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arica00-04|前提条件の見直し|「論理」と「感情」はお互いを深めるためにある。

aricaについてはぜひこちらのコラムから読んでみてください。

自分の「好きの在処」を見つけて集めていく方法をお伝えするaricaのその具体的なやり方をお伝えする前に、見直すべき3つの前提条件についてお伝えしてきました。

今回は「好きの在処」を見つける方法をお伝えする前の「下ごしらえ編」の最後に、自分の「好き」を分析していく過程で欠かせない「論理的視点」「感情的視点」の重要性と双方を活かすための思考法についてお伝えします。

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自分のスタンダードを知るために「感情」に向き合う


前回の記事までを読んでいただいた方は、「センス」が実は選ばれし者だけの超能力的なものではなくてどうやら体系的に理解できる論理的なものらしい…ということはなんとなくわかってもらえたのではと思います。

では、論理的に考えさえすれば自分の「好き」を理解していけるのでしょうか? ビジネスにおいて対象となる多数のユーザーが認識している「普通」は情報収集 / 分析で捉えられます。

しかし、自分の内面は自分以外に観測者がいないためより一層、感情的な部分にも同時に向き合っていく必要が出てきます。

「論理」 と 「感情」について

「理論」と「感情」は対立構造で語られがちで、よく「理論派」「理屈っぽい」とか「感覚派」「感情的」とタイプを二分することもありますよね。

でも実際にはどちらの傾向が強いかだけで、すべての人がどちらの要素も持ち合わせています

そしてこの二つはぶつかり合うとただ対立して平行線を辿ってしまいますが、互いに循環させることで大きな気づきをもたらします。具体的な方法としては…

❶【論理的】な意見を【感情的】視点で捉え直す
❷【感情的】な気持ちを【論理的】視点で捉え直す

この2つを循環させることでそれぞれの解像度や理解度が深まったり、本質的に望んでいることが見えてくるのです。

ちょっと漠然としていて理解が難しいかもしれませんが、例え話を出すと下記のようなイメージです。

❶【論理的】な意見を【感情的】視点で捉え直す
論理的な願望「なるべくコスパのいいものを選びたい」それはなぜ?→「お金に余裕ができるから」お金に余裕があるとどんな感情になる?→「余裕があれば安心して暮らせる」安心できる暮らしは感情面でどんなメリットがある?→「イライラや不安がなく家族が仲良く幸せに過ごせる」
…この場合、節約に努めるという選択の奥底には「家族の幸せな関係」という願望がありそうということがわかってきます。

❷【感情的】な気持ちを【論理的】視点で捉え直す
感情的な願望「職場の人間関係がストレス!なんとかしたい」ストレスのある職場にはどんな不利益がある?→「不毛なモヤモヤに消耗させられる」不毛なモヤモヤはあなたにとってどんな損失を与える?→「自己成長の機会が減る」成長の機会がもっと得られたらどんなことが実現できそう?→「もっとお客様を喜ばせる提案ができる自分になれる」
…この場合は職場に対してストレスを抱いていながらも、自己成長によりより良い仕事をしたいという願望があることがわかります。

これはひとつの例ですが、「コスパ」という論理的選択の裏には「家族の幸せな時間」を願う感情が隠れていたり、「ストレス」というマイナス感情は「自己成長 / 顧客へのより良い価値提供」という合理的な目的が達成できないために生じていたことが見えてくるのです。

ここで着目すべきは、家族の幸せな時間を望んでいるのについつい節約にシビアになりすぎて家族の空気感がピリピリしてしまっていたり、より良い仕事をしたいのに職場の人間関係にばかり振り回されてしまっていたり、表面的な願望だけ見ていると本質的な願望に見合わない選択をしてしまっている可能性があるということです。

「この選択はそもそも、なんのための選択?」に気づくために有効なのが「論理」と「感情」を味方につけた考え方であり、自分にとって好いもの選びや「好き」の在処に気づくための第一歩になります。

もちろん「論理を論理で」「感情を感情で」深堀りすることもできますが、相互に反転させた視点で捉え直すことの方が、本質的で根源的な願望を呼び起こすことにつながります。


「論理」 と 「感情」は互いを深め合うためのもの

それにこのように思考できるようになると、「理屈っぽい人」の原動力が愛に満ちていたり、「感情的な人」も本当は現実的な成果を望んでいたのだと、知らなかった面が見えてきたりします。

この考え方はaricaにおいて「好きの在処」を見つけて集めることを実践する上でとても重要なポイントになってくるのですが、どうしても文章だけでは伝わりにくい部分があると思うので、興味のある方は今後開催するワークショップで体感してもらえたら嬉しいなと思います。

そして実はこの思考方法は元々個人に向けたカウンセリングではなく、ビジネスやクリエイティブにおいて課題を解決して成長させるための原理原則を体系化して学ぶ過程で得たものです。

ビジネスにおいては「具体」「抽象」という2つの視点で捉えますが、「この構造って個人の選択においても葛藤の原因になっているのでは?」という気づきから、arica流にアレンジしたのがこの考え方です。

「論理」と「感情」、どちらが正しい?

arica流にアレンジとは言いましたが、論理と感情をどちらも味方にして思考した方が良いのは、本質的にはビジネスにおいても同じことです。よく「ビジネスの場に感情を持ち出すな!」と言う人もいますが、人間という生き物には漏れなく「感情」というセンサーが搭載されている以上、それを無視したシステムがうまく回るはずがありません。

「論理主義め!」「感情的なやつ!」と互いを否定する言葉の裏にある本音は、「感情派|論理で縛られて自分の感情を抑えられるのが嫌」「論理派|感情に支配されて自分の論理が通じなくなるのが嫌」であり、お互いを敵とみなした一方的な主張をし合っているためにそれぞれの得意な考え方を活かしあえていない状態です。

そもそも「感情的になる」と「感情を伝える」のはまったくの別物ですし、「論理的であること」にこだわるのではなく、ものごとを整理するためにつかう機能が「論理」です。

どちらが正解でもなく、それぞれ役割が違うだけです。

一見、「好きの在処」を見つけるという話から脱線したように見えるかもしれませんが、自分のもの選びの視点に立ち返ってみると…

「コスパやスペック(論理)で見たら絶対Aの商品だけど、なんか気になる(感情)のはBなんだよな〜」

という葛藤もかなり多いのではないでしょうか?

これは「合理的に考えてA」とか「直感を信じてB」という話ではありません。先ほどお伝えしたようにそれぞれを逆の視点で深堀って理解を深めたり、本質的に望むことに気づいた上で自分の意思で「こっちにしよう!」と「好き」を選択していけたら、その分だけ納得度や満足度の高い「自分だけの選択」になるということなのです。

これは本当はシンプルなことなのですが、自分自身のこととなると難しいですよね。(私も、理屈は理解しても悩むことは多くあります)

それでもこれはとても大切な視点なので、今後の記事でも何度も表現を工夫しながら伝えていきたいなと思います。

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次回からはいよいよ「好きの在処」を見つけていくための具体的な方法について。


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