東南アジア系の外国人を中心とした構成。日本人は少数である。

職場環境は決して良いとは言えない。建屋は軽く築60年以上超である。大地震がきたら真っ先に倒壊するのは間違いない。

仕事内容からみて、給与もせいぜい最低賃金レベルが良いところだろうと思っている。外国人はここで安くこき使われるのか。よくみんな我慢してと思った。

話によると「日本人はみな給料がいい仕事にみんな行ってしまう。このような泥臭い仕事はみな外国人がやっている」

それは違う。安くこき使われるからやらないだけだ。こんなんやってる会社は山程ある。そこまでしゃかりになる必要はないだろう。

環境が劣悪すぎる。ここで働かなくても、大きいところに移行した方がよっぽど職場環境がいい。

職場環境が最悪な中で、この状況を放置できる、社長の気持ちが理解できない。この自己満足の塊みたいな老人は何を考えているのだろう。

ここへ来る事前に「電源三相の200Vのコンセントはあるのか」と尋ねたところ「ある」と回答したが、実際には、線がむき出し状態でとても接続できる状態ではない。当日試運転できる状況ではなった。

うちの装置に興味を持っていただけることに対しては大変ありがたい。でも先ずはやることは、職場環境を改善すべき。建屋はものすごく老朽化が進んでおり、電器設備を見た限り線や基盤がむき出し、これではけが人が多数出てもおかしくないし、下手すれば死人も出ることだろう。それをこの老人社長(老人)はきちんととるのだろうか。

いくらなんでも高齢というものを免罪符にしているのが許せない。それを口にしていたわけではないが、明らかにそれが態度に出ている。

この方は自分は一切理解しようはしなかった。経営の身から引くべきだ。

結局、試しに貸し出した装置は思うような効果が出なかった。これは分かり切っていたことだが。

収益的に、この件で弊社がプラスになることはなかった。

ただプラスになった事とするなら、この人みたいな老後にはなりたくない。

そして自分の体に限界が来たのならさっさと経営の身から引く事である。

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