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読書感想 ~こころ~

 前回の投稿から10日以上経ってました。読書感想を書くためには文庫本を買って読み進めたくなります。

 ページ数が多ければ時間がかかるのは当たり前だけど、その途中で知らない言葉を調べたり、印象に残るセリフや描写があると書き留めて、その内容が何を意味するのか、どうして気になったのか、を考えたくなります。

 今回の作品は特に思いや考えに耽ってしまいます。夏目漱石 「こころ」です。

 著者とタイトル共に有名過ぎます。なので、大まかな内容を知っている方が多いかも知れません。

 前半の主人公である「私」は鎌倉で「先生」に
出会い、その不思議さから「先生」を深く知り
たくなっていきます。けれど「先生」は「私」に自身の深い部分を話そうとしません。心を開くことを拒み続けます。後半は「先生」が主人公となって、「私」へ自身の過去を書いた手紙の内容が続きます。

 明治時代の知識人が抱く孤独な内面を過去を振り返りながら仔細に描かれています。
 どういう状況になると人を信じられなくなり、
他人と接していくことを拒んで疑い深くなり、人間関係を築いていくことが下手になって孤独になる。同時に自分も信じられなくなって自己否定し続けていく。

 けれど、人間関係の嫌な経験を良いものに上書きしてくれるのも人間関係なのです。キレイで心地良くて愛を感じられる人と接することで浄化できるのです。
 それに友人や恋愛関係に失敗したとしても、日本だけでも多くのコミュニティがあるからやり直しができる可能性もあリます。
 こういう事実にもっと早く気付けば「先生」とその友人Kは自分で自分を陥れていくことはなかったハズです。

 そういう過程で傷付くことに耐えられるような
メンタルを鍛えられるのだと思えます。ひとりで自分の世界だけに篭ってばかりだと精神を強くできないと思えてなりません。

 とはいえ、現実的にはそう簡単な話じゃないです。そう言う人達にタイミングよく出会えるとは限らないし、自分が馴染めそうなコミュニティを見つけるのに時間と労力をかけるかも知れません。 
 私は「先生」や「友人K」のように内向的なので、2人が仮にそう言う事実があると気づいても行動に写すのをためらうのではと理解できます。

 何にしても、夏目漱石の「こころ」は不朽の名作です。人の心の深い部分を描いて、どうすれば心を強くできるにかを考えたくなります。これほどにタイトルが内容にしっくりくる作品はないと思えてなりません。

 実を言うと、「こころ」は学生時代に一度途中まで読んだことがあります。後半の途中から飽きてしまい、挫折し手放してしまいました。
 当時の私はヒトの内面に興味が持てなかったです。中身が未熟だったけど、曲がりなりに社会人を続けてきて、心の深い部分を理解していこうと思えています。

 そして別の機会で、内向性の良い面を活かしつつ、人間関係の良さを感じていくために、どうすれば良いのかを私なりに考察したいです。

終☺️

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