読書感想「働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える」
読んだ本
村山昇『働き方の哲学 360度の視点で仕事を考える』2018年、ディスカヴァー・トゥエンティワン
本の概要
本書は、働くことに対する健やかな「観(ものごとのとらえ方)」をつくる絵事典、と述べられている(本書p.6)。
働くことに関わる基本概念を見つめ直す目的で、基本概念として73項目のキーワードを紹介するとともに、3題のワークシート、11本のコラムを以下の全6パートの構成で掲載している。
仕事・キャリアについて
主体性・成長について知識・能力について
働く意味について
会社の中で働くことについて
心の健康について
以下、書籍『アウトプット大全』(樺沢紫苑、2018年、サンクチュアリ出版)の「読書感想を書く」(p.248-253)で紹介されていた、ビフォー + 気付き + TODO の構成で読書感想を記載する。
本を読むの状態
今後のキャリアを考えるにあたり、仕事やキャリアにどのように向き合っていくか、考えるきっかけを得たいと考えていた。本書は多数のキーワードが紹介されているものの、各項目の内容については類書を通じて既にある程度知っている内容も多く、そこまで真新しい内容はないように思えたが、網羅的に紹介されていることから、様々な視点で考え直す目的で通読することにした。
本から得た気づき
「観」を醸成する
本書を読んで得た気付きは、自分の言葉や絵や行動で表現することを経てはじめて自分の考えを腹落ちさせることができるという点である。このことを著者は、「肚で押さえる」という表現をしている。
この本の独自な点は、筆者が開発したワークの一部が紹介されている点にあると思う。そのうちの一つに、「『成長』を自分の言葉で定義する」(本書p.86)というワークがあり、実際に、本書に直接書き込んでみた。
このワークでは、以下4つの作業を通じ、自分なりに「成長」を定義する。
このワークの一連の作業は、概念化の思考と呼ばれるコンセプチュアル思考に基づき、以下の思考フローを意図して設計されているそうだ。
実際にやってみたところ、私の場合は特に、抽象化の部分が難しいと感じた。今回記載した成長体験のひとつは、「自分一人で抱え込むのではなく、チームで取り組む意識を高めて役割分担をする」というものだった。最近、アドラー心理学の本を読んだことも影響しているためか、成長の定義は、「主体の意識をわたし(I)から、わたし達(We)に広げる」といった内容を記載した。
他にも様々な具体的な成長経験を思い起こし、抽象化することで、より成長観を強めることができるだろう。
筆者曰く、「観」はものごとの見方・とらえ方であり、知識や技術よりも下層にあって、自分の仕事・キャリアのあり方に大きく影響を及ぼす(本書p.91)という。
日々の行動展開に繋げるため、こうしたワークを通じて、自分なりの仕事観を醸成していきたい。
名言に学ぶ
また、本書では、学者・作家、著名人らの名言を多く引用しており、その中で特に印象に残った言葉をここに挙げることにする。
孤独であることは、必ずしも孤立を意味しない。深く考えるため一人の時間をあえて持つことは決断のために重要であるということは、励ましになる。
筆者曰く、人が本当に元気になるために必要なことは「決意」だと言う。
外部状況に関わらず、ポジティブであり続けることをこれからも大事にしていきたい。
悲惨な体験をしたフランクルの言葉は特に心に響く。自分の人生の意味をどのように捉えるか、上記に引用されているフランクルの著書もいずれ読んでみたいと思った。
これから実践したいこと
上記の感想でも記載した通り、これからも定期的にワークを通じて、自分なりの仕事観を自分なりの言葉で表現できるようになりたい。
また、自分の志、人生の意味に向かって、成し遂ることを決意することで、元気に日々を過ごしていきたい。
私には心理学を修め、学びを活かして人が幸せに生きるための役に立ちたいという夢があり、道のりは長くとも、まずは直近は一歩一歩、心理学の勉強に励みたい。
以上